その一つであるシーハン症候群について説明しますね。
稀に、男性でもなりますので症状があれば注意が必要です。
シーハン症候群(Sheehan syndrome)とは、下垂体機能が低下することによって起こる症状で、出産などをきっかけにして発病してしまうこともある病気です。
今回は、このちょっと耳慣れない病気についてのお話しです。
- シーハン症候群(Sheehan syndrome)の症状は?
- シーハン症候群(Sheehan syndrome)の原因は?
- 検査方法や治療法まとめ
以上です。
それでは始めます。
シーハン症候群(Sheehan syndrome)の症状は?
症状は低下するホルモンによっても変化します。
- LH(ゴナドトロピン)
- FSH(卵胞刺激ホルモン)
- GH(成長ホルモン)
- TSH(甲状腺刺激ホルモン)
- ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)
- PRL(プロラクチン)
LHとFSHの低下は、エストロゲンとプロゲステロンの低下を表します。
FSH・LHの低下で起こる症状
- 月2度の無月経
- 性欲低下
- 乳房・性器の委縮
- 骨粗しょう症
- 基礎体温が低温相だけ
- ED
- 男性不妊
ACTHが低下することで起こる症状
- 疲労感
- 低血糖
- 低ナトリウム血症
- 低血圧
- 毛が抜ける
PRLの低下で起こる症状
- 乳汁分泌の低下
TSHの低下で起こる症状
- 冷え
- だるさ
- 便秘
- 皮膚が乾燥する
GHの低下が原因で起こる症状
- 筋力低下
- 体脂肪増加
- 成長不良
シーハン症候群(Sheehan syndrome)の原因は?
分娩時の大量出血
女性の場合は、出産時に大量出血など重篤な産後ショックがあった方の15%に発症すると言われています。
なぜなら、もともと母体の妊娠末期の下垂体は通常の2倍に増大しているのですが、その時必要になる血液の量も増えています。
それが、分娩時に一気に出血してしまうことがあります。
その時に下垂体前葉が虚血となり、壊死を生じてしまうことでシーハン症候群を発症してしまうのです。
また、分娩時には出血を抑える機構も働きますがその時下垂体の血管が痙攣のような症状を起こし、その時多数の血栓が出来てしまいます。
そして血が下垂体に届かなくなり、下垂体前葉が壊死してしまいます。
男性の場合は?
男性の場合は脳手術や脳腫瘍、放射線治療などが原因で引き起こされます。
検査方法や治療法は?
検査方法
まずは問診で既往症の確認を行った後、血液検査によってホルモンの分泌量を測定します。
またMRI検査も行い、トルコ鞍空洞と呼ばれる空洞が見える場合にシーハン症候群と診断されます。
トルコ鞍空洞とは
トルコ鞍(あん)とは脳下垂体の直下にある骨のことです。
この骨を撮影した時に空洞に見えることです。
治療法
治療法はホルモン別にあります。
- 甲状腺刺激ホルモンが不足→サイロキシンの補充療法
- 副腎皮質ホルモン不足→コルチゾールの補充
- 無月経や更年期の症状→カウフマン療法
カウフマン療法とは
自然なホルモンバランスの変化を薬物療法などによって作り出す方法です。
基礎体温を2相性に戻すなどの治療です。
また子供を希望する場合は排卵誘発法が行われます。
この治療は長期になることを覚悟する必要があります。
まとめ
- シーハン症候群(Sheehan syndrome)の症状は多岐にわたり、低下しているホルモンによって違いがある
- シーハン症候群(Sheehan syndrome)の原因は女性の場合は分娩時の大量出血、男性の場合は脳手術や脳腫瘍、放射線治療などがある
- シーハン症候群(Sheehan syndrome)の検査は血液検査とMRIにによって行われる
- 治療は不足しているホルモンの補充がメインである
いかがでしたか?
今回はシーハン症候群についてのお話しでした。
男女ともに既往症がある場合は注意すべき疾患です。
もしおかしいな、と思ったら病院で検査を受けてみてください。