女性がかかるがんで最も多いのが乳がんです。そして、女性でがんが死因となる原因で5位もその乳がんです。
特に若くして亡くなることが多いのも乳がんです。早期発見すれば、切除しきることも可能です。とにかく早期発見が大事です。
にもかかわらず乳がん検診の受診率は、日本でわずか24%です。つまり4人に1人しか乳がん検診を受けていません。
なんだ、みんな受けてないんじゃん!自分も受けなくても大丈夫。
なんてことはありませんよ。アメリカでは80%、イギリスでは70%、韓国でも45%の人が乳がん検診を受けています。北斗さんの影響で、今後受診率は増えると思われますが、日本のこれまでの受診率は非常に低いのです。
今回は乳がんのがん検診についてまとめてみました。
乳がん検診とは?検査項目は?
- 問診
- 視診
- 触診
- 乳房X線検査(マンモグラフィー)
これに加えて、特に50歳以下の若い人では乳房エコー(乳房超音波検査)を併用することがあります。
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マンモグラフィーとは?
立体的な乳房を1枚の写真に収めます。
具体的には乳房を手で引き出し、広げて、10-12kgの圧力で圧迫して撮影します。柔らかい組織は引き伸ばされて扁平になりますが、がんなどの硬い組織は扁平になれないことから診断していきます。
具体的に使用される用語は、以下の通りです。
- 腫瘤
- 石灰化
- その他の所見:局所的非対称性陰影(FAD:focal asymmetric density)、構築の乱れ(distorsion)
これらは、マンモグラフィーガイドラインで定められています。
特にこの石灰化がわかるのがマンモグラフィーの特徴です。
何歳から受けた方がいい?
米国予防医学専門委員会(US Preventive Services Task Force, USPSTF)によると、50歳以上は受けた方がよいとされています。そして、40ー50歳は受けても受けなくてもよいと発表しています。
とはいえ、日本人の場合は素直に40歳以上ならば受けた方が良さそうです。
ただし、血の繋がった家族で乳がんの人がいれば(家族歴があれば)40歳以前からの開始も考えた方がよいと言われています。特にその方が若くして乳がんが見つかっているならなおさら若いうちから受けた方がよいですね。
乳房MRIとは?
腹ばいで横になった状態で、乳房のMRI検査を行います。その際に、造影剤を使います。
頭のMRと同じように、T1強調像、T2強調像、拡散強調像などを撮影します。造影剤を用いて複数の時間で撮影して、腫瘤がないか、あればどういう染まり方を示すのかなどをチェックする検査です。
マンモグラフィーは1枚の写真に立体的な乳房を納めるのにたいして、MRIではたくさんの画像が得られ、より腫瘤の性質や広がりがわかります。
マンモグラフィーやCTとは異なり、被曝の心配はありません。
乳房MRIで用いられる用語は、
- Mass
- Non-mass-like enhancement
- Focus or foci
といったもので、こちらは海外のBI-RADS MRIに記載されている用語です。大きくは腫瘤か腫瘤じゃないかということです。
乳房MRIはどんなときに受けるの?
家族歴があるなどリスクが高い人には検診目的でMRIを行うこともありますが、造影剤も使いますので、一般的にリスクがない人に乳房MRI検査は行われません。
- マンモグラフィーや乳房エコー検査で何かカタマリが見つかり、生検をするかどうかで迷うような症例で用いられる場合。
- 乳がんがあるとわかっている人に対して、どれくらいがんが広がっているかをチェックする目的で行われる場合。
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最後に
乳がんにもいろいろなタイプがあり、非常に進行度の強いものもあります。とにかく早期発見が大事です。
特に症状もない若い人は、自分は大丈夫だと思いがちですが、そういう人こそ受けるべきなのが乳がん検診です。
自分のためにも、家族のためにも40歳以上の女性は必ず受けるべきです。