突然目が見えなくなる

「突然右目が見えなくなった。」

「急に左目が見えなくなった。」

など、急に・いきなり片方の目が見えなくなった時に、考えなければならない病気・原因には、

  • 網膜中心動脈閉塞症
  • 網膜剥離
  • 脳腫瘍などによる視神経の圧迫

などがあります。

今回はこの、網膜中心動脈閉塞症について、症状、対応、治療などをまとめました。


網膜中心動脈閉塞症とは?

網膜中心動脈の基幹部が血栓により詰まった病気です。

網膜中心動脈という名前はなかなか聞きなれない動脈ですが、内頚動脈→眼動脈→網膜中心動脈へと分岐していきます。

心房細動など不整脈があり心臓でできた血栓などが、この経路で飛んで行くことにより発症します。

網膜中心動脈閉塞症の症状は?

網膜中心動脈閉塞症の症状としては、

  • 突然生じる。発症時間がわかるほど。
  • 片眼性で、「明らかにおかしいと思う」くらい見えなくなる。
  • 痛みや充血などのその他の症状は見られない

というのが特徴です。

明らかにおかしいと思うくらい見えなくなるとは、目の前で指を出した時に、その指が見えないくらいで、これを指数弁以下といい、この現象が実にこの病気の7 割の人に見られます。

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網膜中心動脈閉塞症の検査は?

眼科医により眼底検査を行います。

cherry red spot

眼底検査で、

  • cherry red spot

と呼ばれる黄斑部が赤くて、黄斑部の周囲は白い混濁が見られるというサインを認めることにより診断します。

ただし、発症してから2時間以上経ってからこの現象が見られることが多く、2時間以内の場合は正常であったり、わずかに混濁しているだけのこともあるので注意が必要です。

網膜中心動脈閉塞症の対応は?

心房細動などがあり、この病気が疑わしい時や、すぐに眼科医の診察を受けられるわけではありません。

この際に重要なのが、この疾患を疑ったら、

  • 眼球マッサージをする。

ということです。

眼を閉じて、まぶたの上から眼球を指で圧迫・解除を繰り返すマッサージです。

これにより眼圧が変化し、詰まった血栓が飛んで行く可能性があります。

とは言っても、このマッサージをして別の眼の病気の時は大丈夫なのですか?
医師
基本的には大丈夫です。

眼球マッサージをしてはいけない時

  • 白内障の術後1ヶ月以内。
  • 緑内障の術後。

このケースは眼球マッサージはしない方が良いですが、それ以外の場合は問題ありません。

視神経炎などと鑑別が困難な場合がありますが、このマッサージをして視神経炎が増悪することはないと言われています。

網膜中心動脈閉塞症の治療は?

眼科を受診すると、

  • 穿刺をする。
  • 血管拡張薬を持ちいる。

ことで、眼圧を変えて、詰まってしまった血栓を飛ばすための治療を行います。

関連記事)急性緑内障発作とは?症状は?治療は?

まとめ

血栓で動脈が詰まった場合、血栓を取り除かなければ、虚血から壊死に陥り失明してしまいます。

そのため、緊急の処置、治療を受ける必要があります。

  • 突然発症。
  • 片目が明らかに見えなくなった。
  • 他の症状はない。

この場合、網膜中心動脈閉塞症の可能性がありますので覚えておきましょう。




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