
「胃カメラの鎮静剤が効かない人がいるって本当なの??」
胃カメラの検査は苦痛を伴う検査なイメージがありますよね?
「オェ」っとなったり、痛みがあったりとイメージからの恐怖心やトラウマなどから検査自体を嫌がる人も多いです。
でも病院によっては鎮静剤を使って検査をしてくれる病院があるのを知っていますか?
先日うちの主人が鎮静剤を使った胃カメラ検査を受けてきましたが、いつ始まっていつ終わったのかもわからないくらいなんの苦痛もなく終わった、と言ってました。
でもその鎮静剤も効く人と効かない人がいるとか…。
せっかく勇気を出して検査に来たのに鎮静剤が効かないとさらなるトラウマになりかねません。
今回は
- 鎮静剤が効きにくい人がいるのか?
- また効かない場合にはどうすればいいのか?
などをまとめました。
どうしても胃カメラが怖い!
そんなあなたにオススメです。
- 胃カメラの鎮静剤は、効き方に個人差があります。「うとうとして苦痛や記憶が少ない」程度が目標で、全員がぐっすり眠るわけではありません。
- 効きにくい人の特徴として、お酒をよく飲む、睡眠薬・抗不安薬などを使っている、があります。他の内視鏡検査の研究では、これらの人で鎮静剤が多く必要になったと報告されています。
- 睡眠薬・精神安定剤などを飲んでいる方は、事前に医師に伝えてください(薬に合わせて鎮静剤を選ぶため)。
- 効かない場合でも検査は可能です。追加できる量には限りがあり、そのまま続けることが多く、苦痛が強いときは中止もあります。
- 鎮静剤を使った日は、眠気やふらつきが残るため、車・バイク・自転車の運転は控えます。苦痛が心配なら、鼻からの細いカメラも相談できます。
胃カメラの鎮静剤が効かない理由は?効きにくい人っているの?

- 飲酒を好む人
長期の飲酒習慣がある人は効きにくくなることがあります。 - 睡眠薬や精神安定剤を服用している人
薬の種類によっては効きにくくなる場合もあります。 - もともと麻酔や鎮静剤が効きにくい体質の人
体質的に効きにくい人もいらっしゃいます。
飲酒を好む人といっても、「アルコールに強い人=鎮静剤が効かない」ということではありません。
長期の飲酒習慣がある場合に、鎮静剤の量を増やさなければならないことがある、ということです。
まったく効かないというわけではありません。
大腸内視鏡の鎮静を調べた約5000人の研究では、お酒を飲む人では高用量が必要になる割合が高く(オッズ比1.26)、オピオイド・ベンゾジアゼピン系薬・抗うつ薬を使っている人ではさらに高くなりました(オッズ比2.88、Shingina ら 2016)。ERCP(胆管の内視鏡検査)の研究でも、飲酒、オピオイド、精神作用のある薬の使用は、鎮静が難しくなる要因でした(Pérez-Cuadrado Robles ら 2016)。胃カメラそのものを対象にした研究ではありませんが、同じ種類の薬を使うため、参考になります。
睡眠薬や精神安定剤などを服用している方は、事前に医師に申告するようにしてください。
鎮静剤にもさまざまな種類がありますので、服用しているお薬によって使用する鎮静剤も変更になることがあります。
鎮静剤が効かない、効いているの判断は?
もともと鎮静剤というのは、胃カメラによる苦痛を軽減するため意識を低下させる程度に使用する、とされています。
そのため眠る、というよりは呼びかけには反応するけれど、かなりぼーっとした(ふわふわとした)状態であれば効いていると考えてよいでしょう。
よく眠っている間に検査が終わりますよ!
と言われるそうですが、眠っているのではなく記憶にない状態になっている、ということですね。
実際、呼びかけには反応していても、それすらも覚えていないという人もいるようです。
ただ投与する量によっては本当に眠ってしまい、なかなか起きないこともあるのだとか。
この場合は、鎮静剤が効きすぎている(投与する量が多かった)、といえますね。
逆に鎮静剤が効かない人はこのふわふわする感覚もなく、しっかり会話もでき記憶もなくならないようです。
鎮静剤投与後にふわふわした感覚もなく、いつもと変わらないな?
と思ったら鎮静剤が効いていない状態です!

検査の途中で鎮静剤の効き目が切れることもある?
検査時間やその人に合った量の鎮静剤を投与するので、検査中に切れることは基本的にはありません。
しかしながら効きにくい人がいるのも事実なので、普通の人よりはっきり意識が戻るまでの時間が短い人がいることはあります。
ですが検査自体は多くの場合、数分から十数分で終わるため(所見や施設により異なります)、検査中に鎮静剤が切れて苦痛にうめく!
なんてことはまずないと思います。

鎮静剤が効かない場合はどうする?
先ほどもお話しした通り大量の鎮静剤は副作用などのリスクがあるため、効かない場合いくらかは追加してもらえますが効くまで追加してもらえるわけではありません。
効かない場合はそのまま続行する場合が多いそう。
しかしながらあまりの苦痛に検査が困難だと医者が判断した場合は、中止になる場合もあるということです。
鼻からの胃カメラは苦痛を軽減してくれる

オェっという咽頭反射が苦痛で検査をしたくない!
という人にオススメなのが鼻からカメラを入れて検査をする方法です。
咽頭反射がゼロになるわけではないですが、舌の根元に内視鏡が触れにくいので、咽頭反射が起こりにくいとされています。一方で、鼻の痛みや鼻血が出ることがあり、鼻の通りが悪い方には向かない場合もあります。
あまりの胃痛に当日検査することになり、車で来院していたため鎮静剤が使用できませんでした。
やむを得ず喉と鼻の麻酔のみで検査を受けましたが、圧迫感や胃に水を流し込む不快感などは多少ありましたが トラウマになるほどの苦痛はありませんでした。
歯磨きをするだけで咽頭反射が起こる私なのですが(笑)
この検査では咽頭反射はまったくありませんでした。

鎮静剤の影響が気になる妊娠中や授乳中の方は、胃カメラは妊娠中・授乳中でも受けられる?鎮静剤の影響と医師への相談の目安もご覧ください。
最後に…
- 長期の飲酒習慣がある人や睡眠薬や精神安定剤を服用している場合は効きにくいことがある
- 効果は個人差や体質が多く影響している
- 効かない場合はそのまま検査をすることが多く、追加できる量には限りがある
- 鎮静剤の効きにくい人は苦痛の少ない鼻からの検査で咽頭反応の軽減と、快適な検査を!
嘔吐反射がきつい、不安感が消えないなど、検査に対する苦痛やストレスを和らげるのを目的で鎮静剤を使用したいのに、それが効かない、効いてるのかわからないとなると、検査を受けること自体が怖くなってしまいますよね。
またあまりに緊張しすぎることで鎮静剤の効きが悪くなる、ということもあるそうです。
そうならないためにも、事前に不安なことは医師に相談するようにしましょう。
検査後の痛みが心配なときは、胃カメラの後に痛みが出る原因は?腹痛・胃痛・喉の痛み・頭痛と受診の目安で原因と受診の目安を説明しています。
よくある疑問
Q. 鎮静剤を使った日は、車で帰ってもよいですか?
鎮静剤を使った後は、眠気やふらつきが残ることがあります。施設の指示に従い、車・バイク・自転車の運転は控えてください。車で来院する予定の方は、予約のときに鎮静剤を使いたいことを伝えましょう。
Q. 以前、鎮静剤が効かなかった場合、次回はどうすればよいですか?
事前に医師に、前回効かなかったこと、お酒の量、飲んでいる薬を伝えましょう。鎮静剤の種類や量の調整、鼻からのカメラなどを相談できます。
Q. 鎮静剤の量は、いくらでも増やせますか?
いいえ。量を増やすと、呼吸が浅くなる、血圧が下がる、といった副作用のリスクが高まるため、安全の範囲で調整されます。日本の指針でも、患者さんの希望や年齢、持病、施設の状況に合わせて鎮静を行うとされています(日本消化器内視鏡学会ほか 2021)。
参考文献
- Gotoda T, et al. Guidelines for sedation in gastroenterological endoscopy (second edition). Dig Endosc 2021. PubMed
- Shingina A, et al. Identification of factors associated with sedation tolerance in 5000 patients undergoing outpatient colonoscopy. World J Gastrointest Endosc 2016. PubMed
- Pérez-Cuadrado Robles E, et al. Safety and risk factors for difficult endoscopist-directed ERCP sedation in daily practice: a hospital-based case-control study. Rev Esp Enferm Dig 2016. PubMed





