甲状腺の病気にはどんな種類があるのか、ご存じですか。
あらかじめ甲状腺の病気や特徴について理解しておくと、早期発見に役立ちますよね。
また、早期発見できれば、早めに治療開始できるのです。
そこで今回は、甲状腺が関わる病気の種類や特徴についてご説明します。
甲状腺の病気の種類は?
甲状腺機能充進症
甲状腺ホルモンの分泌量が上昇して過剰になってしまうことにより生じます。
- パセドウ病(グレーブス病)
- 機能性腺腫(プランマー病)
- TSH産生腫瘍
が原因となります。
甲状腺炎
甲状腺に何かしらの炎症が起こり、一時的な甲状腺中毒症になることによって生じます。
- 慢性甲状腺炎(橋本病)
- 亜急性甲状腺炎
- 無痛性甲状腺炎
- 急性化膿性甲状腺炎
に分類されます。
甲状腺機能低下症
甲状腺の作用が不足状態になることで生じます。
- 原発性(甲状腺性)
- 二次性(下垂体性)
- 三次性(視床下部性)
- 甲状腺ホルモン不応症
甲状腺腫瘍
経過観察になることが多い良性腫瘍と、早期治療が必要とされる 悪性腫瘍があります。
- 良性腫瘍=機能性腺腫/嚢胞
- 悪性腫瘍=乳頭癌/濾胞癌/未分化癌/髄様癌/悪性リンパ腫
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甲状腺が関わる病気のそれぞれの特徴は?
甲状腺の病気は様々な種類に分かれるので、それぞれの主な特徴を知っておくことは大切ですね。
パセドウ病(グレーブス病)
暑がりで多汗、疲れやすく筋力の低下したり微熱が出る、目つきが鋭くなり眼球が出てくる、イライラして動悸や頻脈が起きる、食欲過多か低下する、月経不順や血圧や血糖値の上昇
機能性腺腫(プランマー病)
安静時でも動悸が起こって不眠や息切れ、疲れやすい、 濾胞腺腫という良性腫瘍から甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてパセドウ病に似た症状
TSH産生腫瘍
動悸がしたり脈拍が早くなったりして汗の量が増える、体重が減少、イライラ感、手足の震え、び漫性甲状腺腫が大きくなる、頭痛や視野障害が起きる
慢性甲状腺炎(橋本病)
冷え性の悪化、皮膚のかさつき、むくみ、脱毛、無気力感や眠気が増大、忘れっぽくなり認知症に似た症状が出る
亜急性甲状腺炎
甲状腺が硬く腫れる、それによる痛みや発熱、動悸がしたり息切れを起こしたりする
無痛性甲状腺炎
暑がりになって動悸が生じる、体重減少が起こる、特に痛みはない
急性化膿性甲状腺炎
首・甲状腺の腫れによる痛みと発熱、食事や唾の飲み込み時に痛みが増す、
甲状腺機能低下症:原発性(甲状腺性)
甲状腺そのものに炎症や障害が起こることによって生じる、冷え性の悪化、皮膚がかさつく、むくみ、無気力感
甲状腺機能低下症:二次性(下垂体性)
下垂体で甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンをうまく作り出せないことで生じる、冷え性の悪化、皮膚がかさつく、むくみ、無気力感
甲状腺機能低下症:三次性(視床下部性)
視床下部で甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンをうまく作り出せないことで生じる、冷え性の悪化、皮膚がかさつく、むくみ、無気力感
甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモン不応症
血中に十分な甲状腺ホルモンはあるのにうまく機能しない、機能不足を補うために甲状腺ホルモンの分泌が過多になる、暑がりや寒がり、動悸が激しく発汗が増大、発汗が減少して皮膚のかさつき
甲状腺腫瘍
甲状腺にできるしこり、甲状腺の全体が腫れるびまん性甲状腺腫、甲状腺が部分的な腫れを帯びる結節性甲状腺腫、しこりの感覚・感触以外の自覚症状はない
※ しこりを自覚したら早めに検査を受け、経過観察になりやすい良性腫瘍か、早期治療を必要とする悪性腫瘍の見極めが大切
最後に
甲状腺が関わる病気の種類や特徴について、あらかじめ理解しておけば、早期発見や早期治療に繋がります。
ちょっとした体調不調だと見過ごしやすい症状や特徴のものもあるからこそ、不快な症状が長引いたりしこりを自覚した場合には、早めに病院を受診することが大切ですね。