クッシング病(Cushing’s disease)とは厚生労働省が指定難病とする難病の1つで、クッシング症候群(Cushing’s syndrome)の中でも下垂体腺腫と呼ばれる腫瘍が原因で起こる疾患のことです。ちなみにこのクッシングという名前はこの病気を発見したアメリカの医師の名前です。
今回はこのクッシング病についてのお話しです。詳しい内容はこちら。
- クッシング病の症状は?どんな病気?
- クッシング病の原因は?
- クッシング病の治療法は?
以上です。それでは始めます。
クッシング病の症状は?どんな病気なの?
クッシング病の症状
それではまずはクッシング病にかかるとどのような症状が出るのか説明します。具体的な症状は以下の通りです。
- 高血圧
- 月経異常
- 骨粗鬆症
- 肥満
- 鬱状態
- ニキビ
- 皮膚が薄くなる
- 顔が丸くなる
- 多毛
- 筋力低下
- 色素沈着
などがあります。
どんな病気なの?
この病気の特徴的な症状としては皮膚が薄くなってきて血管が浮き上がってくる、ということと、顔が満月の様に丸くなるということなどが挙げられます。
皮膚が薄くなってくるために出血が起こりやすくなり、皮膚がだんだん黒っぽくなってきたりします。また肥満の症状もありますがこの病気の場合はお腹の部分だけがやけに太ってくる、という特徴があります。
放置したらどうなる?
放置をしていると病気が進行してきます。病気が進行すると感染に弱くなってきて糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病と合併症をおこすこともあります。また敗血症で亡くなってしまうこともある病気です。
また鬱状態もひどくなるため、記憶力の低下なども起こります。
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クッシング病の原因は?
冒頭でも少し触れましたがクッシング病とはクッシング症候群の中でも下垂体腺腫に原因があるものを指します。下垂体腺腫についてお話しします。
下垂体腺腫とは
下垂体とは脳の底にある器官で、ホルモンの分泌を行う臓器です。下垂体腺腫とはこの下垂体に出来る腫瘍のことで、良性の腫瘍です。下垂体腺腫は大きく分けて2つあります。
- 機能性下垂体腺腫・・・ホルモン過剰による症状を起こす
- 非機能性下垂体腺腫・・・ホルモンを分泌しない
このように分類されますが大きさでも分類され、大きさが1センチ以上ならマクロアデノーマ(Macroadenoma)、1センチ以下ならミクロアデノーマ(Microadenoma)と呼びんでいます。
クッシング病を起こす下垂体腺腫はACTHと呼ばれるホルモンを産生する腫瘍で、クッシング病はこのACTHの過剰分泌によって起こると考えられています。
クッシング病の治療法は?
まずは手術を行うことが理想
下垂体腺腫が原因で起こる病気ですので下垂体腺腫を摘出することが最優先ですが、この下垂体腺腫は小さく、検査でも見つけづらいことが多く、大変難しい手術になるのです。
もし摘出に成功しても再発が起こることもあります。その場合は再手術です。
薬による治療
手術がうまくいかない場合は薬による治療になります。しかしこの病気の原因と思われるACTHを抑える薬がない為、効果がありそうなものを試していくか、クッシング症候群の原因の1つであるコチゾールの過剰分泌を抑える薬を投与する場合もあります。
放射線治療を行う場合もありますが、この場合副作用として下垂体の機能が損なわれる可能性があるため、放射線を行う時は細心の注意を払って行います。
いずれにしろ難しい治療になります。
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まとめ
- クッシング病とは厚生労働省の指定難病である
- クッシング病とは下垂体腺腫が原因で起こるを考えられている
- クッシング病を放置すると感染に弱くなり、様々な合併症を起こしやすくなる
- クッシング病の治療は手術が最優先だが難しい場合は薬物治療も行う
いかがでしたか?今回はクッシング病についてのお話しでした。この病気はまだ解明されていない部分が多く、治療も難しいのが現状です。もし何かおかしいと思ったら速やかに病院で治療を受けましょう。