中性脂肪というと、高いと肥満という問題で、低いのは正常というイメージがありませんか?
実は、中性脂肪は、低すぎても高すぎても問題となり、ある病気の可能性があります。
では、異常値の場合、一体どういう病気があるのでしょう?
今回は、その中性脂肪(TG)について
- 中性脂肪とは何なのか?
- 基準値
- 考えられる病気
- 注意点
などをご説明したいと思います。
中性脂肪(TG)とは?
中性脂肪とは、体内にある脂肪の一種です。
「triglyceride」トリグリセリド・トリグリセライド、略語で「TG」と呼ばれます。
体内のエネルギーで使われずに残った脂肪は、脂肪細胞などに蓄えられますが、その多くが中性脂肪です。
(それ以外には、リン脂質・糖脂質・ステロイドなどがあります。)
つまり、運動量が多い時には、肝臓や脂肪細胞に蓄積された中性脂肪は、エネルギー源として利用され、消費されます。
健康診断などの際に測られるのは、食事から取り込まれた中性脂肪ではなく、過度の摂取により余分なエネルギーとして一度肝臓に取り込まれた脂肪が、再び血液中に分泌された中性脂肪の値の測定となります。
中性脂肪は、砂糖などの糖質・炭水化物・動物性脂肪などが主な原料となるもので、肝臓で作られます。
検査には、
- 総脂質量から総コレステロール及び脂質の値を差し引いて測定する→間接法
- 中性脂肪そのものを抽出して測定する→直接法
の2つがあります。
中性脂肪(TG)の基準値は?
30~150mg/dLであれば正常とみなされます。
検査の結果、数値がこの基準値より高くても低くても問題となります。
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異常のときに考えらえる病気は?
高い場合
などがあり、肥満も見られます。
低い場合
などがあり、栄養不良の場合もあります。
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中性脂肪(TG)の検査で注意すべき点は?
この検査では、食事や運動が大きく影響します。
食べ過ぎや運動不足によって数値は高くなりますし、糖質やアルコールの過剰摂取によっても上昇、また、食事の時間も関係します。
例えば、脂肪分の多い食事をした時は食後30分ぐらいから数値が上昇し始め、3~6時間後に最も高くなります。
この様に時間によって数値の変動も大きいですので、検査は早朝の空腹時に行なうことが原則となりますので、検査前12時間以上は絶食とし、正確な診断のためには、検査を複数回行うことも重要です。
参考文献:今日の臨床検査 2011ー2012 P141・142
参考文献:新 検査のすべてがわかる本P62
参考文献:四訂版 病院で受ける検査がわかる本P232・233
参考文献:よくわかる検査数値の基本としくみP46・47
最後に
- 中性脂肪は、体内にある脂肪の一種
- 運動をすれば、エネルギー源として消費される
- 基準値は、30~150mg/dL
- 高くても低くても問題
- 肥満や栄養不良のほか、様々な病気が考えられる
- 食事や運動が大きく影響するため、検査前12時間は絶食
- 食べ過ぎや運動不足が続くと、高い数値を占める
中性脂肪値が高い方の大半は、肥満・過食・運動不足・飲酒によるものとされます。
食生活では、脂質や糖質の摂り過ぎに注意して青魚などを積極的に摂り入れ、飲酒している方は、禁酒や節酒を心掛けるようにされて下さい。
また、適度な運動を続ける事も大切です。
この様に、正しい生活習慣に改善することで、中性脂肪は減らすことが出来ますので、健康な体を取り戻すための努力は不可欠です。