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小児がかかると怖い病気の中に、髄膜炎があります。その髄膜炎には種類があり、今回はその中でも細菌が原因となる細菌性髄膜炎について

  • 症状
  • 原因
  • 診断
  • 治療法

を詳しくお話ししたいと思います。

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細菌性髄膜炎とは?

細菌感染によって起こる髄膜炎で、別名急性化膿性髄膜炎とも呼ばれます。新生児や乳児といった抵抗力の弱い幼い時期にかかることの多いもので、診断・治療が遅れると10~30%の割合で死に至るケースもある髄膜炎の中でも最も怖い病気です。

では、どんな症状が出るのか見ていきましょう。

細菌性髄膜炎の症状は?

医師
以下のような症状が現れます。
  • 発熱
  • 頭痛
  • 嘔吐
  • 悪心
  • 皮疹
  • 痙攣
  • 脳局所症状

 

などがありますが、髄膜炎特有の3大症状と言えば、発熱・頭痛・嘔吐です。また、これらは風邪症状と似ているため、見逃されることも多く、症状が進行してしまうと、頭蓋内圧亢進・脳浮腫・意識障害などを認めるようにもなってしまいます。

細菌性髄膜炎の原因は?

原因は、この病名の通り、細菌感染によるものですが、実は細菌性髄膜炎は年齢に応じてその原因となる起炎菌は大きく異なります。

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医師
年代別に細菌性髄膜炎を発症しやすい起炎菌をご説明します。

新生児期(生後すぐ~4ヶ月)

  • B群レンサ球菌
  • 大腸菌
  • インフルエンザ菌

特に新生児期に多いのがB群レンサ球菌です。また、頻度は低いもののリステリア菌も原因となり、その場合重症化しやすくなる特徴があります。

乳幼児(4ヶ月~6歳)

  • インフルエンザ菌
  • 肺炎球菌
  • 髄膜炎菌

特にこの年代に多いのが、インフルエンザ菌です。誰にでもかかりうる病気で、保育園や幼稚園に通い出すと特に冬場にかけてもらいやすい病原菌でもあります。

小児~成人期(6歳~50歳)

  • 肺炎球菌
  • インフルエンザ菌
  • 髄膜炎菌

この年代に多いのが肺炎球菌なんですが、誰にでもかかりうる菌によって髄膜炎になってしまいます。

壮年~老年期(50歳以降)

  • 肺炎球菌
  • 黄色ブドウ球菌
  • 大腸菌

この年代になると肺炎球菌に加え、黄色ブドウ球菌が原因となることが増えてきます。また、老年期は新生児期同様、抵抗力が弱くなるため、リステリア菌によって重症化することも稀にあります。

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細菌性髄膜炎の診断は?

髄膜刺激徴候検査脳脊髄液検査が一般的です。

医師
それぞれについてご説明します。

髄膜刺激徴候検査

髄膜に負荷を加えることで、痛みに対する特徴的な防御反応を示すため、それを利用し検査を行います。

項部硬直

仰向けに寝せ、患者の頭部を前屈させた時の抵抗を見ます。髄膜炎の場合、この時首が硬く、顎が胸に付かない特徴があります。

ケルニッヒ徴候(Kernig’s Sign)

仰向けに寝せ、足を持ち上げます。強い抵抗があり、膝を135度以上まっすぐに伸ばすことが出来ない特徴が見られます。

下の動画はその様子ですが、この場合は膝を135度以上まっすぐ伸ばせており、ケルニッヒ徴候は陰性ということになります。

ブルジンズキー徴候(brudzinski’s sign)

仰向けに寝せた状態で項部を前屈させると股関節や膝関節が自動的に曲がる特徴が見られます。

下の動画はヤラセだと思われますが、ブルジンズキー徴候は陽性ということになります。

jolt accentuation(読み方は、ジョルトアクセンチュエーション)

頭部を左右に振ると頭痛がひどくなる徴候が見られます。

羞明および眼球圧痛

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眩しさのチェックで、閉じた瞼の上から指で押すと光が異常に眩しく感じ、瞼を押すと痛む特徴があります。

まず、この髄膜刺激徴候検査はかかりつけの小児科や内科でも行えるため、髄膜炎を疑った場合、この検査をし、疑いがある場合、大きな病院に回され、脳脊髄液検査を行うことになります。

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脳脊髄液検査

外観髄液圧、糖などを調べます。菌性髄膜炎ではない菌は検出されないため、この検査で他の髄膜炎との鑑別にもなります。

細菌性髄膜炎では、外観は混濁して見えます。また、細菌感染により白血球の多形核球が増加し、蛋白は上昇し、糖は激少します。また、この検査によって圧を下げる効果もあり、治療にもなります。

ですが、頭蓋内圧亢進下では、腰椎穿刺は脳ヘルニアを起こす危険性があるため、意識障害やうっ血乳頭の有無を確認し、疑わしい場合には、CTにより占拠性病変を除外し、穿刺の可否を判断します。

更に正確な診断には、グラム染色検査によって原因菌を特定することが重要です。

グラム染色検査

グラム陽性陰性とに分けられ、更にそれを球菌もしくは桿菌という形状に分けられ、原因菌を特定します。

また、血液検査を行うと、CRP上昇などの強い炎症反応が見られます。

細菌性髄膜炎の治療法は?

医師
早期に治療を開始することが重要です。

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早期治療のため、起炎菌の同定を待たずに、すぐに治療を開始します。

起炎菌が特定されていない場合

患者の年齢に応じた抗菌薬を投与します。

新生児期 アンピシリン+第三世代セフェム系
乳幼児期 カルバペネム系+第三世代セフェム系
小児~成人期 カルバペネム系+第三世代セフェム系+バンコマイシン
壮年~老年期 第三世代セフェム系+パンコマイシン+アンピシリン

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起炎菌が特定されている場合

起炎菌に応じた抗菌薬の投与を行います。

肺炎球菌 カルバペネム系・第三世代セフェム系+バンコマイシン
B群レンサ球菌 第三世代セフェム系・アンピシリン
ブドウ球菌 バンコマイシン・第三世代、第四世代セフェム系・カルバペネム系
リステリア菌 アンピシリン
髄膜炎菌 第三世代セフェム系
インフルエンザ菌 第三世代セフェム系・メロペネム・両方の併用
緑膿菌 第三世代、第四世代セフェム系・カルバペネム系
大腸菌群 第三世代、第四世代セフェム系・カルバペネム系

特定されていなかった場合、起炎菌解明後には、起炎菌に応じた抗菌薬に切り替え治療をします。また、抗菌薬投与直前、もしくは同時に、副賢皮質ステロイドを併用します。

最後に

  • 発熱・頭痛・嘔吐が特徴
  • 細菌感染が原因で、年代別にかかりやすい菌が異なる
  • 髄膜刺激徴候検査・脳脊髄液検査・グラム染色検査・血液検査で原因を特定、診断
  • 早期に治療を開始する必要がある
  • 起炎菌に応じた抗菌薬を使う

 

特に、乳幼児の細菌性髄膜炎の起炎菌となるインフルエンザB型に対するHibワクチンの広まりと共に、乳幼児の髄膜炎が減少したと言われています。

悪化すると死に至るケースもある怖いものだからこそ、予防接種の重要性が分かると思います。

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