毎年打たないといけないインフルエンザワクチン・・。しかも、このワクチンって打ったからってインフルエンザウイルスにかからないというわけではありません。
実際私も私の周りの人も、このワクチンを打ったのにインフルエンザにかかったことがあります。
「じゃあ痛い思いまでして、お金払ってまで、インフルエンザワクチンって打つ必要ってないのでは?」
と思いませんか?
しかし、そんなことはありません。完全ではないもののインフルエンザワクチンには効果があります。今回はインフルエンザワクチンがどのような効果があるのかについてまとめました。
インフルエンザワクチンは完全なワクチンではない。
インフルエンザワクチンはご存知の通り完全なワクチンではありません。まだまだ未熟なワクチンです。そのため、摂取してもインフルエンザにかかる可能性があります。
インフルエンザワクチンはインフルエンザにかかる確率を下げてくれます。具体的には、
- 結構な65歳以下の成人の場合、70%程度発症予防の効果がある。
ということです。逆に言えば、30%は発症予防の効果がなく、かかってしまうとも言えます。
なぜ完全な予防効果がないかというと、流行するであろうインフルエンザウイルスの型を予想して組み上げるものであり、必ずしも当たるとは限らないからです。 ただし、外れていたとしても類似性はあるのである程度の効果はあります。
そして、このワクチンは高齢者ほど打つことに意味があります。何故ならば、虚弱な高齢者の場合、
- 発症予防効果 30-40%
- 入院の予防効果 50-60%
- 死亡の予防効果 80%
と言われています。
しかし、入院の予防、死亡の予防といった重症化の予防に非常に効果があることがわかります。
インフルエンザワクチンを受けるべき人とは?
米国疾病対策センター(CDC)が推奨するインフルエンザワクチンを受けるべき人
- インフルエンザ感染したくない人。
- インフルエンザ感染して人にうつしたくない人。
- 6か月〜4歳の小児。
- 50歳以上の成人。
- 妊娠中の女性。
- 基礎疾患がある人(具体的には慢性呼吸疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、血液疾患、代謝疾患)
- 免疫抑制状態の人
- アスピリン長期内服中の人
- 誤嚥のリスクがある人
- 長期療養施設入所者
- 医療従事者
- 小児、高齢者、高リスク者に接する人
感染したくない人、うつしたくない人というのは当たり前ですが、それ以外は、とにかくかかると重症化のリスクがある人が並びます。
また、注目すべきはそのかかると重症化のリスクがある人に接する人=家族や医療従事者も受けるべきだということです。
つまり、ワクチンと言えば
- 自分のために打つ
- 自分がかからないために打つ
- 打たなくて、苦しむのは自分だけ。
というイメージがあるかもしれませんが、それだけではないということですね。
インフルエンザワクチンの効果は翌年には続かない?
インフルエンザウイルスは毎年少しずつ変化していますので、感染による免疫はその年しか有効でないためです。
[adsense]
インフルエンザワクチンを強制的に受けさせることはできない?
会社を経営していたりして、従業員に休まれては困るため、是非インフルエンザワクチンを受けて欲しいと考えられる人もいると思います。
しかし、インフルエンザワクチンは任意接種であり、強制的に受けさせることはできません。副作用などの問題もありますし、あくまで個人の意思の自由で受けることができます。
インフルエンザワクチンでインフルエンザにかかることはある?
インフルエンザワクチン後に体調を崩した場合、もしかしてワクチンでインフルザにかかったのではないかと思うことがあるかもしれませんが、そのようなことはありません。
インフルエンザワクチンは、HA抗原蛋白と呼ばれるウイルスの構成物質の一つを注射するだけですので、インフルエンザワクチンでインフルエンザにかかることはありません。
ただし、もともと風邪気味などだった場合、それをこじらせる可能性はありますし、予防接種の副作用の可能性はあります。
最後に
インフルエンザワクチンはまだまだ未熟なワクチンではありますが、若い健常人でも打つことで発症予防効果は打たないよりはもちろんありますし、免疫をつけることで周りにうつさない効果があるということが重要です。
特に、周りにうつることで重症化する人がいる人は、是非受けるべきワクチンと言えます。
そのため、病院などによっては可能な限り全職員にワクチン接種を促している施設も多いです。もちろんインフルエンザワクチンは任意接種であり、義務ではないので拒否することもできますが、院内感染の発端がワクチン接種をしていない職員だったなんてことになると大変ですからね。