腸炎にはウイルス性腸炎と、細菌性腸炎があり、前者の頻度が圧倒的に多いとされます。ところが、重症度は後者の細菌性腸炎の方が高く、注意が必要です。

よくあるウイルス性腸炎だろうと、油断をしていると実は細菌性腸炎だった、ということは避けたいものです。特に夏の時期には食中毒には注意が必要です。

そこで今回は細菌性腸炎についてまとめました。

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細菌性腸炎の原因菌は?

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細菌性腸炎の原因としてはどのような菌がありますか?
医師
以下のような菌が細菌性の腸炎を起こします。
  • カンピロバクター
  • ビブリオ
  • エルシニア
  • 腸管侵襲性大腸菌
  • サルモネラ
  • 赤痢
  • クロストリジウム・ディフィシル
  • 赤痢アメーバ

中でも最も頻度が高いのはカンピロバクターです。

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細菌性腸炎の症状は?

細菌性腸炎の症状にはどのようなものがありますか?
医師
以下の4つが重要です。
  • 粘血便
  • 高熱
  • 激しい腹痛
  • しぶり腹

この4つが特徴とされます。一方で、大量の水様便や吐き下しはウイルス性腸炎の特徴とされ、鑑別のポイントとなります。

また細菌性腸炎の場合、便に白血球を認める点も特徴です。

医師
ウイルス性の下痢は水のような下痢、細菌性の場合は、血液が混じっていたりドロドロした下痢が特徴です。

しぶり腹とは?

しぶり腹とは、便意があってトイレに行くけれども、トイレに行ってみても便は出ないという状態を繰り返すような状態です。英語ではtenesmusと言います。

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細菌性腸炎の潜伏期間は?

潜伏期間は細菌性腸炎の場合食べてから1-7日と言われています。

そんなに長いんですね。何を食べたか忘れそうですね。
医師
ちなみに毒素なら食べて4-6時間で症状が出ると言われています。
原因菌 潜伏期間 原因食 発熱
腸炎ビブリオ 平均10時間 魚介類、その加工品 軽度あり。
サルモネラ 平均12-24時間 鶏肉、卵 高熱
カンピロバクター 2-5日 鶏肉、牛肉、牛乳 あり。
病原性大腸菌 平均24時間 牛肉 あり。

カンピロバクター腸炎とは?原因は?

細菌性腸炎の原因菌で最も多いのは、

  • カンピロバクター(Campylobacter)

です。

カンピロバクターはグラム陰性菌でらせん状桿菌に分類されます。カンピロバクターには

  • Campylobacter jejuni
  • Campylobacter coli
  • Campylobacter fetus

などの菌種がありますが、中でも最も頻度が高いのは、Campylobacter jejuniで、これが大部分を占めます。

カンピロバクターに感染する原因で最も多いのは鶏肉です。焼き鳥屋で鳥刺しを食べてカンピロバクターに感染するというのはよくある話です。

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細菌性腸炎の治療薬は?

まず基本的に下痢に対しては下痢止めは使わないのが原則です。下痢は辛いですが、出した方が良いとされています。

また下痢や嘔吐で脱水が起こっていますので、脱水の補正が必要です。

抗生物質はいかがでしょうか。マクロライド系の抗生物質が有効であるとされてきましたが、抗生物質は使わないこともあります。

というのは、カンピロバクター腸炎に対してマクロライド系であるエリスロマイシンと何も抗生物質を使わずに比較したところ治療の結果に差がなかったと報告されているからです。(Lancet.1982 Jan 16;1(8264):131-132)

これはカンピロバクターに限らずであり、細菌性腸炎の治療に抗菌薬は原則出さないという考えもあります。しかし、実際の医療の現場では出されることもしばしばあります。

例としてはホスホマイシンなどの抗生物質が出されます。

最後に

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今回は細菌性腸炎についてまとめました。腸炎の大半はウイルス性ですが、症状が強い場合や、下痢が水のような水様便でなくドロドロした便の場合、細菌性腸炎の可能性があり注意が必要です。

細菌性腸炎の治療では、ウイルス性の治療に加えて、抗生物質の投与がされることがありますが、必要ないという考えも最近ではあるようです。

食中毒が起こりやすい夏の季節などは特に注意が必要ですね。

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