狭窄した冠動脈を広げる目的で、冠動脈にステントを留置することがありますが、このステント周囲に形成された新生内膜により、ステント内に再狭窄が起こることがあります。

今回は、どのようなステントに再狭窄をきたしやすいのか、またその再狭窄をどうやって評価するのかなどについてまとめました。


どのようなステントに再狭窄を来たしやすい?

再狭窄を来たしやすいのは、内膜増殖を防ぐ薬剤が塗布されていないステントです。

ただし、内膜の増殖を防ぐ薬剤が塗布されたステント(これをdrug eluting stent:DESといいます。読み方はデスです。)であっても、留置後1-2年でステントを挿入した箇所に血栓が付着しやすいことが知られています。これを遅発性ステント血栓症と言われています。

ですので、急性期心筋梗塞では、このDESを用いるかどうかについては、意見が未だに別れるところでもあるのです。

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ステントの再狭窄をどうやって評価するの?

Woman (5)ステント内に再狭窄が起こっていることを画像で評価する必要がありますが、その方法は一般的に、心臓血管造影です。心臓血管造影は、手の血管内にカテーテルを入れて、エックス線透視の下で検査をしますので、侵襲性のある検査です。

近年の心臓CTの技術の向上により、ある程度までは非侵襲的に評価できるようになりました。ただし、心臓CTにも弱点があり、石灰化が強い場合や、アーチファクトの問題もあります。

また解像度はやはり血管造影にはまだまだ劣るのも現状です。

ですので、留置してきたステントの径によって、大きいものは見えるけど、小さいものは見えないということが生じます。現在では径3mm以下のステントはCTで評価するのは不適切とされています。

ステント再狭窄の分類は?

d81ab8ef19685c8101e089ebcc25e1b4_sMehranらは、冠動脈造影のパターンからステント再狭窄を4つに分類しました。

  • Class Ⅰ:狭窄長が10mm以下 (4割)
  • Class Ⅱ:狭窄長が10mm以上だがステント端は超えない。(2割)
  • Class Ⅲ:狭窄長が10mm以上でステント端を超える。(3割)
  • Class Ⅳ:完全閉塞。(1割弱)

CTで評価する場合、新生内膜はステント内で低吸収域として描出されますので、それで狭窄の程度を評価します。

最後に

ステント留置後は、定期的な受診によりフォローし、再評価することが大事です。ただし、胸痛などの症状が再び生じた場合は、受診予定日でなくても、受診するようにしましょう。




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