高脂血症(脂質異常症)の治療法の一つとして、食事療法がありますが、一体どの様な食事を摂るのが効果的なのでしょうか?

また、生活習慣病の改善の面から、アルコールはどのくらいまでなら大丈夫なのでしょうか。

今回は、高脂血症(脂質異常症)に効果的な食事やメニューについてご紹介したいと思います。


高脂血症に効く食材ってある?

高脂血症(脂質異常症)の原因にコレステロールの過剰摂取があります。
このコレステロールは体内で約70%が作られていますので、食べ物から摂取しなければいけないのは約30%となります。

高脂血症(脂質異常症)の食事療法として、コレステロールを下げる食材を積極的に摂っていく事が大切です。

そこで、コレステロールを下げる食材を以下にご紹介します。

Wakame

・食物繊維の多い食品
―食物繊維には、水溶性不溶性の2種類がありますが、コレステロール値を正常化するのに有効なのは、水溶性の食物繊維となります。

水溶性食物繊維は、腸内でコレステロールを包み込んで排泄を促進する働きがあります。

水溶性食物繊維の中でも、昆布、わかめ、ヒジキなどの海藻類に多く含まれるアルギニン、山芋やオクラやなどに含まれるムチン、こんにゃくに含まれるグルコマンナンや柑橘類やリンゴなど果物に多く含まれるペクチンなどは、コレステロール値の改善に特に有効とされています。

他にも、大豆や穀物、野菜、きのこ類に多く含まれ、おから、えんどう豆、納豆、ごぼう、竹の子、ブロッコリーなどに多いとされます。

・レシチンを多く含む食品
―レシチンには肝細胞の働きを活性化し、コレステロールの代謝を正常化する効果があるとされます。

特に大豆に多く含まれ、その他、ゴマ油卵黄ピーナッツなどに多く含まれています。

・タウリンを多く含む食品
―タウリンにはコレステロールや血圧を下げる働きがります。
魚介類に多く含まれ、牡蠣はまぐりあさりイカやタコなどに多く含まれています。

・DHAやEPAを多く含む食品
-DPAやEPAには、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪を減らす働きがあり、血液をサラサラにする働きがあります。

DPAやEPAは青魚に多く含まれ、マグロサバサンマブリアジなどに多く含まれています。

高脂血症の食事のメニュー例は?

*サンマとごぼうの梅煮* 

ーEPAとDHAの両方を豊富に含んだサンマと食物繊維の豊富なゴボウ。
これらを梅干で一緒に煮ることで、サンマの臭みも抜けるほか、梅干のクエン酸効果が血液をサラサラにしてくれる、なんとも嬉しいメニューです。

Fish

材料(2人分)
・さんま 100g
・ごぼう 約40g
{だし汁}
・水 1 1/2カップ
・しょうゆ 、酒 、 砂糖 各大さじ1
・みりん 大さじ1/2
・梅干 2個
・しょうが 1/2片

作り方:
1. サンマは頭と腹わたを取り除き、約3cmほどの長さで斜め切りにします。
2. ごぼうは約7mmほどの斜め切りにして、水にさらしておきます。
しょうがは千切りにしておきましょう。
3. お鍋にだし汁を入れて火にかけ、煮立ったらサンマとごぼうを入れ落し蓋をし、中火で約10分から12分ほど煮ます。
4. さんまがやわらかくなったところで火を止めて、出来上がりです。

*きのこのマリネ*

ーきのこ類は食物繊維が豊富なうえに、低カロリーと高脂血症の方には大変魅力的な食材ですね。
このレシピは簡単に出来るので、副菜、そしてスパゲッティーと合わせるのもおすすめです。

Mushroom-

材料(2人分)
・しめじ 約30g
・エリンギ 約30g
・しいたけ 約20g
・えのき 約20g
・マッシュルーム 約20g
*お好みのきのこ類で大丈夫ですよ。
・レモンスライス 3枚(お好みで)
・イタリアンパセリ 少々
・塩・胡椒 適宜
・オリーブオイル 大さじ1
・バター 5g
・白ワイン 大1
・にんにく 1片

作り方:
1、キノコ類を適当な大きさに切る。
2.レモンをスライスする。
3.にんにくは薄くスライスする。
4.フライパンにオリーブオイル、3を入れ弱火で加熱し香りが出たら、中火にし1を入れ炒め、白ワイン、バター、塩、胡椒、レモンスライスを入れ炒める。
5.お皿に盛り付けパセリで彩をして、出来上がりです。

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高脂血症の食事療法、すすめ方のポイントは?

高脂血症(脂質異常症)には、食生活が大きく影響していますので、医師や管理栄養士の指導の下に、食事療法を進めて行きます。

そこで、食事療法のすすめ方のポイントをご紹介したいと思います。

1、エネルギー摂取量を適正にする。

―食事で摂取するエネルギーが多すぎると、余ったエネルギーが中性脂肪になってしまい、その結果、血液中のコレステロールも増えてしまいます。

そこで、1日に摂取するエネルギー量を適正にし、肥満を解消していくことが、高脂血症(脂質異常症)を治療する上で重要なポイントとなります。

適正なエネルギー量は、以下ののように算出します。

・1日の適正エネルギー摂取量(kcal)=標準体重(kg)×25から30(kcal)
・標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

2、栄養バランスの配分を心掛ける。

{炭水化物、タンパク質、脂質}
・炭水化物―ご飯、パン、麺、糖分などの炭水化物は、総摂取エネルギー量の60%にしましょう。
・タンパク質―肉、魚、大豆製品、卵などのタンパク質は、総摂取エネルギーの15から20%にしましょう。
ここで大切なのは、お肉よりも魚や大豆製品からタンパク質を摂るように心掛ける事です。

・脂質…肉、魚、油脂、種実類などの脂質は、総摂取エネルギーの20から25%にしましょう。
脂質の中でも、動物性脂肪を摂り過ぎてしまうと、コレステロール値が増えるので、青魚などに含まれるものを多く摂るようにして下さいね。

{コレステロールの摂取量に注意}
1日のコレステロールの摂取量を300mg以下にしましょう。
コレステロールが多い食品は、鶏卵、鶏の皮、魚卵、レバー、明太子などがあります。

{アルコールの摂取量に注意}
アルコールの摂り過ぎは、血液中の中性脂肪が増えてしまいますので、1日のアルコール摂取量を25g以下に抑えることが大切です。

{食物繊維を積極的に摂る}
コレステロールの吸収を防御して、体外への排泄を促進する働きがある食物繊維を1日に25g以上摂取するようにしましょう。

{ビタミン、ポリフェノール}
エネルギーの代謝を効果的にするためには、ビタミンやポリフェノールが大切になります。
これらが豊富と言われる緑黄色野菜を積極的に摂取するように心掛けましょう。

 

高脂血症の食事、アルコールはNG?

上記で述べました様に、アルコールを摂り過ぎると、血液中の中性脂肪が増えてしまうので、1日のアルコール摂取量を25g以下に抑えます。

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例として、日本酒なら約1合、ビールなら中びん1本ほど、また、ワインではグラス2杯が目安となります。




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