「大腸カメラで小さなポリープがあると言われてたが、切除する必要はないと言われた」
「大腸ポリープのフォローのために大腸内視鏡を定期的に受けている。」
「大腸ポリープから癌になることはないの?」
大腸ポリープについては様々な疑問が出てきます。そこで今回は大腸ポリープの良悪性の判定の目安についてまとめました。
大腸ポリープが癌になることはあるのか?
ただし、大腸ポリープには大きく2種類あります。良性の大腸ポリープは経過を見ていくと徐々にサイズが大きくなり、
- やがて癌化するもの
- 癌化しにくいポリープ
の2種類があるのです。見た目では良悪性の判別がつかない場合もありますので、大きさを目安に、ポリープであっても
- 1−2mm程度のものは経過観察。
- 5mmを超えるサイズのポリープは癌にならないように切除してしまう。
ことが多いのです。
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どこの病院で大腸カメラを受けるのがオススメなのか?
毎年や数年に一度大腸カメラを受けているのであれば、過去のデータも残っていますし、いろんな病院を回るよりは一つのところで受ける方が良いと考えられます。
5mmを超えるようなポリープがあった時に、切除する環境があるのであれば、小さなクリニックで受けても問題はありません。どうしても大きな病院で受けたいのであれば、癌拠点病院などを探していただいてそちらで受けるのも一つの選択肢だと考えます。
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大腸カメラの合併症は?
大腸カメラの合併症にはどのようなものありますか?
合併症に大きく2つあります。
- 出血
- 穿孔
大腸カメラによる出血
出血は文字通り、大腸から出血してしまうことで、主にポリープを切除する際に、動脈から出血を起こすことがあります。基本的にはすぐに止血できるケースが多いのですが場合によっては、なかなか止血することができずに、輸血が必要になることもいあります。
動脈性に出血してしまうと、勢いが強くどこが出血源なのかわからずに、現場は騒然とすることもあります。
大腸カメラによる穿孔
穿孔とは腸管に穴が開いてしまうことです。こちらも主にポリープを切除する際に、深くまで切除しすぎて、腸管壁の向こう側である腸間膜や腹腔内に到達してしまう場合です。
腸管に穴が開くと、そこから便などの内容物が腸管外に出てしまうことになりますので、腹膜炎を起こしたり、最悪命にかかわることもあります。ただし、通常の消化管の穿孔と比較して、大腸カメラの検査時には便はすべて出しており腸管内は比較的綺麗な事が多い為
- 6割で手術が必要になるけれども、残りの4割は保存的に治療される。
のです。通常の穿孔ならばほぼ全例手術になるのが一般的です。
手術になるかならないかの判断には、全身状態などももちろんですが、穿孔した場所も大きく関与します。腸間膜内にとどまる小さな穿孔なのか、はたまた腹腔内に大量のairを伴う穿孔なのかこれによっても治療方針は大きく変わります。
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最後に
大腸癌の検診である便潜血検査を受け、そこで引っかかった場合、大腸カメラの適応となります。そこで見つかったポリープに対しての切除するかしないかの判断基準などを中心に説明してきました。
ポリープがすべてがんになるわけではなく、サイズが小さいものは、放置することが多いということです。