骨の働きには、身体を支える、脳や心臓などの大切な臓器を保護するという役目があります。
しかし、それ以上に重要な働きは、骨はカルシウムの貯蔵場所であるということです。
このカルシウムは人間の身体において多くの働きをしており、もしカルシウムの摂取量が少なく、カルシウムが不足すると、骨を溶かして必要なカルシウムを確保します。
それでは、1日にどれくらいのカルシウム摂取量が必要なのでしょうか?
また、カルシウムが摂取できる食品は?
そこで今回は、
- カルシウム摂取量は1日にどれくらい必要か(年齢別)
- カルシウム摂取量の上限
- カルシウムが摂取できる食品
- カルシウム摂取量の効率を上げる方法
以上についてまとめました。
カルシウム摂取量は?1日にどれくらい必要?
成人のカルシウムの摂取基準値(推奨量 mg/日)
20歳~29歳
- 男性=800
- 女性=650
30歳~49歳
- 男性=650
- 女性=650
この年代では自分の骨量をしっかり把握し、現在の骨量を維持するような生活習慣を心がけることが大切です。
また、カルシウムを多く含む食事、無理のない適度な運動や日光浴を心掛けて下さい。
50歳~69歳
- 男性=700
- 女性=650
女性では50歳前後で閉経を迎え、女性ホルモンの分泌が減少してくることで、急激な骨量の減少が見られます。
この時期もカルシウムを多く含む食事を心掛け、無理のない適度な運動や日光浴を心掛けて下さい。
70歳以上
- 男性=700
- 女性=650
男女ともに年を重ねるごとに骨量は少しずつ確実に減っていきますし、腸からのカルシウム吸収も同じく減少していますので、ビタミンDの摂取が大切になってきます。
さらにこの年代では、筋力の衰えにより、転びやすくなってきますので注意するようにして下さい。
バランスのとれた食生活と無理のない適度な運動で加齢に負けない丈夫な身体作りを心掛けて下さい。
子供のカルシウムの摂取基準値(推奨量 mg/日)
1歳~2歳
- 男子=400
- 女子=400
3歳~7歳
- 男子=600
- 女子=550
8歳~9歳
- 男子=650
- 女子=750
10歳~11歳
- 男子=700
- 女子=750
12歳~14歳
- 男子=1,000
- 女子=800
この年代の推奨量が最も高く設定されていることから、カルシウムの総量を保持する上でこの時期が特に大切となります。
15歳~19歳
- 男子=800
- 女子=650
参照:厚生労働省発表 日本人の食事摂取基準(2015年版)
カルシウム摂取量の上限
厚生労働省では、カルシウム摂取量の耐用上限値を男女共に18歳以降で2500㎎と設定しています。
これは牛乳ですと約2Lとなり、1日にこれだけの量を摂ることは難しいですから、カルシウムの過剰摂取を心配することはほぼないと思われます。
次に食品に含まれるカルシウムの具体的な量を見ていきましょう。
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カルシウムが摂取できる食品は?
カルシウムは、乳製品や野菜、海藻類、魚介類を始めとしていろいろな食品に含まれています。
例えば、牛乳は、100gで110mgのカルシウムを摂取することが可能です。
100g当たりの単純比較では、牛乳よりも多くのカルシウムを含有する食品は多くありますが、牛乳は吸収率と利用性の高さからみると優秀なカルシウム源といえます。
しかし、牛乳のみを沢山飲むのは大変ですし、苦手な方も多いと思います。
そういった方は、ヨーグルトやチーズ、豆乳製品などを意識して食べるようにしてはいかがでしょうか。
カルシウムの含有量が多い食品(食品100g当たり)
- 鮭中骨の水煮缶= 1400mg
- 桜えび= 690mg
- プロセスチーズ= 630mg
- カマンベールチーズ= 460mg
- いわしの丸干= 440mg
- ししゃも= 350mg
- 油揚げ= 300mg
- がんもどき =270mg
- モロヘイヤ= 260mg
- さばの水煮缶 =260mg
- 厚揚げ= 240mg
- しそ= 230mg
カルシウム摂取量の効率を上げる方法は?
タンパク質と一緒に摂取
アミノ酸(タンパク質の構成成分)がカルシウムの吸収を促進させます。
タンパク質は野菜類や海藻類と一緒に摂取すると効果的です。
ビタミンDと一緒に摂取
ビタミンDにはカルシウムを運ぶ働きがあり、肝臓と腎臓を経由して活性型ビタミンDになると、腸管でのカルシウム吸収量を促進すると共に、骨への沈着もサポートします。
カルシウムを含む全ての食品において、ビタミンDがないと体内に効率よく吸収されません。
ビタミンDを含む食品はしらすなどの魚類やきくらげ、干ししいたけなどですが、食品のみでは補足できないのが現実です。
しかし、ビタミンDは日光浴をすることで体内で作り出すことが可能な成分ですので、お天気の良い日には散歩をするのもおすすめです。
ビタミンCと一緒に摂取
カルシウムが定着する場所を作っているコラーゲンも必要なものですので、このコラーゲンの合成を促進するビタミンCも摂るようにしてください。
マグネシウムと一緒に摂取
骨内に沈着するカルシウムの量を操作するマグネシウムも重要な成分ですので、これらの栄養素をバランスよく摂取するようにして下さい。
これはどんな栄養素でも同じですが、必要な栄養素をどんなにたくさん摂取しても、それだけでは身体には吸収されません。
色々な種類の栄養素が相互に働いて身体に吸収されるので、カルシウムをしっかり補給するためには単に量を多く摂取するだけではなく、吸収をサポートしてくれる栄養素も一緒に摂ることが大切です。
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まとめ
- 1日に必要なカルシウムの摂取量は年齢で異なる。
- 12歳~14歳の時期がカルシウムの総量を保持する上で特に大切となる。
- 牛乳は吸収率と利用性の高さからみると優秀なカルシウム源といえる。
- カルシウムを補給するためには単に量を多く摂取するだけではなく、吸収をサポートしてくれる栄養素も一緒に摂ることが大切である。
もし骨粗鬆症と診断されてもカルシウム摂取を始めるのに遅いということはありません。
ご自分の毎日の食生活を振り返り、カルシウムがどれくらい不足しているか、どうすれば目標摂取量を摂る事ができるか、また吸収率の高さなどをもう一度見直してみるのが大切です。
そういった意味で、今回ご紹介したカルシウムの摂取量やカルシウムの効率よい摂り方などを参考にして頂けると幸いです。