感染していることがわかれば、除菌をすすめられるピロリ菌。
除菌するためには、決められた薬を1日2回、1週間服用することになりますが、成功率は約70%と言われています。
70%ということは、裏を返せば30パーセントの人は除菌に失敗してしまうということです。
(参考書籍:これでわかる ピロリ除菌療法と保険適用 改訂第5版)
そこで今回はピロリ菌除菌の失敗について
- 原因
- 失敗した場合
- 効果を高める方法
- 除菌後の再発
という気になることに1つ1つお答えしていきたいと思います。
ピロリ菌の除菌失敗の原因は?
- 除菌薬に対して耐性を持つピロリ菌がいたため
- 喫煙、アルコールの摂取
- お薬の中途半端な服用
では1つずつ見ていきましょう。
除菌薬に対して耐性を持つピロリ菌がいたため
除菌薬には2種類の抗生物質が用いられますが、過去に多く抗生物質を使用した人の中には、知らない間にピロリ菌に対して耐性を持っていることがあります。
そのため、除菌薬が効かなくて失敗するということが考えられます。
喫煙、アルコールの摂取
除菌薬には抗生物質のほかに、胃酸を抑えるための胃薬が処方されます。
しかし喫煙やアルコールを摂取していると、胃酸の分泌が促進されてしまい、抗生物質がピロリ菌に対して十分に効かないということがでてきます。
このため、除菌薬を服用中は喫煙・アルコールは避けるようにしたいですね。
お薬の中途半端な服用
除菌薬を途中で服用をやめてしまったり、飲み忘れがあったりすると除菌成功率がグッと下がってしまうという報告があります。
そして、万が一失敗に終わった場合に、耐性を持ったピロリ菌が生まれる原因になるということです。
自己判断で服用をやめたり、量を変えたりすることはやめましょう。
除菌に失敗したらどうするの?
1回目の除菌が失敗したから、すぐ2回目に挑戦できるというわけではありません。
1回目の除菌により、腸内細菌フローラが変化しています。
また、除菌によって肝臓や腎臓にも少なからず負担を与えています。
なので1回目の除菌失敗後、3〜6ヶ月おき、腸内を休ませてから、2回目の除菌を行うことが重要です。
その際、1回目と同じことをやっているとまた失敗することもあります。
除菌の効果を高める方法は?
除菌の失敗についてお話してきましたが、逆に効果を高める方法というのはあるのでしょうか。
調べてみると、ヨーグルトなどに含まれるLG21乳酸菌で除菌率が約10%アップした、という研究結果があるようです。
LG21乳酸菌は、胃酸に強いので、胃の中でも増殖する力が高いということで、ピロリ菌に対して増殖抑制の働きも期待できます。
実際に除菌治療中にLG21乳酸菌入りのヨーグルトを併用して摂取したところ、成功率が上がったとの報告もあります。
除菌後に再発することってあるの?
除菌に成功しても1年後に再検査してみると、2~3%の確率で再発することがあります。
再発と言っても、厳密に言えば「再燃」と「再感染」に分かれます。
「再燃」とは
除菌が成功したように思っていても、実はピロリ菌が残っていて、それが増えて1年後に陽性反応として検出されるようになる、ということです。
ピロリ菌に感染しているかどうかは簡単に診断可能なのですが、完全に除菌されたかという診断に100%の方法はない、ということが関係しているようです。
「再感染」とは
除菌には成功したものの、その後に再びピロリ菌に感染してしまい、1年後に陽性反応として検出される、ということです。
ピロリ菌の多くは幼児期までに感染する、と言われていますが、大人に感染しないわけではありません。
(JAMA. 2013 Feb 13;309(6):578-86.)
まとめ
- 除菌の失敗は、耐性ピロリ菌・飲酒喫煙・中途半端な服用が原因
- 2回目の除菌は、3〜6ヶ月間を空けて
- LG21乳酸菌で除菌成功率アップ
- 除菌後に再熱や再感染することも
再発の報告も低確率ですがあります。
除菌に成功するに越したことはありませんから、失敗の原因になりそうなことは避けたり、成功率を上げると言われているLG21乳酸菌を摂取してみるのもいかもしれませんね。