リンパ節は健康な人でも体の中に多数認められるものです。
しかしそれが腫れてくると話は別です。何か炎症があって反応性に腫れるものから、がんがあってリンパ節に転移を起こして、腫れているということもあるからです。
ここでは、リンパ節腫脹を見たときにがんの可能性をより上げる特徴は何なのかをお話ししたいと思います。
リンパ節腫脹からがんが見つかる確率は?その特徴は?
リンパ節腫脹、つまりリンパ節が腫れていることがわかったときに、その原因ががんである確率は、約1%〜数%と言われます。決して無視できない数字ですよね。
そして、どんなリンパ節腫脹ががんの確率をより上げるのかですが、
- リンパ節のサイズが大きいもの。
- リンパ節のサイズが短期間に増大しているもの。
- 硬いリンパ節であること。
- 周囲の組織と癒着して動きにくいリンパ節であること。
- 場所が鎖骨の上のリンパ節であること。
- 体重減少、寝汗、掻痒感を伴っていること。
- 嗄声や嚥下困難といった症状があること(耳鼻科領域の症状)
これらの項目に当てはまるものが多いほど、それはがんが原因で転移している可能性が高くなるといういうことです。
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医療の現場で用いられる臨床予測モデルとは?
先ほど述べたよりがんの確率を上げるリンパ節腫脹を計算式に当てはめる形で、がんかそうでないかを見極める臨床予測モデルが用いられることがあります。
- a : 40歳以下は0、それ以外は1
- b : 圧痛ありは1、なしは0
- c : 最大リンパ節のサイズが1c㎡以下で1、1~9c㎡で2、9c㎡以上で3
- d : 全身掻痒感があれば1、なければ0
- e : 鎖骨上リンパ節腫脹があれば1、なければ0
- f : 硬さが硬ければ1、固くなければ0
として、Z=5a-5b+4c+4d+3e+2f-6 の計算式に当てはめます。
そして Zが1以上ならばがんの可能性が高い、1未満ならばがんの可能性が低いとされます。
最後に
頸のリンパ節が腫れた場合は自分で皮膚から触れることもあります。喉の風邪をひいた際に、頸の周りのリンパ節が腫れることがありますよね。
明らかに原因が風邪だとわかっている場合はよしとして、原因がわからなかったり、上に当てはまるようなリンパ節腫脹の場合は、がんの転移の可能性もありますので注意が必要ですね。