大腸内視鏡検査は検査前から準備があり、検査を終えほっとするのも束の間・・・検査後も不安になる症状や注意する点などが出てくる場合があります。
私自身も検査後にしばらく腹部の張りがあり不安になった経験があります。
そこで、検査後に不安にならないために大腸内視鏡検査後の注意点を事前に知っておくと安心です。
今回は、大腸内視鏡検査後の
- 食事やアルコール
- 出血した場合
- 体調不良が見られる場合
- 運動
についてまとめました。
大腸内視鏡検査後の食事は?アルコールは?
食事
食事については、検査がどのように終了したか・処置をしたかどうかで違いがあります。
異常なしで終了した場合(処置を行わなかった場合)
異常も切除することもなく終了した場合は、特に食事の制限はありません。
そのような場合は消化の良い普通食で大丈夫です。
例えば、うどんやおじや、食物繊維が少ないもの、ヨーグルト、プリン などがおすすめです。
何らかの異常があった場合(処置を行った場合)
- 生検検査(一部組織を採取する検査)
- ポリープを切除(ある程度の大きさになると、がんを含む可能性が高くなるため切除します)
上記のように何らかの治療・処置を行った場合は出血する可能性がありますので、多少の食事制限が必要となります。
特に熱い物や刺激物は全体的に血流を良くし出血を起こしやすくなるため摂取しない方が良いでしょう。
食事面でのアドバイス
油っこいものや刺激物を避け胃腸に優しい食事にする必要があります。
そのために、特に以下のものはしばらく控えるようにして下さい。
- 甘いものは消化に負担がかかるため控える。
- 特に脂質も多く含む洋菓子はしばらく控える。
- 塩分の多いベーコンやハム、たらこ、イクラ、かまぼこなどもしばらく控える。
大腸ポリープのできやすい人はもともと濃い味付けが好きな傾向にありますので、この機会に薄味を心掛け塩分を摂りすぎない食生活に改善していきましょう。
タンパク質を摂ることも大切ですが、消化する際に内臓に負担がかかりやすいイカや貝類などは控えてください。
また、食物繊維の多いおからや大豆の水煮は消化されずに腸に負担がかかりますので1週間は控えます。
大豆製品を摂取するのなら豆腐や豆乳にして下さい。
アルコール
ポリープ切除後に見られる出血の一番の原因はアルコール摂取によるものです。
これは大腸の血管がアルコールを摂取することで拡張し、出血が起こりやすくなるためです。
また、ファイバースコープの検査の場合は、検査時点でレーザーによってポリープをつまんで切除します。
そのため、切除後の状態が良好な場合で1週間ほどの禁酒となります。
しかし、切除時に出血をした場合にはクリップで留めることになり、その場合には治癒するまではアルコールは2週間ほど禁酒となります。
大腸内視鏡検査後に出血した場合は?
- 診察
- 腹部超音波検査、腹部X線検査、腹部CT検査の実施
- 止血剤などの点滴
- 穿孔(穴が空いている)していれば手術
しかし、多くなかなか止まらない場合や腹痛や発熱が続く場合は救急受診して下さい。
激しい出血は肛門周囲付近からの可能性が大きいです。
検査をした時にファイバーで肛門のところや腸内の粘膜をこするので出血することはあり、問題はそれが自然に止血するか出血が続くかということです。
大腸内視鏡検査後の注意 !体調不良が見られる場合は?
検査後しばらくの間はお腹が張った感じや軽い痛みを感じることがあります。
これは検査の際に入れた空気の影響ですから問題はなく、お腹をさするなどしてガスを出すと楽になることがほとんどです。
また、検査中に使用した薬剤により口の渇きがあったり少し目がかすんだりすることがありますが、徐々に元に戻りますので心配はありません。
下痢
治療に時間を要したなど腸に負担があった場合は消化不良が続き下痢になる場合もあります。
しかし、通常は数日で改善します。
腹痛
大腸内視鏡検査では穿孔も稀に起こり腹膜炎症状のため時間と共に痛みが増す場合もあります。
しかし、一時的に起こる腹痛は腸の蠕動で内部の圧力が上昇するためです。
便秘
検査の前処置で便を完全に出し切った事と食事が摂れていないことが原因となる事が多いです。
吐き気
検査前に大量の下剤を飲んでいますからある程度は仕方ありません。
また、大腸を観察するために空気を送り込んで膨らませていますので、吐き気が起こる事もあります。
発熱
大腸カメラをしたときに腸に穴を開けることが稀にあり、その場合には腹膜炎を起こして発熱することがあります。
大腸内視鏡検査後の運動は?
もしポリープが見つかった場合でも散歩などの軽い運動は検査翌日からでも可能ですが、腹圧のかかるゴルフやテニス、ジョギングなどは 1週間は避ける様にして下さい。
また、お風呂も長風呂は避けシャワー程度にしておくのが無難です。
まとめ
- 検査後であっても異常なしで終了したのであれば特に食事の制限はない
- 生検検査やポリープ切除など何らかの治療を行った場合は出血の可能性があるので、多少の食事制限がある
- 検査後、便に混じる少量の出血なら問題ない
- 出血が多くなかなか止まらない場合や腹痛や発熱が続く場合は救急受診する
- 検査後の体調不良は心配ない事も多いが、不安な点や腹痛や熱が続く場合は速やかに病院へ行くこと
- 検査当日の激しい運動は避ける
同じ検査をしても検査の結果でその後の食事の注意点も変わるものだとお分かりいただけたと思います。
検査が終わった開放感から、注意すべき点を怠るとその後の回復にも響きます。
検査後も大切な事を頭に入れて1日も早く普段の生活に戻れるように心掛けて下さい。