人間ドックには、それだけではわからない、細かな場所の病気や異常を知ることをできるオプションドックなるものがあります。
そのオプションドックには、脳ドック・婦人科ドック・心臓ドック・肺ドック・眼科ドック・歯科ドックス・トレスドック・泌尿器ドック・動脈硬化ドックなどがありますが・・・
今回は、心臓ドックについて
- どんなものなのか?
- 検査内容
- わかる病気
- 受けるべき人
などを解説したいと思います。
心臓ドックとは?
これまで、心臓病を早期に発見する事は困難とされていたのですが、画像診断(MRI・CT)の技術の進歩により、心臓病を早期に発見する事は不可能でなくなりました。
その心臓ドックでは、通常の健診等では発見するのが難しい心臓の病気
- 虚血性心疾患
- 弁膜症
- 心筋症
- 不整脈
などをより正確に診断することで、的確な治療や生活習慣の改善を行えるようになるのです。
また、この心臓ドックは突然死の予備軍を未然に防ぐという目的もあります。
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心臓ドックの内容は?
ある病院の検査の流れを説明します。
- 診察・問診
- 血液・尿検査
- 身体測定・血圧測定
- MCG検査(Multifunction Cardiogram:多機能心電図心疾患解析システム)
- 心臓エコー
- 頸動脈エコー
- 動脈硬化検査
- 冠動脈CT
という順番で進んでいきます1)。
診察・問診
内科診察、問診があります。
この問診は非常に重要で、運動負荷試験などが行えない人もいるため、病歴・既往歴なども確認します。
血液・尿検査
通常の健診でも行われる一般的な血液検査や尿検査が行われます。
身体測定・血圧測定
身体測定は、身長・体重・体脂肪率・BMIなどです。
また、血圧は高過ぎても低過ぎても問題となるため、大事な指標となります。
関連記事)血圧測定と高血圧の基準、病気、治療
MCG検査
心電図データを約4万人のデータベースと照合し、解析する最新の検査です。
わずか10分程度寝ているだけで、侵襲性の低い検査です。
放射線被曝や造影剤等を使用せずに済むため、従来の心臓CT検査に変わるものとして注目されている検査でもあります。
ただし、最新の検査であり、まだ導入していない病院が多く、実際はこの代わりに
- 安静時心電図検査
- 運動負荷心電図検査
- 呼吸機能検査
- ホルター心電図検査
などが行われます。
心臓エコー
超音波を心臓に当て、反射波を画像化して、心臓の形態・動きを確認します。
人間ドック健診での心臓エコー検査では、主に弁膜症が見つかります3)。
頸動脈エコー
心臓から脳に通じる頸動脈を調べる検査で、血管壁の厚さ・血管の詰まり具合などを調べます。
動脈硬化検査
動脈硬化は血液をうまく送れず、心臓にも負担をかけてしまうことになります。
そのため、心臓の問題を発見する上では、重要な検査です。
冠動脈CT検査
あらゆる角度から心臓の冠動脈の様子を確認することができます。
ただし、被曝の問題もあるため、日本循環器学会による冠動脈病変の非侵襲的診断法に関するガイドラインでは、「健診で冠動脈CT検査を実施することの有用性は示されていない」とされています4)。
心臓ドックでわかる病気は?
心臓ドックでわかる病気には、
- 心筋梗塞
- 狭心症
- 不整脈
- 心臓弁膜症
- 心不全
- 心臓肥大
- 心筋虚血
などがあります。
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心臓ドックを受けるべき人は?
- 男性:45歳以上
- 女性:55歳以上
とされています2)。
また、上記以外でも
- 心疾患の危険因子をもつ方
- 積極的に運動を実施しようとしている方
にすすめられる検査です。
- 高血圧
- 脂質異常症
- 糖尿病
- 喫煙者
- 肥満症の方
- 心疾患の家族歴がある方
- 身体活動の少ない生活を送っている方
などにすすめられます。
心臓ドックの料金については、こちら。→【徹底まとめ】心臓ドックの費用は?検査項目は?
参考文献:
プレミアム人間ドック 1)P92・93
人間ドック健診の実際 2) P216 3)P217
4)冠動脈病変の非侵襲的診断法に関するガイドライン – 日本循環器学会
最後に
心臓ドックについて、ポイントをまとめます。
- 一般の健診で見つけにくい心臓の病気をみつけられるのが、心臓ドック
- 心臓ドックでは、以下のような検査が行われる
- 診察・問診
- 血液・尿検査
- 身体測定・血圧測定
- MCG検査
- 心臓エコー
- 頸動脈エコー
- 動脈硬化検査
- 胸部CT
- 心臓ドックでは、虚血性心疾患・弁膜症・心筋症・不整脈などがわかる
- 心臓ドックは、中・高年、心疾患の危険因子をもつ人・積極的に運動をしようと思っている方にオススメ
心臓の検査が充実している点が、心臓ドックの特徴になります。
なお、お受けになる医療機関やコースにより違いがありますので、詳細は施設までお問い合わせください。