日本では高血圧の人は4300万人いると言われています。30歳以上の男性の6割以上、女性では4割以上が高血圧と言われています。

これほど多い高血圧ですが、実はその9割は原因がわからない本態性高血圧に分類されます。

一方で、何らかの原因があり、それで血圧が上がる高血圧を二次性高血圧と言います。何らかの原因があるという事はその下の原因を治療すれば高血圧は改善するということです。

健康診断や人間ドックで高血圧を指摘されても、それが

  • 原因がわからない本態性高血圧
  • 何らかの原因がある二次性高血圧

なのかまではわかりません。後日、病院を受診して検査して初めて分かるものです。そこで今回は二次性高血圧の原因や検査方法(スクリーニング)についてまとめました。

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二次性高血圧の原因は?

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二次性高血圧の原因にはどのようなものがありますか?
医師
以下の原因があります。
  1. 腎実質性高血圧(糸球体腎炎、慢性腎盂腎炎など)
  2. 腎血管性高血圧(線維筋性異形成、腎動脈硬化症など)
  3. 原発性アルドステロン症:5%くらいで最近頻度が多いと言われる。
  4. クッシング症候群
  5. 褐色細胞腫 など。

このうち、1と2で半分を占め、ついで3の原発性アルドステロン症が5%程度で続き、残りは非常に稀とされます。このほかに、睡眠時無呼吸症候群や薬剤(NSAIDs、ピルなど)も二次性高血圧の原因となります。

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高血圧の検査は?

高血圧の9割は原因がわからない本態性高血圧ですので、最初から厳密に二次性高血圧を疑うよりは、問診や一般的な検査をして、心血管病リスクを評価し、高血圧の合併症を中心に検査をします。

心血管病リスクの評価

以下の項目をチェックし、当てはまるほど心血管病のリスクは高くなります。。

  • 年齢が65歳以上
  • 喫煙をしている。
  • 脂質異常がある。(HDLコレステロール<40mg/dl、LDLコレステロール>140mg/dl、中性脂肪(TG)>150mg/dl)
  • 肥満がある。
  • メタボリックシンドロームがる。
  • 50歳未満の若年発症の心血管病の家族歴がある。
  • 糖尿病がある。

そして高血圧が続くと、脳血管障害、冠動脈疾患、慢性腎臓病、末梢血管病変が増加しますのでこれらをチェックしていきます。

脳血管障害の有無

これは脳出血や脳梗塞が含まれ、それらの症状の有無で評価できます。

心臓(冠動脈)疾患の有無

左室肥大、虚血性心疾患、心不全と言った疾患が含まれ、

  • 呼吸苦症状の有無の確認
  • 浮腫(むくみ)の有無の確認
  • 心電図
  • 胸部レントゲン

をチェックすることでこれらの可能性を評価します。

これに加えて、施設によっては心臓の超音波検査である心エコーを行うことで、左室の壁運動や肥厚、拡張の有無をチェックすることができ、より心疾患の有無がわかります。

慢性腎臓病の有無

蛋白尿や、CKDが含まれ、

  • 多尿・夜間尿の症状の有無
  • 尿検査
  • 血清Cr(クレアチニン)

をチェックすることでこれらの可能性を評価します。

末梢血管病変の有無

末梢動脈疾患の有無については、

  • 間欠性跛行(続けて歩けない。歩いては休むを繰り返す)
  • 四肢末梢の冷感

の有無をチェックすることでこれらの可能性を評価します。

病院

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どんな時に二次性高血圧を疑うか?

原因のわからない本態性高血圧が多いのはわかりました。では、どんな時に二次性高血圧を疑いますか?
医師
以下の場合は疑ってさらに精査していく必要があります。
  • 初診時にⅢ度高血圧
  • 3-4剤を使っても血圧が下がらない治療抵抗性
  • 若い人(35歳以下)
医師
いきなり重症の高血圧や、治療が効かない高血圧、若年者の高血圧には要注意です。

特に、35歳以下の高血圧では、約半数が二次性高血圧と言われています。

二次性高血圧を疑うような症候は?

  • 血清Crの上昇、尿検査異常がある:腎実質性高血圧
  • 腹部雑音、特に腎臓領域に聴診する:腎血管性高血圧
  • 頭痛、動悸、発汗を伴う動揺性高血圧:褐色細胞腫
  • 紫色の皮膚線条を伴う肥満:クッシング症候群
  • 下肢動脈は触れないが、上肢動脈は触れる:大動脈縮窄症
  • 原因不明の低カリウム血症:原発性アルドステロン症

このように検査や身体所見から二次性高血圧が疑わしいと考え、専門病院や大きな病院へ紹介されるのが一般的です。

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最後に

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高血圧の9割は原因のわからない本態性高血圧で、最初から二次性高血圧を全て除外していくことは現実的ではありません。リスクが高い場合や、全身の評価をして、より精査をするかどうかを決める必要があります。

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