時代劇等でよく耳にする「梅毒」という病気をご存知ですか?

梅毒とは、トレポネーマ・パリダムと呼ばれる病原微生物によって起こる病気です。

その歴史を振り返ると、ペニシリン(抗生物質)が世の中に出回る戦後まで完治できない性病で、多くの人が命を落としてきました。

しかし、患者の数は激減しましたが、現在でも潜在的な感染者はかなりいるのが現状です。

 

今回は、近年の感染者数の増加により注目される梅毒(英語表記で「syphilis」)について

  • 検査値
  • 症状
  • 感染経路
  • 注意点

などをまとめました。

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梅毒とは?

梅毒って花魁などが出てくる時代劇でよく聞く病名だけど、どんな病気?

梅毒の病原体は、トレポネーマ・パリダムというもので、性感染症の一つとなります。

細菌と原虫の中間に属する微生物の一種で、スペロヘータといい、そのうち病原性をもつものをトレポネーマ科と呼び、梅毒もその一種です。

syphilis A

  • 梅毒の感染の可能性がある場合
  • 内視鏡検査・手術・輸血などの際に患者や医療従事者が感染しないため
  • 妊婦

などの場合に検査されますが、とくに母子感染の危険性も高いとされ、妊婦にこの梅毒検査は欠かせないとされます。

梅毒は結核と共に一昔前の病気と思われがちですが、近年その患者数は増えてきており、侮ることはできません。

梅毒の検査値は?

どんな結果が出ると、問題なの?

検査にあたっては病原体そのもの、またはその成分を抗原として用いる方法(TP)、脂質を抗原物質として用いる方法(STS)がありますが、一般には後者が用いられています。

医師
検査結果は、梅毒が検出されると、陽性ということに・・・。

基本的には、

  • 検査の結果抗体がないときは陰性(-)と表示され、正常
  • 抗体のあるときは陽性(+)と表示され、異常

となります。

syphilis1

ただし、梅毒以外(例えば種痘後のウイルス性肺炎・肝硬変・各種の膠原病)でも疑陽性や陽性とでたら梅毒反応の定量検査を受けることで明確になりますので、陽性=梅毒と決めつけるのは早計です。

医師
血清学的検査法(血液検査)で行われる梅毒検査ですが、検査の測定法を細かく分けると・・・
  • 梅毒定性(ガラス板法・RPR・TPHA)
  • 梅毒定量(ガラス板法・RPR・RPR(LA)・TPHA・TPLA)
  • FTA-ABS(FA)

などがあります。

医師
測定法ごとの検査値はこちら。

梅毒定性

  • ガラス板法
  • RPR
  • TPHA

すべて陰性だと問題なし。

梅毒定量

医師
再検査として、診断確定のために行われるのが定量検査です。
  • ガラス板法→1倍未満だと陰性
  • RPR→1倍未満だと陰性
  • RPR(LA)→0.9RU以下は陰性・1.0RU以上だと陽性
  • TPHA→80倍未満だと陰性
  • TPLA→9.9TU以下だと陰性・10.0〜19.9TUだと保留・20.0TU以上だと陽性

FTA-ABS

FA→陰性だと問題なし。

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梅毒の症状は?

どんな症状が出るの?

梅毒の症状は四段階に分けられ、治療をせずに放置すると、年月の経過と共に進行していく特徴があり・・・

syphilis2

  • 第1期梅毒=性交によって感染すると、初期症状として、20日前後に陰部に小指ほどのしこりが形成される
  • 第2期梅毒=60日ほど経つと、体中に発疹・リンパ腺腫張など(バラ疹・梅毒性丘疹・扁平コンジローマ・乾癬など)
  • 第3期梅毒=3年ほどで1~3センチの扁平の肉芽腫が皮膚・心臓・大動脈などにできる
  • 第4期梅毒=10年以上では脳などの中枢神経系が犯される

そして、最後には死に至ることもあります。

医師
早期発見、早期治療の重要さがお分りいただけますよね?

また、不妊の原因となったり、妊娠中や出産時に赤ちゃんに影響を及ぼすこともあります。

梅毒の感染経路は?

何が原因で感染するの?

性行感染が主となりますが、ごく稀に先天梅毒もあります。

医師
妊婦が感染していた場合、出産時に赤ちゃんに感染することも・・・。

以前は、輸血によって感染することもありましたが、現在そのような危険はありません。

梅毒検査の検査で注意すべき点は?

梅毒に感染していなければ陰性(-)となりますが、一般に感染してから約2~3週間たたないと、陽性にはなりません。

そのため、感染がそれより直近のときは陰性となる可能性もありますので、もう一度感染後1カ月が経過したと思われる時期に、再検査する必要があります。

 

また、梅毒を放置すると病状が進み命を落とす危険もありますので、懸念のあるときは積極的に検査を受け、早期発見・治療をなさってください。

参考文献:
今日の臨床検査 2011ー2012 P379・380
よくわかる検査数値の基本としくみP154・155
最新検査のすべてP68
新版検査と数値を知る事典P280・281
最新 病気の検査がよくわかる医学百科P292

最後に

医師
梅毒についてまとめです。
  • 梅毒の病原体は、トレポネーマ・パリダムというもので、性感染症の一つ
  • 陰性ならば問題なし、陽性ならば梅毒の可能性を考え、さらなる検査が必要
  • 症状は四段階に分けられ、月日の経過と共に悪化
  • 性感染が主
  • 一度陰性となっても、一ヶ月ほど経過した後に再び検査し、陽性となることも

 

明らかに自覚症状がある場合は、速やかに医療機関に行く事が大切ですが、その際はパートナーの感染率も高いので、2人同時の検査や治療をする必要があります。

また、梅毒に感染し病変部分があるとHIVなどにも感染しやすくなりますので、梅毒に感染した場合は、HIV検査もあわせて受けるようにされて下さい。

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