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停留精巣というと、精巣が本来あるべき陰嚢内にない(降りてきていない)状態をいいます。

生まれてから市町村の検診で、陰嚢にコリコリとした精巣がないことで気づくことも多く、治療法としては手術が主流です。

ですが手術となると、小さな子供の場合、親としては様々なことが気になり心配になってきますよね?

今回は停留精巣の手術について

  • 手術方法
  • 術後
  • 費用
  • 時期(年齢)
  • リスク

など、気になるあれこれを徹底的に調べましたので、参考にされてください。

停留精巣の手術方法は?

手術は精巣固定術という方法で行われます。

ただ、精巣が触れる場合(手で陰嚢を触って分かる)と触れない場合で異なります。

医師
それぞれに分けてご説明します。

精巣が触れる場合の手術方法

  1. 鼠径部を2〜3cm切開します。
  2. 周囲の血管や精管を丁寧にはがす。
  3. 精巣が陰嚢まで伸びる状態にする。
  4. 陰嚢を1cm程度切開する。
  5. 精巣を陰嚢内に収める。
  6. 糸で固定する。

手術時間は1時間程度です。

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精巣が触れない場合の手術方法

腹腔鏡検査を行い、精巣の位置を確認する。

(へそに5mm程度の穴を開ける)

検査は10分程度で行え、その後手術可能ならば上記と同じ方法で行われます。

ただし、この検査で精巣が見つからないこともあります。

その場合はCT造影検査が有用ですが、中には萎縮精巣といって精巣としての機能が期待できない場合もあります。

萎縮精巣の場合は、そのまま体内に留めておかず、手術で精巣を摘出します。

停留精巣の手術後は?

入院期間は1〜4日程度となります。

(手術日前日に入院することが多く、2泊3日が多い)

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手術後吐き気や腹痛が起こることもありますが、腹腔内を手術で触ったことが原因のため、しばらくすると落ち着きます。

退院後、歩行や抱っこも可能ですが、陰嚢を圧迫しないよう注意が必要で、激しい運動も1〜2週間禁止となります。

手術後1週間程度で医師の許可がおりれば入浴が可能になります。

ただし、陰嚢の状態を確認するために検診は必要です。

停留精巣の手術費用は?

乳幼児であれば、乳幼児医療証があるため手術費用は無料です。

市町村によっても無料となる年齢が異なり、負担がある場合も負担額が異なるため、お住いの市町村役場にて確認ください。

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ただし、入院中は食事代がかかるため、1日数百円程度の実費が必要となります。

(ほとんどの病院で、付き添い入院となりますが、親のベッドや食事はありません。

子供と同じベッドに添い寝、食事は自分で用意する必要があります。)

停留精巣の手術時期は?いつまでにやるのが良い?

3ヶ月検診、1歳検診、1歳半検診など、市町村の検診で見つかることも多いので、手術は2歳頃までに行うのが理想的です。

しかし、その後に発見された場合でも、手術を悩むよりは早急に行うことを選択することをおすすめします。

中には出生後に自然と精巣が陰嚢に降りてくる場合もありますが、通常は停留精巣が発見されれば、出来るだけ早く手術を行うことになります。

それには、精巣機能の問題が手術時期が遅くなるほど悪くなり、将来の無精子症や乏精子症に関連し、不妊の原因となるためです。

 

(日本小児泌尿器学会ガイドラインより)

停留精巣の手術にリスクはない?

手術というと、小さな子供に全身麻酔を使うことにリスクを感じる方が多いでしょう。

小児の全身麻酔のリスク

全身麻酔によりアレルギー症状を起こしてしまったり、ショック症状を起こしてしまい生死に関わることもあります。

そのため、全身麻酔を使用することを了承した上で手術を行うという同意書が必要になります。

 

しかし、手術をしなかった場合将来不妊になることのリスクの方が大きいため、手術をしないという選択肢よりは全身麻酔のリスクの方がずっと少ないのも事実です。

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麻酔を行う前に、子供の全身状態を繊細に知るため、十分な診察や検査を行った上でやる必要がありますね。

ただし、停留精巣の手術自体は基本的に簡単なものであるという説明を受けると思います。

医師の十分な説明を受けた上で、不安要素を少しでも減らして行うのが良いでしょう。

その際、停留精巣は癌化する可能性が正常に比べて高いというリスクの説明もあるでしょう。

(この癌化のリスクにつきましても、関連記事に説明がありますので、参照ください。)

最後に

  • 手術は精巣固定術というものが行われ、精巣を陰嚢内に戻し、固定する
  • 萎縮精巣といって精巣としての機能が期待できない場合は、精巣を摘出する
  • 1〜4日程度の入院が必要
  • 乳幼児医療制度により、乳幼児であれば無料(市町村によって無料年齢は異なり、負担額も異なる)
  • 手術は2歳までに行うのが理想的
  • 全身麻酔のリスクより、手術を行わなかった場合に不妊となるリスクの方が高い

 

手術自体は簡単なものですが、まだ何をやるのか理解出来ない小さい子供にとっては恐怖となります。

将来の不妊の面でもそうですが、子供が恐怖心としての記憶が残らない小さなうちにやるというのも方法でしょう。

 

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