甲状腺機能低下症にはどのような症状があるのか、ご存じですか?
知っていれば、セルフチェックがしやすくなりますよね。
また、甲状腺機能低下症における採血時のTSHの数値や、治療・食事について知っておくことで、焦ったり慌てたりせずに対応できます。
そこで今回は、甲状腺機能低下症についてご説明しましょう。
甲状腺機能低下症の症状は?
- 圧した痕が残りにくい浮腫がある
- 筋力が低下する
- アキレス腱反射の回復相が遅延する
- 心臓が大きくなる心拡大
- 心臓をとりかこむ心嚢と心臓の間にある液が過剰に溜まる心囊液貯留
- 1分間の脈拍が少なくなり60回未満となる徐脈
- 意識混濁の一つで自発的な動きが少なくなったりベッドに寝たきりになる傾眠
- 動作が緩慢になる
- 声がしわがれる
この他にも、冷え性の悪化や発汗の減少、肌の乾燥がひどくなるといった症状もあります。
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甲状腺機能低下症のとき採血のTSHの数値は?
正常値は、0.34~3.5μlU/mlですが、甲状腺機能低下症の場合は異なるのです。
- 原発性(甲状腺性)=正常値よりも高い
- 二次性(下垂体性)=正常値よりも低い
- 三次性(視床下部性)=正常値よりも低い
このように、甲状腺機能低下症の各原因となる病変部位によって、TSH(甲状腺ホルモン)の数値は正常値よりも高くなったり低くなったりします。
甲状腺機能低下症の治療は?食事は?
甲状腺機能低下症の治療
甲状腺機能が低下している場合は、分泌力が低下してしまった
- 甲状腺ホルモンを服薬によって補う
ことになります。
ただし、高齢者や心臓疾患がある人や甲状腺機能の低下率が大きい人については、服薬量を少なめにして治療開始します。これは、服薬することによって生じる心臓への負担を過度にしないためですね。
様子を見ながら徐々に服薬量を増やして、患者一人一人に応じた適量を見定めることになるのです。
甲状腺機能低下症の食事は?
摂った方が良い食品は?
- 甲状腺ホルモンを作る素にもなるチロシンを多く含む食品(豚肉、鶏肉)
- エネルギー代謝に役立つビタミンBを多く含む食品(きのこ類、玄米、雑穀、全粒穀類)
- 良質な脂肪分でもあるオリーブオイルやココナッツオイル
摂るのを控えた方がよい食品は?
- 未発酵の大豆食品(豆腐や豆乳など):甲状腺ホルモンの働きを阻害するゴイトロゲンを含むため。。
- ナッツ類の薄い皮:同様にゴイトロゲンを含むため。
- ヨードを多く含む食品:過剰摂取には注意。
まとめ
甲状腺機能低下症の症状には、
- 浮腫や筋力低下
- アキレス腱反射の回復相遅延
- 心拡大や心囊液貯留、
- 徐脈
- 傾眠
- 動作の緩慢
- 声のしわがれがあります。
このような症状の原因が甲状腺機能低下症である場合は、採血検査によるTSH(甲状腺ホルモン)の数値が、正常値よりも高かったり低かったりするのです。
そのため、甲状腺機能低下症の治療には、不足している甲状腺ホルモンを服薬によって補う方法があります。
また、食事については、甲状腺ホルモンに良い影響を与えるチロシンやビタミンBを多く含む食品を摂るようにすると良いですね。逆に、甲状腺ホルモンの働きを阻害する成分を含む食品を摂るのは控えることも大切になります。