妊娠中の逆流性食道炎|薬は使える?自分でできる対処法・悪阻との違い

胸のムカムカや胃酸の逆流といった症状がある逆流性食道炎ですが

実は妊婦にも多い!

ってご存知でしょうか?

実際私も妊娠初期の頃は悪阻症状が中心だったものの、妊娠後期になると、また悪阻とは少し違ったすっぱいものが上がってくる感覚があり、胸のムカムカと共に症状に苦しめられました。

今回は、妊婦の逆流性食道炎について、

  • 薬
  • 対処法
  • 原因
  • 悪阻と逆流性食道炎の違い

といったことについてご説明し、合わせて私の体験談もご紹介したいと思います。


先に結論

  • 妊娠中は、大きくなった子宮が胃を押し上げることや、ホルモンの影響で胃腸の動きや食道の下の筋肉(下部食道括約筋)の働きが変わることで、胸やけ・酸っぱいものが上がる感じが起こりやすくなります。
  • まずは薬以外の工夫(少量ずつ回数を分けて食べる、寝る直前の食事を避ける、上体を少し起こして休む)を試します。
  • 薬は妊娠週数や症状に応じて医師が選びます。市販薬も自己判断で使わず、産婦人科や主治医に相談してください。
  • 吐いて水分がとれない、血を吐く、飲み込みにくい、胸の強い痛みなどがあるときは、早めに受診してください。
  • この記事は妊娠中・産後の逆流性食道炎に絞っています。原因全般は逆流性食道炎の原因と検査、症状の見分けは逆流性食道炎の症状チェック、毎日の食事は食事のポイントをご覧ください。

 

妊娠中に胸やけがひどい…
妊娠中はおなかが大きくなることやホルモンの影響で、胃酸が逆流しやすくなります。薬は自己判断せず、産婦人科の医師に相談してくださいね。

妊婦が逆流性食道炎の場合の薬は?

逆流性食道炎なのですが、妊娠中だと自由に薬を飲めませんよね。

どうしたらいいのでしょうか?

医師
まずは、かかりつけの産婦人科もしくは胃腸科で相談してみることをオススメします。

妊娠中でも使える薬を、症状や週数に合わせて検討してもらえます。

妊娠中は飲める薬と飲めない薬があるので、自己判断で市販薬を飲まず、医師に処方してもらうことをオススメします。

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妊娠中に逆流性食道炎の薬として処方される薬

  • ガスター(H2ブロッカー)
  • タケプロン(PPI)
  • ムコスタ・アルロイドG(胃粘膜保護)

これらは、妊娠中でも症状や週数をみて医師が処方することがある薬の例です。H2受容体拮抗薬(ガスターなど)やプロトンポンプ阻害薬(PPI、タケプロンなど)は、「妊娠中に使用できる」とする情報もありますが、使うかどうかは、必要性と安全性を医師が比べて判断します。

(参考書籍:妊娠と薬じほう P19~P30・治療薬UP-TO-DATE2007。版が古いため、薬の使用可否は医師・薬剤師に確認してください)

症状を我慢し続けるのではなく、医師と相談して薬で改善を試みるのも一つの手です。

薬以外の対処法!自分で出来ること

妊娠中でも飲める薬だからと言われても、薬を飲むこと自体に抵抗があります。

そんな時に自分で出来る対処法はありませんか?

医師
薬以外の対処法として、実際にこうして楽になったという体験者の声をご紹介します(個人の体験で、効果には個人差があります)。
  • 「パンを食べるとムカムカがひどくなったので、パンを控えた」
  • 「座椅子などの傾斜を利用して横になったら少し楽になった」
  • 「食事に気をつけ、喉の通りの良い物。消化の良い物を、特に豆腐をよく食べた」
  • 「就寝2時間前は食べ物を口にしないようにした」
  • 「水分を多く取り、食事量を減らした」

 

「妊娠中なんだから気分が悪くたって子供のために食べなさい」とお姑さんに言われて無理して食べていて、症状のひどさに苦しんでいたという方もおられるようです。

しかし、無理して食べるのは胃腸にも良くないうえ、自分自身のストレスにもつながり、逆流性食道炎にとっても、赤ちゃんにとってもよくありません。

食べられるものから少量ずつ、リラックスして過ごしましょう。体重が減る、水分もとれないなどの場合は、早めに産婦人科に相談してください。

上体を少し起こして休む妊婦のイラスト

食べやすい野菜や飲み物を知りたい方は、逆流性食道炎の食事は?オススメ野菜とNG野菜、飲み物と食べ方のコツでくわしく解説しています。

そもそも、どうして妊婦が逆流性食道炎に?原因は?

「妊婦は逆流性食道炎になりやすいのよ」と聞いたのですが、本当でしょうか?

妊婦が逆流性食道炎になりやすいというのは事実です。

医師
しかし、どうして妊婦が逆流性食道炎になるのか、原因についてご説明します。

ninpu

妊婦が逆流性食道炎になる原因はコレ!
  • 子宮が胃を圧迫するから
  • ホルモン変化
  • 悪阻による影響

 

医師
1つ1つ見ていきましょう。

子宮による胃の圧迫

お腹が大きくなると同時に、子宮も妊娠数週が進むにつれ大きくなります。

子宮が大きくなると、その上にある胃を圧迫し胃を押し上げてしまうため、胃酸の逆流につながると言われています。

ホルモン変化

妊娠すると黄体ホルモン(プロゲステロン)が増加しますが、このホルモンには胃腸の動きを鈍らせる働きがあります。

また、食道と胃のつなぎ目の筋肉(下部食道括約筋)がゆるみやすくなり、胃酸が逆流しやすくなると言われています。

悪阻による影響

悪阻による嘔吐や胃酸の逆流で胃や喉、食道に炎症が起こり、逆流性食道炎になるとも言われています。

(参考書籍:消化器疾患ビジュアルブック)

悪阻と逆流性食道炎の違いは?

悪阻と逆流性食道炎の症状はどう違うのでしょうか?
医師
悪阻症状と、逆流性食道炎症状についてご説明します。

悪阻の症状

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 喉の詰まり
  • だるさ

逆流性食道炎の症状

  • 胸焼け
  • 吐き気
  • 胸の痛みや違和感
  • 喉の痛みや違和感

症状はすごく似ていますが、悪阻は時間に関係なく起こることが多いのに対し、逆流性食道炎の症状は食後や横になったとき・朝起きてすぐなどに出やすいとされます。

また、逆流性食道炎では胸の中心のやけるような痛みや違和感が特徴ですが、見分けは難しいことも多いため、気になるときは妊婦健診で相談しましょう。

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悪阻と逆流性食道炎の見分け方の比較表

私の体験談(個人の体験です)

元々胃腸が弱く頻繁にお腹をくだしたりするタイプだったのですが、妊娠中6か月まで悪阻が続いてやっとひいたかと思ったら、後期になってまた悪阻のような症状に苦しみだしました。

そして、普通出産したら症状が治ったという方が多いようなんですが、私の場合は産後更に症状が悪化。

嘔吐や胸の痛み・ムカムカに苦しみ、胃腸科を受診し胃カメラ検査で逆流性食道炎と分かりました。

原因は、妊娠中お腹が大きくなり胃が圧迫され、胃の入り口の下部食道括約筋がゆるんでしまったのではないかと言われました。

産後といっても母乳への影響も考え、薬も赤ちゃんにも問題のないものを処方してもらい、食生活で症状を緩和させました。

更に子供がベビーカーに乗れるようになったら散歩など、軽い運動をすることが一番のリフレッシュになったような気がします。

ありがとうございました。

まずは自分で出来ることから始めてみたいと思います。

胃カメラで診断を受けた体験にふれましたが、妊娠中や授乳中に受けられるかについては、胃カメラは妊娠中・授乳中でも受けられる?鎮静剤の影響と医師への相談の目安でくわしく解説しています。

よくある疑問

Q. 妊娠中の逆流性食道炎は産後に治りますか。
A. 出産後に落ち着く人が多いとされますが、筆者のように産後も続く人もいます。続くときは消化器内科で相談しましょう。

Q. 市販の胃薬を飲んでもよいですか。
A. 市販薬の成分によっては妊娠中に注意が必要なものがあります。自己判断せず、産婦人科の医師か薬剤師に確認してください。

Q. 何科を受診すればよいですか。
A. まずは通院中の産婦人科で相談してください。症状が強い、長引くときは、消化器内科への紹介を受ける方法もあります。

最後に

  • 妊娠中でも飲める薬はあるが、医師に処方してもらうことをオススメ
  • 姿勢、食事、に気をつけ、対処する
  • 妊娠中、子宮が胃を圧迫したり、ホルモンの変化、悪阻の影響で逆流性食道炎になることがある
  • 悪阻と逆流性食道炎は症状が似ており、起こる時間帯や胸の痛みなどが手がかり。迷うときは妊婦健診で相談

 

いかがでしたでしょうか?

長く続く悪阻のような症状は逆流性食道炎の場合もあります。

我慢せず、まずは妊婦健診の際などに医師に相談してみることをオススメします。

また産後は赤ちゃんのお世話だけで大変なのに、自分の逆流性食道炎の症状がひどいと更に大変です。日頃の食生活から見直してみましょう。