人間の体を支え、脳や内臓を保護するなど大変重要な役割を果たす骨ですが、その骨全体に含まれているカルシウムなど、ミネラルの量を指して骨量と言っています。
特に骨粗しょう症が気になる女性の場合、骨量の女性の平均はどれくらいなのでしょうか?
また、骨量は年齢ごとにどのように変わるのでしょうか?
そこで今回は、
- 骨量の女性の平均は?
- 推定骨量とは?
- そもそも骨量とは?
- 女性の骨量の年齢別の変化は?
- 骨量を測定する方法は?
- 骨量を増やすには?
- 骨量と骨密度の違いは?
以上についてまとめましたので、参考にして下さい。
骨量の女性の平均はどれくらい?
推定骨量の平均は?
最も骨量が多いとされる年齢(20~40歳)での推定骨量を体重別に算出した結果が、以下の通りです。
女性の推定骨量平均値(kg)
- 45kg未満 =1.8 kg
- 45~60kg未満 =2.2 kg
- 60kg以上 =2.5 kg
参照:タニタ体重科学研究所調べ
- 骨密度の低い骨粗鬆症患者の方
- 高齢者、更年期や閉経した女性の方
- 妊娠中、授乳中の女性の方
- 性ホルモン投与をうけている方
- 成長期の子供
男性の推定骨量平均値(kg)
- 60kg未満= 2.5 kg
- 60~70kg未満= 2.9 kg
- 75kg以上=3.2 kg
参照:タニタ体重科学研究所調べ
推定骨量とは?
体を支え、内臓や脳を保護するなど大切な役割となる骨全体に含まれるカルシウムなど、ミネラルの量を骨量と呼びます。
推定骨量とは、脂肪以外の組織(除脂肪量)との相関関係をもとに総計的に推定した数値のことで、骨の硬さや強さ、骨折のリスクを直接判定するものではありません。
女性の骨量の年齢別の変化は?
成長期(~20歳くらいまで)
- カルシウムの吸収率が高い。
- 骨量は20歳を超えたあたりでピークとなる。
妊娠・授乳期(20歳~40歳前後)
- この時期は豊富なカルシウムが必要。
- 40歳を超えたあたりで骨量は下がる。
更年期(40歳前後~60歳前後)
- 閉経により骨の保護作用がなくなる。
- 閉経後に骨量は急激に下がり骨強度は低下する。
老年期(60歳~)
- 骨量の減少により骨粗鬆症となる確率が上がる。
加齢と共に骨量の減少は緩やかになりますが、やはり年齢と共に少しずつ減少していきます。
そもそも骨量とは?
正式には「骨塩量」といいますが、一般的には「骨量」と言っています。
一定量の骨の中に含まれるミネラルの量が骨量となりますが、この場合の量単位はグラムではなく濃度で表示されます。
量で表すと、子供と大人では骨の大きさに違いがありますし、成人になれば骨の大きさ自体に変化はありませんので、骨量を測る際にはミネラル分の濃度を算出することになります。
骨量=ミネラル分の変化は、濃度の変化とイコールとなりますので、濃度が低くなると中身がスカスカになり、骨粗しょう症になりやすくなるのです。
骨は一見なにも変化しないように見えますが、実際は活発な新陳代謝を繰り返しており、体が必要とするカルシウムを供給したり常に新しい骨を作りだしてりしています。
骨は筋肉と関係が強い組織ですから、やせ過ぎていたり運動不足の状態では骨量減少につながってしまいます。
ですから、適度な運動 と食事を心掛け、筋肉と骨を一緒に維持、増進させていくことが大切です。
骨量を測定する方法は?
超音波法
超音波骨密度測定装置にかかとをのせて測定する方法です。
X線を使用しないため安全に行える利点があります。
DXA法(デキサ法)
微量のX線を骨に照射して骨と他の組織との吸収率の差で骨密度を測定します。
一般には代謝が盛んな脊椎の一部や腰椎で骨量の変化を測定しますが、大腿骨(脚の骨)、手の骨などほぼ全身の骨密度を測定することが可能です。
MD法(エムデー法)
手の第二中指をX線撮影し、コンピューターの画像の濃淡から骨量を算出する方法です。
上記のDXA法と比較すると簡便で安価な測定法となりますが、感度が低いという欠点もあります。
骨量を増やすには?
その為には、カルシウムの吸収を高める栄養素の摂取や吸収を阻害しないようにすることも大事ですが、まずはカルシウムの摂取を重点的に考え食事を見直すことです。
カルシウムが多く含まれる代表的な食品が牛乳ですが、この他にも、チーズやヨーグルトんどの乳製品、豆腐や納豆などの大豆製品、緑黄色野菜にも含まれています。
中でも特に含有量が高いのが、しらすなどの小魚やひじきなどの海藻類、切り干し大根、ゴマなどで、これらの食材を意識的に取り入れるようにすると、カルシウム摂取量が上がることが期待できます。
この場合、運動によって適度な負荷をかけるのがポイントとなります。
骨に衝撃や重力をかけることは、骨を作るための骨細胞を活性化させて、吸収したカルシウムが沈着しやすくなるります。
骨は、筋肉のようにトレーニングでは鍛えることは出来ませんが、運動によりカルシウムの吸収率を上げるには効果的となります。
この場合の運動として一番良いのは、全身にくまなく負荷をかけられるウォーキングですが、ラジオ体操を毎日行うのも負担が少なく効果的です。
全身をしっかり動かせる運動をすることが骨密度を上げる一つの方法になるので、食事療法と合わせて毎日の生活に取り入れるようにして下さい。
骨量と骨密度の違いは?
骨密度も骨の中のミネラル分の濃度によって計算されるので、骨量と同じと思われる方も多いと思います。
しかし、厳密に言いますと、骨量と骨密度はミネラルの分量を計測する部分が異なるため違うものになります。
骨の一番外側は皮質骨といって固い部分になり、内側は骨梁や海綿骨で成り立ています。
- 骨量:骨の外・内側全てを含めミネラル量を算出する。
- 骨密度:骨梁の部分のみのミネラル量を単位体積で割り出す。
このように調べる部分が異なるため、骨量と骨密度は同じではありません。
また、骨粗しょう症の判断も骨密度を基に行われるもので骨量はあまり関係がありません。
しかし、骨量が減少すると骨密度も低下している場合がありますので、骨量が減らないように、外・内側もしっかりと強化していくことは大切です。
まとめ
- 女性の骨量は年齢が増加するに伴い減少していく。
- 骨量とは、骨全体に含まれるミネラルの量、すなわちカルシウムの量を意味している。
- 推定骨量とは、除脂肪量との相関関係をもとに総計的に推定した値のことで、骨の硬さや強さ、骨折のリスクを直接判定するものではない。
- 骨量を測定する方法には、超音波法・DXA法(デキサ法)・MD法(エムデー法)がある。
- 骨量を上げるには、カルシウムの摂取と適度な運動が重要となる。
- 骨密度と骨量は厳密に言うと違うものである。
女性の骨量は、20才頃に最大となり、その後年を重ねるごとにとに減少していきます。
しかし、骨量が減少していく原因は加齢だけでなく、無理なダイエットや喫煙、飲酒といった生活習慣も一因していますので、自分の骨密度を知っておく事は大切です。
また、骨量を上げるには、カルシウムの摂取適度な運動がカギとなりますので、普段の生活からこの点を意識するように心がけてください。