ノロウイルスに感染すると、風邪などとは違いその感染力の強さのために他人への感染が気になるものです。
特にお仕事をされていると、周りの人への感染を一番に考慮するのはもちろんですが、どのくらい仕事を休むべきなのか。その判断が難しい場合もあると思います。
そこで今回は、ノロウイルスに感染してから仕事に復帰できるまでの期間などについてまとめました。
ノロウイルスに感染、症状が治まれば仕事復帰してもいいの?
ノロウイルスの潜伏期間は24~48時間程で、症状が出てから3日以上も下痢、嘔吐が持続している可能性は低いので、一週間もすれば他人への感染の危険性は非常に低くなります。
しかし、症状などは個人差がありますので、発症後に何日で症状が改善してくるかに関しての断定はできません。
症状が改善してもウイルスは約1ヶ月くらいは体内にいますので、トイレ後の手洗いなどが不十分だと他の人への感染源になってしまう可能性があります。
その様な可能性も十分に考慮され、周囲に感染させる可能性が低いとされる1週間程を目安として、ノロウイルスに感染した場合、最長で仕事を休む日数と考えるといいと思います。
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ノロウイルスの感染力は?
- 感染者のノロウイルスが大量に含まれる便や嘔吐物から人の手などを介して二次感染した場合。
- 家庭や学校、共同生活施設など人同士の接触する機会が多い場所で人から人へ飛沫感染など直接感染する場合。
- 食品取扱者が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合。
- 汚染されていた二枚貝を、生のままか十分に加熱調理しないで食べた場合。
- ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道の水を消毒不十分の状態で摂取した場合。
以上のように、ノロウイルスは、食品や水を介したウイルス性食中毒のみ原因になるのでなく、ウイルス性急性胃腸炎(感染症)が原因にもなり、この様な多くの感染経路がノロウイルスの制御を困難なものにしています。
ノロウイルスの二次感染、注意することは?
その様な二次感染の拡大を防止するため注意すべき点を以下にまとめました。
手洗いの励行
外から帰った時、トイレの後、調理の前、食事の前などには、必ず石けんで手を丁寧に洗って下さい。
ノロウイルスに対する有効な消毒はない様ですが、石鹸で手の脂肪などの汚れを落とすことでウイルスがはがれやすくなる効果はあります。
吐物等の処理
まず、換気のために窓を開けるようにして下さい。
吐物は、絶対に素手で触らないように使い捨ての手袋、マスク、エプロンなどを着用して、気をつけながら使い捨てできる布やティッシュペーパーできれいに拭き取って下さい。
拭き取ったものは、ビニール袋などに入れ、外に漏れないようにして直ぐに捨てるようにして下さい。
また、吐いたところは、塩素系の漂白剤を約100倍に薄めて、ペーパータオルなどにしみ込ませてふき、30分くらいたったら、最後によく水拭きをしておいて下さい。
便で汚れた場合も同じように処理を行なってください。
処理が終わった後は丁寧な手洗いうがいも忘れずに行なって下さい。
衣類・寝具の処理
吐物や便で汚れた衣類やシーツなどの寝具は、塩素系の漂白剤につけて消毒してから洗濯して下さい。
布団などすぐに洗濯できない時は、表面の汚物をペーパータオルなどでしっかり取り除いた後、スチームアイロンの熱を利用して消毒するようにして下さい。
入浴
下痢をしている時の入浴は、シャワーだけにするか、入浴する順番を最後にして下さい。
入浴前に身体をよく洗い、特にお尻は石けんをつけて、丁寧に洗うようにして下さい。
お風呂の水は毎日かえ、浴槽や洗い場の床などは0.02%次亜塩素酸ナトリウム液で消毒した後に洗剤でキレイに洗うようにして下さい。
その他
吐いたり、下痢の症状のある時には、他の人とタオルなどは共用しないようにして下さい。
また、使用した食器などは熱湯消毒して下さい。
最後に
ノロウイルスの感染経路は多くあり、感染者の便や嘔吐物中には大量のウイルスが存在するので、トイレでの排便時、汚物の処理時に「手が汚染」されてしまいます。
その「汚染された手」を介して、水道の蛇口、ドアノブなどがノロウイルスに汚染されていき、そこからさらに他の人へと広がっていきます。
このように、人から人に感染していくノロウイルスですので、嘔吐などがあった場合は、速やかに正しい処理を行なって、二次汚染をさせないことが大変重要です。