
人間ドックを受ける当日に生理が当たるかも…とハッとする女性の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
特に、それが検便となると、血液が混入してしまうのではないかと心配になります。
そこで今回は、人間ドックを受ける際に引っかかるかもしれない生理中の検便について
- 可能か否か
- 痔の場合
- 下痢の場合
などをお話しします。
人間ドックの前に参考して頂ければと思います。
先に結論
- 生理中の検便(便潜血検査)は避けるのが一般的です。経血が便に混ざると、結果が正確に出ない可能性があるためです。
- 生理日と重なりそうなときは、採取日をずらす・検診日を変えるなど、早めに検査機関へ相談しましょう(対応は施設で異なります)。
- 痔や下痢があっても検便を受けられることが多いですが、血が混ざって陽性になる可能性があります。事前に伝えておきましょう。
- 陽性と出たら、生理や痔のせいと自己判断せず、大腸内視鏡検査などの精密検査を受けます(国立がん研究センター がん情報サービス)。
- 大腸がん検診は40歳から年1回が目安で、便潜血検査は2日分の便を採る「2日法」が一般的です。
生理中の検便は可能?
検便では、目的に応じて次のような項目を調べます(人間ドックや健康診断の大腸がん検診で行われるのは、主に便潜血検査です)。
- 便潜血反応
- ヘモグロビン・トランスフェリン
- キモトリプシン
- 虫卵・虫体検査
- ビリルビン・ウロビリノゲン
などを調べます。
人間ドックや健康診断の検便は、多くが大腸がん検診のための便潜血検査です。便潜血検査は、便に混じった血液を検出する検査で、2日分の便を採る「2日法」が用いられます(国立がん研究センター がん情報サービス)。
そのため、生理による血液が混入すると、正確な判定ができなくなるおそれがあるため、生理中の採取は避けるのが一般的です。

人間ドックを受ける検査機関の中には、渡される書類の中に生理中の対処方法が書かれている場合がありますので、目を通してみましょう。
できる限り、次の生理日を計算して人間ドックの予約を入れるのが良いですが、生理日がズレ、重なってしまった場合は、検査前に申告しましょう。
生理の時に検便が出来ない場合には、生理が終わってから採取をして提出となる場合もありますし、検便自体を断られることもあります。
ほとんどの場合は、その場で検便を行うのではなく事前採取で、専用の検体容器を渡されます。
便は1回分もしくは2日分(2日法)を採って持っていくのが一般的です。採取してから提出するまでの期間や、冷蔵保存してよいかどうかは施設ごとに決められているため、案内書で確認しましょう。
そのため、生理日を計算して採取日を調整する方法もありますが、その他の検査でも生理中に行えないものがありますので、ご注意ください。
採取方法や保存可能期間など不明な点は、検査機関に問い合わせて確認しておくと良いでしょう。
採取そのものがうまくいかないとき(便が出ないときなど)は、下の関連記事も参考にしてください。

自宅で検便を採る流れは、大腸がん検査キットで自宅で検便の体験記で紹介しています。
生理中の検便だと潜血反応が出る?
出る可能性はあります。
出血量によっても異なりますが、排便のときに経血が混入すれば、陽性になる可能性があります。
陽性になると、生理の影響なのか、ほかの原因なのかを検便だけで見分けることはできず、精密検査をすすめられます。不安を抱えて精密検査を受けることを考えると、生理中は検便を控えるのが得策ですし、血液が混入するかもしれず正確な判定ができないと分かっている生理中は、検査機関側から断られることもあります。
また、生理終わりかけはどうなの?
ということも気になると思いますが、採取できるかどうかは出血の量や施設の方針によって異なります。
生理が終わりかけで出血量も少ない場合でも、採取してよいかを事前に施設へ確認しましょう。採取するときは、便に経血が付かないよう注意してください。
痔の場合の検便はどうする?
痔の場合は検便を採取しても大丈夫なのかしら?
痔は、切れたり腫れたりすると出血することがあり、潜血反応が陽性になることがあります。
痔があると便潜血検査の偽陽性(大腸に病変がないのに陽性となる)が増えるとした報告(Kim ら 2017)がある一方で、痔だけが原因の偽陽性は多くなかったとする報告(van Turenhout ら 2012)もあり、影響の大きさは研究によって異なります。
大切なのは、痔があっても、陽性のときに痔のせいだと自己判断しないことです。痔が原因の出血なのか、大腸がんやポリープによる出血なのかは、精密検査をしないと分からないとされています(国立がん研究センター がん情報サービス)。
また、当日までに日数がある場合は、専門の医療機関で痔の治療を受けておくのも良いですね。
痔の方は事前に人間ドックを受ける医療機関に相談をしておきましょう。血便、腹痛、便の性状や排便回数の変化などの症状があるときは、検診を待たずに医療機関を受診してください。
痔の手術について知りたい方は、痔核(いぼ痔)の手術とは?をご覧ください。
ちなみに…下痢の場合は?
もし、検便の時に下痢になってしまったら焦りますよね。
検便の時に下痢になってしまっても、検便は可能です。
下痢が続いていて採取しにくいときや、強い腹痛・発熱・血便があるときは、検査機関に相談し、下痢症状があったことを伝えておくと良いでしょう。

参考文献:新 検査のすべてがわかる本P140・141
参考文献:検査のしくみ 検査値の読み方P28
参考文献:今日の臨床検査 2011ー2012 P38〜42
参考文献:よくわかる検査数値の基本としくみP18・19
最後に
- 人間ドックの検便(便潜血検査)は、経血が混ざると陽性になる可能性があるため、生理中は避けるのが一般的
- 生理と重なりそうなときは、後日の採取や事前採取など、検査機関に相談する
- 痔があっても陽性を自己判断せず、陽性なら精密検査を受ける
- 下痢のときも検便は可能な場合が多いが、症状を伝える
大腸がん検診は、40歳から年1回の受診が勧められています(国立がん研究センター がん情報サービス)。
40歳未満で受ける場合は、何か疑いや気になる症状があってのことも多いため、検診ではなく医療機関での受診が必要です。
検便が陽性でも、その時点で大腸がんと確定するわけではありません。陽性のときは、大腸内視鏡検査などの精密検査で調べます。
また、生理中は、検便だけでなく婦人科系の検診にも差し支えることがあるため、日程をずらして臨むのが良いでしょう。
生理中の検便でよくある疑問
Q. 生理中に気付かず検便を出してしまったら?
A. 提出前なら、検査機関に連絡して採取し直せるか確認しましょう。提出後に気付いたときも、結果が陽性なら生理中だったことを伝えたうえで、医師の指示に従い精密検査を受けましょう。
Q. 痔があると、便潜血検査は意味がないのですか?
A. そんなことはありません。痔があっても大腸がんやポリープが隠れていることはあるため、陽性なら精密検査が必要です。
気になる症状(血便、腹痛、便通の変化など)や心配な結果があるときは、早めに医療機関へ相談してください。
参考文献
- 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診について」 https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/colon.html
- Kim NH, et al. Are Hemorrhoids Associated with False-Positive Fecal Immunochemical Test Results? Yonsei Med J 2017. PubMed
- van Turenhout ST, et al. Hemorrhoids detected at colonoscopy: an infrequent cause of false-positive fecal immunochemical test results. Gastrointest Endosc 2012. PubMed





