アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も多いとされており、特に女性に多く見られます。

また、高齢者がなる病気というイメージがありますが、必ずしも年齢だけでこの病にかかるというわけではありません。

45歳を過ぎたら、アルツハイマー型認知症を発症する可能性が出てきますし、年齢が若いほど、進行が早いという特徴があるので、中年以降になったら気をつけなければいけない病気とも言えます。

今回は、そんなアルツハイマー型認知症の症状などについてまとめました。

Sponsored Link

 

アルツハイマー型認知症の症状は?

症状には、必ず発生するものとそうでないものがあります。

医師
以下に、それぞれの症状をご説明します。

必ず発生する症状

  • 原因:脳の細胞が脱落する事が直接の原因
  • 症状記憶障害・実行機能障害・失行・失認・見当識障害・言語に関する障害
  • 問題:今まで出来ていたことが出来なくなる

必ずではない症状

  • 原因:前期の症状によるゆがんだ外界認知に、性格、素質、環境、心理的状況などが複合的に作用して起こる
  • 症状不安・抑うつ・自閉・幻覚・妄想・食行動異常・迷子・徘徊・失禁・不潔行為・暴言・暴力行為など
  • 問題:周りの人が対応に苦しむ。本人の苦痛。

Sponsored Link

アルツハイマー型認知症で見られる記憶の障害は?

記憶の持続時間による分類

  • 即時記憶:今言った事を鸚鵡返しに言うときの記憶。→軽度では保たれているが、中度になると障害される
  • 近時記憶:数分前から数日前の記憶。→軽度で最初に障害が起こる
  • 遠隔記憶:昔の思い出→中程度になると、新しい記憶から障害されてくる

長期記憶の種類による分類

  • 陣述記憶:エピソード記憶→最初に障害される。意味記憶
  • 非陣述記憶:技の記憶は保持されることが多い。

アルツハイマー型認知症の見当識障害とは?

見当識障害とは何ですか?

医師
自分が生きている時間や場所、人との関係が曖昧になることを見当識障害と言います。

時間→場所→人→の順で曖昧になってきます。

  1. 時間=軽度の時期から細かい時間単位(時間・日・曜日)が曖昧になり、中程度では季節、年の単位の感覚が障害される。
  2. 場所=中程度になると、自分がどこにいるのかが曖昧になる。
  3. =重度に近くなると人との関係が分からなくなり、精神面での不安も大きくなる。

アルツハイマー認知症の実行機能障害と失行とは?

医師
それぞれについて以下に説明します。

実行機能障害

ある目的のために、単純行動を順序だてて実行する高度な知的機能に障害が起こること。
→前頭前野の機能障害により生じる。

失行

運動障害をもたらす器質的な病変がないのに行動が正しく行われないものを言う。

この2つが進行すると、生きていくために必要な行為が複雑な物から順にできなくなってしまい、最終的には排泄や食事など生命維持に繋がる行為が出来なくなります。

関連記事)認知症とは?症状は?検査は?

アルツハイマー認知症の症状別ケア

アルツハイマー認知症は、スロープを降りるようにゆっくり進行し、この進行の速度には個人差はありますが、遅い人が急に早くなる事は無いとされています。

医師
以下に、段階別の症状や問題点と患者と家族へのケアのあり方をご紹介します。

軽度の段階での症状とケア

症状と問題点
  • 近時記憶の障害→1部は記憶に残りる。即時記憶と遠隔記憶が保持される。
  • 細かい時間の見当障害が起こる。
  • 非日常的なことに対応する能力が低下する。
  • 総合的判断や危険管理能力が落ちる。
  • 不安や混乱が生じる。
  • とられ妄想が起こる。
ケアの要点
  • 家族への教育支援
  • 安全の確保→火の元・薬の管理・セールス、勧誘・合併症への対応。
  • 精神面でののケア→尊厳・カウンセリング・継続的相談など。
  • 家族支援→家族の相談・介護者の会の紹介など。
  • 将来を考える機会→生き方の理解・事前指定・任意後見制度など。
    本人の口から言えるのはこの時期のみですので、患者の気持ちを汲み取ることが大切です。

Sponsored Link

中等度の段階での症状とケア

この時期、認知障害が進行し、生活の多くに援助が必要となるり、介護の負担も急増します。

症状と問題点
  • 記憶障害の進行→即時記憶、遠隔記憶も障害を起こす。
  • 見当識障害の進行し混乱が大きくなる。
  • 生活行為が複雑な行為から出来なくなり、最終的にはほとんど援助が必要となる。
  • 行動心理徴候が頻発に起こる。
  • 1人で暮らすことが困難となる。
  • 身体合併症が起こりやすい。
  • 介護者への負担が大幅に増す。
ケアの要点
  • 患者の療養する場所の決定→ケア付き住まいなど。
  • 家族へのサポートの継続→相談・体調管理・ストレス軽減など。
  • 行動心理徴候の対応
  • 合併症予防・突然死の防止
  • 精神面のケア・役割・自律支援など。

重度の段階での症状とケア

この時期になると、意味のある会話は不可能となり、身体合併症が頻発するようになります。

症状と問題点
  • 単純な行為も出来ず、生活全般に介助が必要となる。
  • 意味のあるコミュニケーションが全く出来なくなる。
  • 精神的介護から身体的介護に移行する。
  • 苦痛や体の変化が伝えられなくなる。
  • 排泄→尿、便失禁-歩行障害障害の順に身体症状が現れる。
  • 感染症などの身体合併が頻発に起こるようになる。
  • 嚥下反射がなくなり、経口摂取が不可能となることで、末期と判断される。
ケアの要点
  • ケア形態を変える必要=通所→訪問
  • 診療形態を変える必要=外来→訪問
  • 合併症の管理→感染、転落など。
  • 意思決定支援=療養の場、緩和ケア、延命治療方針など。
  • 苦痛評価・症状緩和=呼吸苦、嚥下障害、発熱など
  • 延命治療の選択=経管栄養、点滴など。

Sponsored Link

アルツハイマー型認知症、患者の心理状況は?

Photo

医師
患者さんの心理状況として、以下のものが挙がります。
  • 不安感
  • もどかしさ
  • 自発性低下・うつ
  • 混乱
  • 被害感

この様に、大変なストレスを抱える事になりますので、以下の様な生活環境を保つようにして下さい。

 

  • 尊厳が保たれる環境
  • 役割が保たれ、人と関れる環境
  • 安心して人に頼れる環境
  • 穏やかな環境→多すぎないない光と音、そして人への配慮
  • 安全に配慮された環境
  • 規則正しい生活
    →生活のリズムを整える
    →午前中は活動的に過ごし、午後3時以降は穏やかに過ごすようにする
  • 午前中に太陽の光を浴びる習慣をつける
  • 安楽に暮せる環境

 

まとめ

  • アルツハイマー型認知症とは、脳の細胞が脱落する事が直接の原因で起こる。
  • 主な症状として、記憶障害実行機能障害失行失認見当識障害言語に関する障害がある。
  • 生活上での問題として、今まで出来ていたことが出来なくなる。
  • 他に、不安・抑うつ・自閉・幻覚・妄想・食行動異常・迷子・徘徊・失禁・不潔行為・暴言・暴力行為などが起こる場合もある。
  • 見当識障害とは、自分が生きている時間や場所、人との関係が曖昧になることをと言う。
  • 失行とは、運動障害をもたらす器質的な病変がないのに行動が正しく行われないものを言う。
  • 病気の段階別に症状や問題点を理解し、患者と家族へのケアを進める事も重要。
  • 患者の精神状態を把握し、ストレスのない安心できる生活環境を整える事も大切。

 

Sponsored Link

 

関連記事はこちら