食事の欧米化に伴い大腸癌患者は増えています。
大腸癌の発見に最も優れている検査は、大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)です。主に消化器内科で行われます。
- 大腸カメラでポリープがあると言われた。
- ワーファリンを内服している。
また大腸癌が見つかった後、手術を受けたけど、
- 再発の可能性は?
- どのくらいフォローが必要なのか?
など大腸癌についての疑問は多数出てきます。今回は大腸癌の疑問にお答えします。
大腸カメラでポリープがあると言われたが、切除しなくても良いと言われたけど大丈夫?
大腸カメラで見つかったポリープは見て明らかに良性なものは、切除せずに放置することもしばしばあります。
- 最近の内視鏡は発達して、鮮明な写真が撮れる。
- サイズが小さく明らかな良性であることがわかる。
のです。ですので、その場で担当した医師が明らかに良性だと判断した場合は、切除しないことも日常茶飯事なんですね。
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ステージ1の大腸癌は100%治る?再発しない?
- ステージ2
- ステージ3
の人は手術をしても、がん細胞が残っている可能性がありますので、手術をした後にそれらのがん細胞を叩くために、術後化学療法を行います。
では、ステージ1なら100%大丈夫なのでしょうか?
答えはNo!!です。
ステージ1(やステージ2)の人でも必ずしも取り切れているとは限らず、再発することも10%程度であると言われます。結構多いですよね・・・。取り切れたと思ってもがん細胞が隠れている可能性はゼロではないんですね。
ですので、ガイドラインでは
- 3ヶ月に1度診察と血液検査
- 半年に1度CT検査
- 場合によっては年に1度内視鏡検査
をするように勧められています。
早期の癌であって手術で取り切れたとしても、定期的にフォローしていく必要があるんですね。
では、術後の検査はどのくらい受けないといけないのでしょうか?
大腸癌術後の再発は3年以内に多いとされます。
ですので3年間は、診察、採血、CT検査、内視鏡などでフォローしていく必要があります。
また5年経っても再発しない場合は、治ったと判断しますので、フォローの回数が減ることなります。
ワーファリン内服中なんですが、大腸内視鏡は受けられる?
ワーファリンなど血液が固まりにくくなる薬を内服している場合、大腸内視鏡検査を受けて、ポリープが見つかった場合、切除ができないことがあります。出血が止まらなくなることがあるからです。
ですので、検査前にこれらの薬を止める必要があります。しかし、止めることで脳梗塞や心筋梗塞などのリスクがあまりに大きくなる場合は、止めるリスクがあるため、主治医の先生に止めてもいいのかを聞く必要があります。
止めるリスクを抑えるために、特にワーファリンを内服中には、ワーファリンを別の薬に置き換えて点滴の注射をすることもあります。
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アスピリンと大腸癌の関係は?サプリメントは?
アスピリンで大腸ポリープや大腸癌を抑える可能性については動物実験ではすでに明らかになっています。
アスピリンとは血液の流れをサラサラにすることで脳梗塞や心筋梗塞を抑える作用がありますが、逆に脳出血などの出血のリスクを増やす副作用もありますので、リスクがない人に安易に使う薬ではありません。
ですので、大腸癌を抑える目的でアスピリンを使うということはまだ先の話になりそうです。
またサプリメントについても、大腸癌を100%抑えられるというものはありません。
大事なのは食事のバランスです。
大腸癌の手術で先進医療対象になるものはある?
現時点ではありません。
日本では現時点で、自己負担と保険診療の併用は認められていません。普段受ける医療は保険診療で行っています。新しい手術は先進医療として、まず開始しますが、その場合、患者さんの全額負担となります。
現在胃がんではロボットによる治療が先進医療として行われています。
大腸癌もそうなる日も近いかもしれません。その場合、導入最初の10件は患者さんではなく病院が負担して、普及してきてから患者さんが全額負担というケースが多いようです。
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最後に
二人に一人が癌になる時代です。
癌の治療には早期発見が必要です。大腸癌の場合、人間ドックでもメニューにある大腸カメラが最も優れた検査です。
でも、
- ポリープがあると言われた。
- 癌が見つかって切除してもらった。本当に取り切れているの?フォローは必要?
などなどの疑問にお答えしました。御役に立てれば幸いです。