色々な機会ですることの多い尿検査。
体から排出される尿の中には色々な成分が含まれており、病気の発見にもつながります。
先日、子供の小学校の提出用尿検査もやったばかりです。
でも、特に子供となると、「ちょっとしか出なかった」「もう出ない」など、量をコントロールするのも難しく・・・
どれくらいの量があったら検査できるのか?
など心配になりますよね。
今回は尿検査について
- 方法
- 採尿のタイミング
- 量
- 注意点
など、以上のことについてご説明しますので、尿検査の時の参考にして頂ければと思います。
尿検査の正しい方法は?
幼稚園や学校等の尿検査の場合、寝起きの早朝尿をとることになりますが、他にも人間ドックや健康診断等、時間に関係なくとる随時尿がありますので、それぞれ分けてご説明します。
早朝尿の場合
まずこれは、朝1番の寝起きの尿をとるものですが、なぜ朝1番の早朝尿でないといけないのか?
これは、尿に蛋白が出た場合、起立性蛋白尿と区別するためです。
また早朝の尿は濃く出るため、色々な病気等発見されやすい特徴もありますが、尿は時間の経過にともない、細菌が繁殖しやすく、それにより尿成分が変化してしまう為、学校等の尿検査ではその日の朝の尿が最適とされています。
やり方
- 就寝前に排尿し、出し切っておく
- 朝起きたら1番にトイレに行く
- 少しおしっこを出し、出はじめのものを捨て、途中からの尿をとる
紙コップや専用カップを使って採取します。
それを、幼稚園や学校用の配布されたキャップ付き容器にを凹ませた状態にし、ゆっくり手を離し、吸い込むように採取しましょう。
キャップをしっかり閉めたら完了です。
医療機関等で検査を行う場合は、指定の容器に排尿し、提出しましょう。
随時尿の場合
早朝尿以外のものをいいます。
尿は時間がたつと成分が変化することもあるので、その都度病院等で紙コップを渡され、検査します。
この場合、病院、検査機関の指示に従い採取するようにしましょう。
赤ちゃんの尿検査のやり方
- 採尿パックを使う
という方法があります。
なければ、ビニール袋で代用し、剥がす時も痛くない、医療用テープを貼って、尿が出るのを待つという方法もあります。
また、これを機におまるに座らせてみるという方法もあり、寝起きなどは排尿を促しやすい為、この方法で成功することも多いようです。
関連記事)尿検査の蛋白の基準値は?前日の注意点は?
検査によって違う!採尿のタイミング
尿検査によって、中間尿・全尿・初尿・分配尿というように、採尿のタイミングが異なります。
中間尿
出はじめの尿ではなく、途中から出ている尿をサッと紙コップを持って来て取るもので、尿道の分泌物や菌を省くことが出来ます。
なので、生理中の女性の場合は、血液が混ざりやすいのですが、先に軽くティッシュで拭いた上で、中間尿を取るといいでしょう。
学校等から指示のある早朝尿もこの方法で行うといいでしょう。
膀胱炎等を調べる検査もこの方法で行われます。
全尿
出はじめからの全ての尿を採取する方法で、長時間排尿を我慢し、たまった尿を出し切り、蓄積尿を検査するものです。
肝機能等の評価をする際に用いられる方法です。
初尿
中間尿では捨てる、その最初の尿のことで、中間尿を含まないものを言います。
クラミジアなどの菌の検査の場合、用いられます。
分配尿
最初の初尿と、途中からの中間尿とカップを別々に分けて取る方法で、どちらに血液が混じっているのか判断するものです。
最初の尿だけ血液が混じってる場合は膀胱より下の尿道から、次のものにだけ血液が混じってる場合は膀胱の半分くらいの位置から出血してると判断するためです。
もし、全てに血液が混じってる場合は、膀胱、尿道以外の出血原因が考えられます。
ですが、血尿の疑いが初めからあっての尿検査の場合は、排尿を2〜3個の容器に分けて行うと、尿路の病変部位を特定するのにも有用となります。
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尿検査の尿はどれくらい必要?
- ペーパーテストの場合は5~10cc
- 50ccあればベスト
この線までと書かれている位置くらいまで採取できると問題ないのですが、なかなか出ない場合もありますよね。
ペーパーテストの場合、少量でも検査可能なので、5~10ccくらいあれば大丈夫でしょう。
ですが、最も望ましい量は50cc程、目安で言えば、紙コップの4分の1程度です。
出ない場合はどうする?
その際は、水を飲んでしばらく待って出すという方法もありますが、出ないことを看護師等に伝え、待ってもらいましょう。
尿の出は、精神面も影響し、焦れば焦るほど出ないといったこともあります。
上記でご説明したように、少量でもペーパーテストであれば問題ないので、少しでも出たらそれを一旦提出して相談しても良いでしょう。
関連記事)尿検査の糖の基準値は?
尿検査を正しく判定するための注意点は?
- 採尿前に薬やドリンク剤を飲まない
- 検査前に激しい運動をしない
- 陰部を一度拭いてから採尿する
- ペーパーを上からかぶせない
- 異物が入っても自分で取らない
薬等飲まないといけない場合もあると思います。
採尿前に、薬やドリンク等、栄養剤を飲んだ場合は、前もって申告しましょう。
また、直前の食事等も尿に影響します。
その為、食事は尿検査後がベストですが、済ませてしまった場合は、食事内容を報告しておくと、その食事による影響も考慮してもらえます。
また、食事と合わせ、激しい運動後は成分も変わってきますので、注意しましょう。
生理中など、陰部が汚れている場合もあると思います。
一度拭いてきれいにしてから採尿しましょう。
よくあるのが、女性の方で採尿カップの上からペーパーをエチケットとして被せるパターンですが、これは誤ってペーパーが入ってしまうと成分が変わってしまうこともあるのでやめましょう。
また、異物が入っても自分で取ったりしないようにしましょう。
参考文献:きょうの健康 検査でわかることP14・15・114〜119
参考文献:今日の臨床検査2011 2012P28〜37
最後に
- 寝起きの朝一番の尿をとる早朝尿と、時間に関係なく随時とる、随時尿がある
- 中間尿・全尿・初尿・分配尿とがあり、それぞれとるタイミングや方法が異なる
- ペーパーテストの場合は、5~10ccあれば大丈夫
- 50ccあればベスト
- 採尿前には薬や激しい運動等を控える(医師の指示に従う)
- 採尿後の尿に触れない
私は、一度検査時に、少ししか出なかったからこりゃダメだと自己判断し、尿を捨ててしまったことがあるのですが、さっきしたばっかりした時には、尿が出るか心配な場合もありますよね。
ですが、ペーパーテストだと、ほんの少しの尿でも検査が可能なので、その場合には前もって
「出そうにないんですが、ほんの少しでも大丈夫でしょうか?」
と聞いてみるのも良いと思います。
「1時間待ちますから、水分たっぷり採ってやり直してください」
と言われたこともありますが、尿検査によっても検査方法が違うので、自信のない時は前もって聞いてみましょう。