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人間ドックでは、まず検査を始める前に問診票に記入する必要があります。

ですが、どんな質問があるのか?

すぐには思い出せない内容だったら・・・という心配もあり、あらかじめ確認してから臨むようにすると安心ですよね。

また、その問診票は、どう役立てられるのかも気になると思います。

そこで今回は、人間ドックの問診票について

  • 問診票例
  • 問診票でわかること
  • 必要性

などをお話ししたいと思います。


そもそも問診票で何がわかる?目的は?

同じ問診でも

  • 症状があって医療機関を受診した場合
  • 症状がない状態で人間ドックや健診を受けた場合

でその内容は異なります。

症状があって医療機関を受診した場合

medical examination by interview1

あなたが何か症状があって、病院にかかるときに医師や看護師から問診を受けますよね。

その場合は症状があるので、その症状に関する問診が中心となります。

人間ドックや健診の問診の場合

medical examination by interview2

一方で、人間ドックや健診の場合は、症状がない状態での問診となるため、その意味合いは全く異なります。

症状に関する問診ではなく、広く問診をして、異常や異常となりうる危険因子などがないかを拾い上げていく(これをスクリーニングと言います)形になります。

中でも、

  • 生活習慣病の危険因子や今の状態
  • うつ病などのメンタルヘルスを含めた心身の異常兆候の有無

をチェックしていくことが問診の大きな目的となります。

人間ドックの問診票で問われることは?

どんなことを問われるものなのでしょう?

急に正確な情報を思い出す自信がないので、あらかじめ知っておきたいです。

医療機関により質問項目に多少の違いはありますが、以下のような診断の手がかりになり得る情報を事前に調査します。

生活習慣病の危険因子や今の状態をチェックする上での問診

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医師
標準的な質問項目を紹介します。
  • 現在服用している薬は、この中にあるか?(血圧を下げる薬・インスリン・コレステロールを下げる薬)
  • 脳卒中(脳出血・脳梗塞など)にかかっていると言われたり、治療したことはあるか?
  • 心臓病(狭心症・心筋梗塞症など)にかかっていると言われたり、治療したことがあるか?
  • 慢性の腎不全にかかっていると言われたり、治療(人工透析)をしたことがあるか?
  • 貧血と言われたことがあるか?
  • たばこを習慣的に吸っているか?
  • 20歳の時の体重から10kg以上増加しているか?
  • 1回30分以上の軽く汗をかく運動を、週2日以上、1年以上実施しているか?
  • 日常生活において、歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施しているか?
  • ほぼ同年齢の同性と比較して歩く速度が早いか?
  • この1年間で±3kg以上体重に増減があったか?
  • 人と比較して食べる速度が速いか?
  • 就寝前の2時間以内に夕食をとることが、週3日以上あるか?
  • 夕食後に間食(3食以外)をとることが、週3日以上あるか?
  • 朝食を抜くことが週3日以上あるか?
  • お酒を飲む頻度は?
  • 飲酒日の1日あたりの飲酒量は?
  • 睡眠で休養が十分とれているか?
  • 運動や食生活などの生活習慣を改善してみようと思うか?
  • 生活習慣の改善について、保健指導を受ける機会があれば、利用しますか?
  • 最近物忘れをすることが多いですか?
    1)を参考に作成。

このような質問から、生活習慣病の危険因子や状態を把握していき、予防に役立てます。

 

メンタルヘルスを含めた心身の異常兆候の有無をチェックする上での問診

stress check

近年ストレスが原因で発症するうつ病などの精神疾患は増加しています。

うつ病などの精神疾患は自覚症状がないことがあるため、問診でそのリスクを拾い上げていくことは重要となります。

そのため、2015年12月にうつ病などのメンタルヘルス不調の未然防止を目的とした「ストレスチェック制度」が施行され、毎年1回全ての労働者に対して行うことが義務付けられました2)

心身に異常な兆候がないかを確認する上で問診で聞かれることは1例として以下のようなことです。

  • 物事に関しての興味の有無
  • 気分の落ち込みの有無
  • 夜きちんと寝られるか
  • 疲れの有無
  • 食欲の有無
  • 集中力の有無
  • 自分自身がダメな人間だという思いの有無
  • 死にたいと思いの有無

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その他問診で聞かれること

症状の有無に関わらず、一般的に問診で聞かれることとして

  • 既往歴
  • 現病歴
  • 家族歴

などがあります。

受診前に確認しておかなければ、急に思い出せないことでもありますよね。

では、実際にこれらはどう役立てられているのでしょうか?

既往歴

これまで罹ったことのある病気(既往歴)や手術歴がこれに該当します。

これは非常に重要で、例えば右の下腹部痛がある人に盲腸(急性虫垂炎)を疑ったとします。
ところが、よく既往歴・手術歴を聞くと盲腸(虫垂)は手術して取っているということわかり、盲腸(急性虫垂炎)の可能性はなくなった。という話はよくあることです。

またお腹の手術歴があるということは、癒着性イレウスの確率も上がりますので、腹痛の際には優先順位も上がってきます。

このように、既往歴や手術歴を的確に伝えることは、症状が起こった時の診断能を時に左右する受診者の基本情報となります。

また、その他アレルギー歴・服薬情報・妊娠出産歴・喫煙飲酒歴・予防接種歴などを確認し、同様に受診者の基本情報として把握することになります。

現病歴

現在罹っている病気の始まりや経過のことを現病歴と言います。

これもきちんと伝えてカルテなどに残してもらうことで、どの医療職が見てもわかり、情報を共有することが可能で、スムーズな検査や診療へとつなげることができます。

家族歴

  • 遺伝性疾患
  • 体質的要素
  • 生活様態
  • 嗜好の類似性

などから、親族に集積しやすい類縁疾患について把握することができます。

問診後の指導をいかに役立てるかが重要

medical examination by interview3

問診を踏まえて、生活習慣指導が行われます。

この際に、食生活・身体活動・喫煙や飲酒などで指摘があった場合は、次の受診時に同じことを指摘されないように改善することが重要です。

また、メンタルヘルスに関する問診では、うつ病などの可能性を見出され、専門科を紹介されることがあります。
この場合、あくまで可能性であり、確定診断などは問診ではできませんので、過敏にならないことも重要です。

参考サイト・文献:
1)標準的な健診・保健指導プログラム【改訂版】
2)ストレスチェック制度 導入マニュアル(厚生労働省)
人間ドック健診の実際P42〜45

最後に

人間ドックで行う問診について、ポイントをまとめます。

  • 人間ドックは何か症状があって受けるわけではないので、問診は患者を知るうえで重要
  • 基本的な問診により、生活習慣病の危険因子と予防に有用
  • 基本的な問診により、疾病のスクリーニングとなるものではない
  • 既往歴・現病歴・家族歴も重要で、受診者の基本情報の把握や、医療職内での情報の共有ができる
  • 問診後の指導をいかに役立てるかが重要

 

問診は適当に書けばいいというものではありません。

主に、生活習慣病の危険因子や精神状態を確認するために有用な検査です。

まずは、人間ドックを受ける前に、上記のことを確認して臨むのがよいでしょう。




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