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近年流行りの糖質制限食ですが、そこに問題点はないのでしょうか?

一つ気になるのは糖質=炭水化物の摂取を制限することで、仮に体重は減っても、炭水化物、タンパク質、脂質の3大要素の摂取のバランスを崩すことにより、体の組成がおかしなことになったりはしないのかということです。

今回は最新のアメリカ糖尿病学会のデータを集めてきました。糖質だけでなくタンパク質、脂質についてもまとめました。そこには驚きの結果がありました。

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糖質制限ってそもそも1日何gまでの糖質?

糖質制限ですが、海外の複数の医師が以下のように定義しています。

Atkins 1日20g以下
Bernstain 1日130g以下
Westman 1日150g以下

と定義されています。Atkins先生やりすぎでしょ^^;;

実際、美味しく食事をして、持続可能な糖質制限食であるためには、

1日あたり70~130gくらいの糖質を摂取する。

というくらいがよいと言われています。

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これ以上制限するとしても1日の摂取量で50gは下回らない方がよいと考えられます。(極端な糖質制限食は、脂肪が分解されて出てくる体に有害なケトン体が増えてくる可能性があるからです。)

このペースで続けられることで、体重、脂質、血圧の改善にもつながっていきます。

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糖質制限についてアメリカの最新事情は?

糖質制限を考えるにあたり、最も糖質についてシビアにならないといけない糖尿病患者のガイドラインをチェックする必要があります。そこで最新の海外事情をチェックしましょう。

実は、アメリカ糖尿学会は2013年に栄養療法の勧告について5年ぶりに改定しました。そしてその内容も大きく変更されたのです。

三代栄養比率の比率について

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糖尿病患者にとって理想的な三代栄養素比率は存在しないとしています。個々の患者の食事パターンから決定されるもの。嗜好や代謝目標を考慮して設定されなければならない。

つまり、無理に糖質が何%と決める必要はないということです。

食事パターンについて

SW003_L様々な食事パターンが糖尿病管理のために受容できる。としています。

つまり、糖質制限食もOK、ベジタリアンもOK、低脂質食もOK、地中海食もOKということです。

タンパク質摂取について

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糖尿病腎症(4期であっても)のある糖尿病患者に対してもタンパク制限食は推奨されない、としています。その理由として、血糖管理、心血管リスク、腎機能に影響しないことがわかったためです。

そもそも2004年や2008年にはタンパク質は食事の15-20%までにするべきで糖尿病腎症の場合は0.8g/kgに制限されていたのです。

なんでこんなに変わってしまったのでしょうか?

3000kcalという過食でさえ、タンパク質制限を行ったところ、筋肉量が減少した。(Bray GA,et al JAMA 2012;307:47-55)

結果、次のような勧告がAMDA(国際医療情報センター)から出されました。

高齢者は身体機能維持のために少なくとも1.0~1.2g/kgのタンパク質を摂取するべき。

急性もしくは慢性の疾患を抱える高齢者では、1.2~1.5g/kgのタンパク質の摂取が必要。

これを踏まえてか、日本の厚労省もタンパク質制限の基準を次のように変更したのです。

2010年には推奨量:0.9g/kg、上限量 : 2.0g/kgでしたが、

2015年には推奨量:0.9g/kg、上限量 : 設定不能!!!と変更したのです。

「タンパクをとればとるほど腎臓に負担がかかり、腎臓を悪くする。タンパクを制限するほど腎臓にやさしいのだ。」

とつい最近までは言われていましたが、もはや過去の産物となってしまったわけです。

脂質について

SW037_L量よりも質がはるかに重要であるとのことです。

米国糖尿病学会(ADA)の脂質に関する勧告は次のように変化しています。

2004年 低脂肪食には潜在的なベネフィットがある。

2008年 総脂質量について記載なし。

2013年 脂質は量よりも質がはるかに重要である。

最初は、脂肪は少ない方がいい!と言っていたのに、今は質が重要だ!と言っているんです。

すごい変わりようですよね・・・・。

そしてお待ちかね糖質制限食について

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糖質制限食についても米国糖尿病学会(ADA)の勧告は次のように変化しています。

2002年、2002年 糖質制限食(<130g/日)は推奨されない。

2008年 糖質制限食は、肥満治療の選択肢の一つ。ただし、期間は1年までで、腎機能や脂質をチェックした上でやりなさい。

2013年 糖質制限していいよ。

え?黒が白に変わっていますね・・・。推奨しないと言っていたのに、してもいいよ!ですか。

なぜこんなに黒が白に変わるようなことになったのでしょうか?

もちろん糖尿病学会も気まぐれでやっているわけではなく、そこにはきちんとした根拠(evidence)があるのです。その根拠の一つが以下。

糖質制限試験では血糖コントロールやインスリン感受性の指標が改善した。

糖質摂取の減少により典型的な血清脂質は改善した。(Wheeler ML. et al.Diabetes Care 2012,35,434-445)

といったものがあります。

つまり糖質制限したら糖尿病にとっても、脂質異常症にとってもいいことばかりだったということです。

糖質制限食はアメリカ糖尿病学会のお墨付き

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つまり、糖質制限食はアメリカ糖尿病学会のお墨付きの食事法であり、それは科学的根拠に基づいているものであるということです。

ここ10年ちょっとの間に大きく変わっていますので、少し古い資料などを見ていると糖質制限食に否定的な意見が正しいということになりますが、今は糖質制限食を推奨しているということですね。

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