VZV1

子供の病気と思われがちな水疱瘡ですが、大人にとっても油断の出来ない病気です。

大人が水疱瘡に感染した場合、子供よりも症状が重くなりがちであり、場合によっては命に関わることもあります。

しかし、子供の頃にかかったら二度とかからないという認識があり、比較的重要視されていないのではないでしょうか。

では、大人が水疱瘡に感染したらどうなるのでしょうか?その症状は?

そこで今回は、

  • 水疱瘡に大人が感染した場合、症状・潜伏期間
  • 水疱瘡に2回目の感染はあるのか
  • 水疱瘡の感染力・仕事への復帰はいつから

以上についてまとめました。

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水疱瘡に大人が感染したら?

大人が水疱瘡に感染してもほとんどの場合は、重症化せず、投薬や安静などで自然治癒していきます。

しかし、大人が水疱瘡に感染すると、

  • 発疹が子供に比べて重症化することがある。
  • 水痘肺炎を合併が多くみられ、ときに命に関わる(致死的である)。

という特徴があります。

大人の場合、高齢者での感染が多く、そのほとんどが再感染と考えられています。

再感染を起こす高齢者の多くは、悪性腫瘍、自己免疫性疾患、糖尿病といった基礎疾患がある人が多いと報告されています1)。

症状

水疱瘡の初期症状として、倦怠感38度前後の発熱食欲の低下頭痛などが一般的です。

大人の場合、初期症状が重くなる傾向にあり、高熱が長期間続くこともありますので、脱水症状などに注意して下さい。

また、下で述べる水痘肺炎には注意が必要です。

初期症状の後、小さな発疹がお腹や背中を中心に出はじめ、3~5日間ほどかけて体中に広がっていきます。

発疹ははじめ1つ2つ出る程度ですが、非常に痒く、半日ほどで全身に広がるため、水疱瘡ということが特定されやすくなります。

この発疹は出来てから24時間以内に水ぶくれとなり、乾いてかさぶたへと変わっていきますが、このかさぶたが自然に綺麗に治るまでには約3週間前後かかります。

水ぶくれを壊したり、かさぶたをムリに剥がしたりすると、皮膚がうまく再生されずに跡が残ってしまうこともありますので注意して下さい。

潜伏期間

水疱瘡の原因である水痘・帯状疱疹ウイルスは、体内に侵入してから増殖が始まるため、皮膚表面に症状が現れるまでに約2週間程を要します。

このため、 感染から発症までの潜伏期間は約2〜3週間ぐらいとされています。

命に関わる水痘肺炎とは?

大人が水痘にかかった場合、16-50%に水痘肺炎を合併したと報告されています2)3)

ただし、そのほとんどは一般最近による2次感染であり、原発性水痘肺炎の頻度は、0.8%という報告もあります4)5)

また、成人の水痘肺炎の経過は重症であり、時に命に関わります。

発疹の1週間以内に肺炎は発症し、発熱、咳、多呼吸、低酸素状態や呼吸不全が急速に進行すると報告されています6)

水痘肺炎の原因は、水痘・帯状ヘルペスウイルス(VZV(varicella zoster virus))です。

水痘肺炎の胸部レントゲンやCT上の特徴として、両側に広範に粒状影、結節影を認めることです。

大人が水痘にかかった場合は、常にこの肺炎を念頭に置く必要があります。

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水疱瘡は2回目の感染もあるの?

水疱瘡は2回目の感染もあるのでしょうか?
医師
結論から述べますと、可能性はあります。

抗体価の低下や細胞性免疫の低下した高齢者などでは、2回目に感染する可能性があります。

通常、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する抗体を得た方ですと、再感染しても一般的に全身症状、皮疹共に軽症であり診断が困難な場合もあります。

しかし、高齢者になると、水痘・帯状疱疹ウイルスを抑える抗体価や細胞性免疫力が低下することで、初めて感染した時と同じくらいの重さの症状が出ることもあります。

水疱瘡の予防接種に関してはこちらにまとめました。→水疱瘡の予防には予防接種が有効?大人も受けられる?費用は?

水疱瘡の感染力は?

水疱瘡は空気感染するため、非常に強い感染力を持ち、二次感染の恐れもあります。

家族が水疱瘡にかかった時点で、すでに一緒に住んでいる家族に感染している場合があり、その感染確率は90%といわれているほどです。

しかし、患者の身体からウイルスが放出され始めるのは、水疱瘡の発疹が出る1~2日前で、それまでの潜伏期間は感染力がありません。

感染力がとくに強くなる時期は、発疹が出る1日ぐらい前から水疱が破れてかさぶたになるまでの約7日~10日間とされています。

また、患者の水疱が全てかさぶたになれば感染力はなくなっています。

仕事復帰はいつから?

水疱が全てかさぶたになるまで外出などは避けるべきですので、この期間の職場復帰はムリと考えて下さい。

個人差もありますが、発症からかさぶたになるまで、約1週間から長いと3週間ぐらいの期間を要します。

水ぶくれが全てかさぶたに変わるまでは感染の危険がある事を心得、何日休むかは担当の医師と相談するようにして下さい。

参考文献:
1)臨床皮膚科 55:846-848,2001

2)Ann Int Med 1961;55:456-63
3)Rev Infect Dis 1990;12:788-98
4)Am J Dis Child 131:693-696,1977
5)J Infect Dis 172:706-712,1995

6)水痘・帯状疱疹の全て(MEDICAL VIEW)P105

まとめ

医師
今回のポイントのまとめ!
  • 大人が水疱瘡に感染すると重症化し、治癒するまでに時間が掛かる場合もあるので早めに病院へ行く事が大切である。
  • 初期症状が重くなる傾向にあり、特に水痘肺炎は命に関わることがある。
  • 感染から発症までの潜伏期間は約2〜3週間程である。
  • 水疱瘡は2回目の感染の可能性もある。
  • 水疱瘡は空気感染するため、非常に強い感染力を持ち、二次感染の恐れもある。
  • 水疱が全てかさぶたになるまでは感染の可能性があるため、この期間の職場復帰はムリと考える。

大人が水疱瘡に感染すると場合によっては、重症化し治癒までに時間を要することがおわかりいただけたと思います。

水疱瘡にかかった場合は、初期の対応が早いほど重症になる可能性も低く、他の人への感染も防ぐことが出来ます。

ですから、軽視することなく速やかに病院で治療を受けるようにして下さい。

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