胆嚢ポリープが見つかった場合は、ほとんどの場合は経過観察となりますが、中には治療を必要とし、手術になることもあります。
ただ、手術と言われると不安に感じられる方も多いと思います。
そこで今回は胆嚢ポリープ手術について、
- 方法
- 入院期間
- 日帰り手術
などをご説明いたします。
胆嚢ポリープの手術適応基準とは?
胆嚢ポリープが見つかっても、全てが治療が必要となるわけではありません。
経過観察となる基準
ポリープの大きさや症状の有無で異なりますが、経過観察になるのは、
- 腫瘍の大きさが10mm以下
- 症状がない
- 癌の可能性がない
場合です。
つまり、胆嚢ポリープだと治療は必要とせず、経過観察のみで済むことがほとんどです。
手術の適応基準
では、どんな時に手術が必要になるのかというと、
- ポリープのサイズが10mm程度・または10mm以上のもの
- ポリープが拡大傾向
- 何かしらの症状がある
- 広基性の形態
- 胆石を合併している
- 孤立性
- 超音波検査でポリープが肝臓と等エコー輝度
(Am J Surg 188:186-190,2004)
という基準に当てはまる場合、手術をおこなうことになります。
つまり症状があったり、合併症をきたす場合、癌の可能性がある場合・・・などになります。
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胆嚢ポリープの手術方法とは?
- 開腹手術
名前の通りお腹を開けて手術をする方法です。 - 腹腔鏡手術
臍の下と右の腹部に3~4か所の穴をあけ、カメラや機器を差し込みモニターなどの画面を見ながら手術をします。
炎症や癒着状態、ポリープの大きさなどによってどちらの手術をするのか医師が判断します。
ですが、胆嚢ポリープは経過観察といって、手術をせずに定期的に経過を見る場合も多くあります。
開腹手術
- 手術時間:1時間程度
- 食事開始:術後2.3日後
- 入院期間:1か月程度
- 術後の痛み:痛みあり
- 傷跡:目立つ(10cm~15cm)
- 日常生活復帰:1か月程度
腹腔鏡手術
- 手術時間:1時間程度
- 食事開始:翌日
- 入院期間:日帰り~3日
- 術後の痛み:軽度
- 傷跡:少しあるが、目立たない
- 日常生活復帰:1週間程度
胆嚢を取り除くというだけでもこれほどの違いがあります。
また、腹腔鏡で手術をする事になっていても、癒着や炎症がひどい場合には急遽開腹手術をするケースもあります。
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日帰り手術のメリット、デメリットとは?
医療機関やポリープの重症度によっても異なりますが、中には日帰り手術で済む場合もあります。
メリット
- 拘束時間が短い
- 入院期間中の費用がかからない
- 入院準備なども必要ない
- 自宅でゆっくり過ごせる
仕事で忙しい人やなかなか時間が取れない人には良いかもしれない・・・と感じますよね。
ただ、この日帰り手術にはデメリットもあります。
デメリット
- 急な処置に対応ができない
- 看護婦さんや医師がそばにいないので不安
日帰り手術と言っても朝手術をし、夜帰れるわけではなく、1泊はする必要があります。
病院により様々ですが、海外では日帰り手術も多いようです。
ただ、退院したらすぐ日常生活に戻れるというのではなく、自宅療養を選択するという意味での日帰り手術となります。
入院期間は、術後の回復を待つという意味もあり、手術をしたら、回復までに療養が必要というのには日帰りであろうと変わりはありません。
- 参考文献:病気がみえる vol.1:消化器 P393〜398
- 参考文献:消化器疾患ビジュアルブック P230・231
- 参考文献:新 病態生理できった内科学 8 消化器疾患 P264
- 参考文献:パッと引けてしっかり使える 消化器看護ポケット事典[第2版] P154・155
最後に…
- 腹腔鏡手術か開腹手術で行う
- 腹腔鏡手術が多くなってきているが、癒着や炎症がひどい場合は開腹手術になる。
- 日帰り手術をしている病院もある!
いかがでしたでしょうか?
不安な場合は、手術前に担当医から説明を受け、不安を少しでも取り除いた上で行うことをオススメします。