健康診断が近づいてくると、検査に備えて何らかの準備が必要な事も出てきます。
その中で、検査によっては前日から飲酒を控える様にとの指示がでる場合もあります。
しかし、健康診断前日に飲酒した場合は検査結果に影響を及ぼすのでしょうか?
また、少量の飲酒でも問題があるのでしょうか?
そこで今回は、
- 健康診断前日の飲酒の検査結果への影響
- 健康診断前日の飲酒は少量でもいけないのか、当日は?
- 健康診断で飲酒は何日前からやめるべきか
- 健康診断後の飲酒は?
- 飲酒以外にも注意すること
以上についてまとめました。
健康診断の前日の飲酒は?検査結果に影響するの?
検査によっては、前日に飲酒をすることで正しい数値が検査結果に出ないことがあるからです。
それでは、以下の検査と飲酒の関係について説明していきます。
- 胃カメラ
- 血液検査
- MRI
胃カメラ
飲酒により傷付いた胃の粘膜に、胃カメラでさらに刺激を与えることになり、場合によっては胃の機能にまで害を及ぼす可能があります。
それに加え、検査時に鎮静剤を使用する事もありますので、前日に飲酒をすると鎮静剤が効き過ぎてしまうこともあります。
以上の様な理由から飲酒は控えるようにして下さい。
血液検査
検査前日に飲酒する事で特に血液検査や尿検査の検査結果に影響を及ぼす場合があります。
その中でも検査結果に影響を与える可能性があるのは、中性脂肪、肝機能、尿酸、血糖となります。
飲酒することで、血液中のアルコール濃度が上がり、数時間から半日ほどの時間を要して上がっていたアルコール濃度が元に戻ります。
少量の飲酒であれば影響が出ないことが多いですが、同時間に同量の飲酒をしたとしても、影響が出る人と出ない人がいます。
この様にあくまで個人差があるため飲酒は控えるようにして下さい。
MRI
上腹部(特に胆道系)検査でなければ問題はありませんが、遅い時間の飲食は控えてください。
また、病院から飲酒を止められていないのなら検査後はお酒を飲んでも大丈夫です。
関連記事)
健康診断前日の飲酒は少量でもいけないの?当日はどう?
前日の飲酒
少量の飲酒であっても検査結果に影響を及ぼす可能性がありますので、検査前日の飲酒も控えるようにして下さい。
当日の飲酒
当日の飲酒は、少量であっても絶対に避けて下さい。
これは、前途でお伝えしたようにアルコールを分解するには時間がかかるためです。
健康診断で飲酒は何日前からやめればいい?
普段から飲酒の頻度が多い方は、体内のγ―GTP(ガンマ・ジーティーピー)の数値が高くなっています。
このγ-GTPとは、病気を調べるための指標となるもので、数値が高いと以下のような病気の可能性が疑われます。
- 肝炎
- 肝硬変
- 肝胆石臓がんなど
γ―GTPの正常値は成人男性で50以下、成人女性で32以下と国際単位で定まっています。
もしこの数値が50以上あったとしても、100以下の場合は、禁酒をすることで正常値に戻ります。
しかし、毎日飲酒をする習慣のある方はアルコール性脂肪肝の状態になっているので、この数値が下がりにくくなっています。
また、この値は年齢を重ねるごとに下がりにくくなるりますので、毎日飲酒される方や、年齢が高めの方は健康診断の前に余裕を持って禁酒する必要があります。
この目安は2週間前とされ、このくらい前から飲酒をやめれば、γ―GTPの値は少しずつ下がってきます。
この様に禁酒することで健康診断の結果が正常値になっていればいいですが、もし正常値ではない場合は、何らかの病気の疑いがありますので、精密検査をしっかりするようにして下さい。
普段から節酒を心掛けることが大事です。
健康診断後の飲酒はどう?
健康診断が終わった開放感から「今晩はお酒が飲める!」と思われる方も多いと思いますが、バリウム検査をされた方は、排便を促すために普段より多くの水分を摂る必要があります。
お酒も水分!と思われるかもしれませんが、お酒には利尿作用がありその水分は腸に届かず排尿されますので便秘になりやすくする可能性もあります。
ですから、健康診断前日と同様に健康診断後の飲酒もほどほどにして下さい。
関連記事)
飲酒だけでなく、喫煙や糖質が含まれる飲料水、カフェインにも注意!
- 喫煙
- 糖質が含まれる飲料水
- カフェイン
喫煙
喫煙される方は、飲酒と同様に前日から禁煙するようにして下さい。
これは、タバコに含まれているニコチンに血管を収縮さる働きがあるので、血圧検査の結果に影響を及ぼす可能性があるためです。
糖質を含む飲料水
血液検査では、血液中の血糖値などを測定します。
そのため、清涼飲料水などの、糖類が多く入った飲料は血糖値を上昇させ血液検査の結果に影響を与える場合もあります。
このようなことから、糖質を含む飲料水を過度に摂る事を控え、検査当日の朝に摂取しないようにして下さい。
カフェイン
カフェインを多く含む飲み物も、検査前日に過剰に摂ったり、当日の朝に飲むことは控えるようにして下さい。
まとめ
- 健康診断の前日の飲酒は検査内容によっては検査結果に影響する。
- 少量の飲酒であっても検査結果に影響を及ぼす可能性があるので、検査前日の飲酒も控える。
- 健康診断当日の飲酒は絶対に控える。
- 普段飲酒習慣があり、γGTPが高い人の数値を正常化させるには2週間程度かかる。
- 健康診断のバリウム検査後は飲酒しないほうがよい。
- 飲酒だけでなく、喫煙や糖質を含む飲料水、カフェインにも注意が必要である。
健康診断に備えるために飲酒を控えるのは大切なことです。
長い目で考えるとその時期だけ禁酒や節酒をするのではなく、ご自分の健康を考え、普段から飲酒量を控えるように心掛けて下さい。
また、健康診断に際し、寝不足や疲労の状態にあると、血液検査や尿検査で正しく診断されない場合もありますので健康診断の前日は十分な睡眠をとる様にして下さい。