どんなオプションを受けたらいいんでしょうか?
50代以上になると何かと不調が出やすいですよね。
実際に50代の方が、かかりやすいがんの罹患数だけを見ても、30代、40代よりもさらに多くなっています。1)
基本の人間ドックだけでは、見つけることができない病気もたくさん出てくるのです。
そんな不安を抱えるあなたのために、50代以上の方が人間ドックにプラスしてつけておきたいオプションについて、徹底的に調べましたよ。
今回は
- 50代、60代、70代の方にそれぞれ年齢別オススメのオプション
- オプションを受ける頻度
これらについてわかりやすく説明しますね。
ぜひ最後までご覧ください。
50代以上の方にオススメのオプションは?
50代から60代になると、どんどんリスクの高くなる病気が増えてきます。
一方70代以上になると、罹患のピークを迎えるものもありますが、逆にリスクが低くなってくる病気もあるのです。
では、50代の方からです。
50代の方が受けておきたいオプション
※参考書籍:本当は怖い!健康診断&人間ドックp.6-7の表を改変
50代の方がぜひ受けるべき検査は以下です。
- 胃がん→胃カメラ
- 肺がん(喫煙者)→胸部CT・胸部X線
- 大腸がん→大腸カメラ(大腸内視鏡)
- 乳がん→マンモグラフィー・乳腺超音波検査
- 子宮がん→子宮頸がん検診・子宮体がん検診
できれば受けた方がよい検査は以下になります。
- 肺がん(非喫煙者)→胸部CT・胸部X線
- 前立腺がん→PSA検査
これらは、参考書籍「本当は怖い!健康診断&人間ドック」2)の情報に、さらに50代で発病した方の推計値1)から考えたオススメオプションです。
あくまでもひとつの目安として参考にしてくださいね。
50代の方は、40代の頃に比べてぜひ受けるべき検査が増えてきます。
ぜひ受けるべき検査とできれば受けた方がよい検査に分けて説明しますね。
50代の方がぜひ受けるべき検査
では、50代の方がぜひ受けるべき検査についてそれぞれについて説明しますね。
胃がん・大腸がん
50代になると、胃がんと大腸がんのリスクが男女ともに急激に上がります。
40代に比べると、男女ともに患者数が倍増しており、50代後半にはさらに増加するのです。1)
50代になったらぜひこれらの検診を定期的に受けておきましょう。
肺がん(喫煙者)
肺がんも胃がん・大腸がんほど多くはありませんが、徐々に増えてきます。
喫煙している方はとくに、肺がんの検査を受けておくと安心ですよ。
乳がん
乳がんの罹患数は、40代頃に急激に増えて、50代もそのまま横ばいという感じです。1)
ぜひ定期的に受けておきましょう。
子宮がん
子宮がんは以下の二種類です。
- 子宮頸がん
- 子宮体がん
子宮頸がんは、40代後半をピークに徐々に減少傾向になってきます。
それとは対照的に子宮体がんは、40代後半を境に60代前半頃まで増え続ける傾向です。
罹患する割合も50代になると子宮体がんの方が圧倒的に多くなります。
ですから、50代以降は、子宮体がんの検査を主にしておくとよいでしょう。
できれば受けた方がよいオプション
肺がん
喫煙されている方は、肺がんの検査を受けるべきとなっていますが、50代からは急に肺がんリスクが高くなってきます。1)
喫煙されていない方でも、周りに喫煙者がいたりして受動喫煙が気になるという方は受けておいた方が安心です。
前立腺がん
男性の場合は、前立腺がんのリスクが高くなってきます。1)
50代前半から徐々に増えはじめ、50代後半から急激に増加してきますので、まずは、血液検査のPSA検査を受けてみましょう。
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6o代の方が受けておきたいオプション
※参考書籍:本当は怖い!健康診断&人間ドックp.6-7の表を改変
60代は発がんリスクがピークになり、1)ぜひ受けておきたい検査が増えてきます。
ぜひ受けるべき検査は、以下です。
- 胃がん→胃カメラ
- 大腸がん→大腸カメラ(大腸内視鏡)
- 肺がん(喫煙者・非喫煙者ともに)→胸部CT・胸部X線
- 乳がん→マンモグラフィー・乳腺超音波検査
- 子宮がん→子宮体がん・子宮頸がん検診
- 骨粗鬆症(女性)
できたら受けておいた方がよい検査は以下になります。
- 脳→MRI
- 前立腺がん(男性)→PSA検査(血液検査)
- 骨粗鬆症(男性)
では、60代の方がぜひ受けるべき検査とできれば受けておきたい検査に分けて説明しますね。
60代の方がぜひ受けるべき検査
男女共通で受けたい検査と男女別で詳しくみていきましょう。
胃がん・大腸がん・肺がん
胃がん・大腸がんは、男女ともにさらにリスクが高くなるため、50代に引き続き受けるべき検査となります。
ただし、大腸内視鏡については、ポリープができても進行が遅いため、異常がなければ毎年受ける必要はありません。
頻度についてはのちほど詳しく説明しますね。
また、肺がんについても、60代は、さらに肺がんリスクが高くなります。1)4)
喫煙者・非喫煙者ともに受けておきましょう。
女性の場合
女性の場合は、50代と同様に、乳がん・子宮がんのリスクが高いので、受けるべき検査となっています。
子宮がんに関しては、60代になると、子宮頸がんよりも子宮体がんの割合が増加傾向です。1)
子宮体がんの検査を主にしておくと安心でしょう。
骨粗鬆症については、閉経すると骨量が減少するため、60代頃から徐々にリスクが高くなるので注意が必要です。
ですから、60代以上の女性は受けるべき検査となります。
では次に、受けた方がよい検査についてです。
できたら受けたほうがよい検査
60代の方ができたら受けた方がよい検査について男女共通のものと男性の場合に分けて説明しますね。
脳ドック
脳ドックに関しては、男女ともに受けた方がよいということになっています。
受けた方がよい方はとくに、高血圧や糖尿病などの持病がある方です。
詳しくは、「高血圧や糖尿病などの持病がある方」こちらをご覧ください。
男性の場合
男性の場合は、50代に引き続き、前立腺がんのリスクが増加し続けます。
前立腺癌の検査もできれば受けておきましょう。
また、男性も骨粗鬆症のリスクが高くなってきますので、気になるという方は受けておいた方がよいでしょう。
70代の方が受けておきたいオプション
※参考書籍:本当は怖い!健康診断&人間ドックp.6-7の表を改変
70代になると、リスクの低くなる疾患があり、受けるべき検査が少し減ります。
ぜひ受けるべき検査は
- 胃がん
- 大腸がん
- 肺がん(喫煙者・非喫煙者)
- 乳がん
- 骨粗鬆症(女性)
- 前立腺がん
できるだけ受けた方がよい検査は
- 脳
- 子宮がん
- 骨粗鬆症(男性)
以上です。
まずは、ぜひ受けるべき検査から説明しますね。
70代の方がぜひ受けるべき検査
では、70代の方がぜひ受けるべき検査で男女共通のものと男女別で説明していきます。
まずは男女共通のものからです。
胃がん・大腸がん・肺がん
男女共通の検査では、胃がん・大腸がん・肺がんはまだまだリスクが高くなっています1)ので、オプションとしてつけておくことをオススメします。
ただし、大腸内視鏡については、ポリープができても進行が遅いため、異常がなければ毎年受ける必要はありません。
頻度については、のちほど詳しく説明しますね。
女性の場合
乳がんは、発症のピークはすぎていますが、まだまだリスクが高く、40代50代と同じくらいの水準です。
ぜひ受けておくことをオススメします。
骨粗鬆症については、70代以降、急激に大腿骨骨折の患者数が増えてきますので注意が必要です。5)
骨折は寝たきりの原因にもなりますので、チェックしておきましょう。
では、次に70代の方が、できれば受けておいた方がよい検査についてです。
男性の場合
前立腺がんは70代前半にピークを迎えます。
ぜひ受けておきましょう。
できたら受けた方がよい検査
こちらも男女共通のものと男女別で説明しますね。
脳
男女共通で受けた方がよいオプションは脳ドックです。
受けた方がよい方は、高血圧や糖尿病などの持病がある方になります。
詳しくは、「高血圧や糖尿病などの持病がある方」こちらをご覧ください。
女性の場合
子宮がんは、子宮頸がん・子宮体がんともに、減少傾向です。
ただし、70代の場合は、子宮体がんは子宮頸がんよりも発症しやすいので、もし受けるのであれば子宮体がんを主に受けた方がよいでしょう。
男性の場合
骨粗鬆症について、男性の場合は、女性よりもリスクが低くなっています。
しかし、年齢と共に患者数が増えてきますので、受けておくと安心ですよ。
オプションを受ける頻度
ここまで各年代で、ぜひ受けるべきオプションと、できたら受けた方がよいオプションについて説明しました。
でも、オプションの受診頻度が気になりますよね。
ここでは、それぞれのオプションの受診頻度について説明しますね。
1年に1回の受診
1年に1回の受診が推奨されている検査は以下です。
- 肺がん
肺がん検診は、厚生労働省によると、40歳以上は1年に1回の頻度で受診することが推奨されています。3)
とくに、喫煙されている方はぜひ受けておきましょう。
関連記事)PET検査における肺がんの診断は?
2年に1回の受診
厚生労働省が推奨する2年に1回受診するべき検査は以下です。
- 胃がん
- 子宮がん
- 乳がん
3年に1回の受診
3年に1回の受診は以下になります。
- 大腸カメラ(大腸内視鏡)
大腸がんは、ポリープができても進行の遅いことが多いため、受診頻度は3年に1度程度でよいと言われています。6)
それ以外の時は、1年に1度の便潜血検査はしておきましょう。
ただし、複数のポリープが見つかったり、血縁者に大腸がんの方が多い場合などは、1〜2年に1回の受診がオススメです。
とくに大腸がんは、自覚症状が無いまま進行していく場合が多く、症状に気付いた時にはかなり進行している場合が多いといわれています。
転移していないステージ2の段階ですと、5年後の生存率が80%以上です。7)
早期発見・早期治療がポイントですので、男女ともに、50代からは受けておくべき検査になります。
大腸内視鏡について詳しくはこちら→大腸内視鏡でわかる病気は?検査すべき年齢や症状は?
1年〜3年に1回の受診
1年〜3年に1回の受診が推奨されている検査は以下です。
- 前立腺がん
前立腺がんの検査(PSA検査)の基礎値が、その後のがんの罹患率に関連していることがわかっています。
PSA検査の基礎値によって推奨される受診頻度が違います。8)
下記を参考にしてください。
- 1.1-3.0ng/mlの場合は1年に1回
- 0.0-1.0ng/mlの場合は3年に1回
1年〜5年に1回の受診
1年〜5年に1回の受診が推奨されている検査は以下です。
- 骨粗鬆症
骨粗鬆症の検査は、年齢や検査の数値によって受診間隔が違ってきます。9)
以下を参考にしてください。
- 軽度の骨密度低下(T-score -1.01〜1.49)
- 中度の骨密度低下(T-score -1.50〜1.99)
- 重度の骨密度低下(T-score -2.00〜2.49)
この結果と年齢によって受診頻度が変わってきます。
たとえば、70歳で中度の骨密度低下であれば、5年に1回。
85歳であれば3年に1回。
重度の骨密度低下であれば1年に1回。
という具合です。
検査後、次に検査する間隔について、医師に聞いておくとよいでしょう。
3〜5年に1回の受診
- 脳ドック
脳ドックは、一度受けて異常がなかった場合は、3〜5年に1度が目安です。
もし、動脈瘤や無症候性の脳梗塞などが見つかった場合は、1〜2年に1度受けるように指導されることもあります。10)
参考:
1)国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』
2)本当は怖い!健康診断&人間ドック 大竹真一郎著 p6-7
3)厚生労働省 がん検診の種類
4)国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』
5)骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版 p.4-5
6)知っておきたい胃腸のお話
7)日本消化器学会HP
8)前立腺がん検診ガイドライン2010年増補版p.9
9)萩野 昇 骨密度検査はどのくらいの間隔で行うべきか?p.84
10)広島大学 脳神経外科HP
まとめ
今回の内容をまとめます。
- 50代〜70代の方が受けておきたいオプションについて
- オプションの受診頻度
- 1年に1回→肺がん
- 2年に1回→胃がん・乳がん・子宮がん
- 3年に1回→大腸カメラ(大腸内視鏡)
- 1〜3年に1回→前立腺がん
- 1〜5年に1回→骨粗鬆症
- 2〜3年に1回→脳ドック
いかがでしたか?
50代以上になると、がんの罹患率が急激に高くなってきます。
病気は早期発見・早期治療が鍵です。
それぞれの年代に合わせた検査を適切に受診して、健康を維持しましょう。