片頭痛の薬の副作用が辛かったり、薬が合わないなどの理由で、一般の鎮痛薬に頼らなくても片頭痛を治したい・・・と思われている方も多いのではないでしょうか?
そこで思い浮かぶのが漢方ですが、片頭痛に漢方は効くのでしょうか?漢方は病院でも処方できるのでしょうか?など、疑問が次々と出てきます。
そこで今回は、
- 片頭痛に漢方は効くの?
- 片頭痛に使用される漢方、ツムラとは?
- 片頭痛に使用される漢方、呉茱萸湯とは?
- 片頭痛に使用される漢方で市販されている薬は?
- 片頭痛に使用される漢方は病院で処方できるの?
以上について解説していきます。
片頭痛に漢方は効くの?
しかし、効果には個人差がある事を頭に入れておくことは大切です。
漢方では、症状のみで薬を処方することはなく、個人の体質や体力、症状の現れ方などを判断して薬が処方されます。
ですから、漢方的に正しく身体を診てもらっての処方ではなく、ただ単に片頭痛と言う病名に対してのみ漢方を処方するような病名漢方では、自分に合っていない薬を服用するリスクに繋がります。
また、体質によっては飲まない方がよい薬もありますので、漢方はご自分が信頼できる病院、または薬局で処方してもらう事をおすすめします。
片頭痛で用いられる漢方、ツムラとは ?
近年では片頭痛で悩まれる方も漢方の処方を希望されるケースが増えています。
その漢方で代表的なメーカーといえば、「ツムラ」となり、その知名度は高いのではないでしょうか。
片頭痛の症状がみられる場合に処方される漢方は、ツムラ31番呉茱萸湯(ゴシュユトウ)となります。
これは、冷え性や虚弱、胃に水が溜まっている方に効果がある薬であり、片頭痛に対しての薬ではありませんので、個人の体質や体力、症状が合わないと効果は発揮できません。
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片頭痛に使用される漢方、呉茱萸湯(ゴシュユトウ)とは?
片頭痛は発作性の激しく強い痛みのあるもので、吐き気や嘔吐を伴うことも多いものです。
呉茱萸は、吐き気や手足の冷えなどを伴う頭痛に効果があり、体温をあげ、鎮痛や鎮吐作用があります。
漢方においての頭痛は、胃腸の状態が弱く、気の流れが良くない場合に冷えが加わり発症すると考えられ、呉茱萸湯は体を温め血管を拡大させる作用があるとされます。
そのため、冷えからくる様々な体の不調、特に冷えによる影響を受けやすい胃腸などの消化器系、脳内の血管の収縮と膨張で起きる片頭痛には適しているといわれます。
この薬は、飲み続けることで体質が改善され片頭痛を起こしにくくなるとされますので、効果が現れるのに時間が要します。
一般的な鎮痛薬は胃腸に負担がかかる場合がありますが、その点呉茱萸湯は胃腸に負担が掛かりにくい薬であり、胃腸が弱い方や、嘔吐や悪心などの症状がある場合でも服用が可能です。
また、一般的な鎮痛薬は、痛みを取り除くことが主な働きですが、呉茱萸湯は痛みの根本的な原因にしっかり向き合って治していくものです。
呉茱萸湯の成分・効能
- 呉茱萸(ゴシュユ):鎮痛・鎮吐作用・健胃作用・利尿作用。
- 人參(ニンジン):興奮作用・強壮作用・強精作用・大補元気作用・安神益智・消化機能を高め体力を回復させる作用。
- 大棗(タイソウ):補脾胃作用・強壮作用・養血案神作用・緩和薬性作用・鎮静作用・胃腸の機能を整え、精神を安定さる作用。
- 生姜(ショウキョウ):発汗解表作用・健胃作用・鎮吐鎮嘔作用・鎮咳作用・食欲不振作用・体を温め、消化機能を整える作用。
呉茱萸湯の副作用
個人差はありますが、服用時に吐き気がしたり、食欲がなくなる事もありますが、しだいに慣れてくることが多いです。
主な副作用として、発疹や蕁麻疹、倦怠感などがあがります。
他にも、胃の不快感や食欲不振、軽い吐きけ、かゆみ、肝機能の異常などがあります。
上記の様な症状が治まらず辛い場合は速やかに医師や薬剤師に相談するようにして下さい。
呉茱萸湯での注意点
片頭痛は発作の直前に血管が収縮することが知られており、冷えで血管が急に収縮した場合などに頭痛に繋がる場合もあります。
そのため呉茱萸湯は、体の冷えからくる血管の収縮が原因となる片頭痛には効果がありますが、片頭痛の発作は血管の膨張によって起こるため、逆に血流が良くなりすぎると片頭痛が悪化してしまいます。
呉茱萸湯は体を温め血の流れを良くする漢方ですので、体質が合わないと片頭痛に効かず、悪化させますので注意が必要です。
以下に該当する方は、使用する前に必ず医師や薬剤師に伝えてください。
- 以前に薬を使用して、かゆみや発疹などのアレルギー症状が出たことがある方。
- 妊娠(呉茱萸には子宮を収縮させる作用がある)または、授乳中の方。
- 他に薬を使用している方。
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片頭痛に使用される漢方で市販されている薬は?
五苓散料(ゴレイサンリョウ)
体力にかかわらず使用可能であり、喉の渇きにより尿量が少ない、頭痛や腹痛、吐き気や嘔吐、めまいなどに効果があるとされます。
この漢方は、頭痛による痛みが起こった際に飲むものですが、片頭痛が起きそうと感じた時に飲むと、頭痛を起こりにくくし、痛みを軽くできるという報告もあります。
加味逍遙散(カミショウヨウサン)
血の巡りを良くする作用があり、生理痛や生理不順にも使用されています。
また、片頭痛の他にも、更年期障害やホルモンバランスの乱れなどにも効果があります。
葛根湯(カッコントウ)
カゼ薬として知名度も高い薬で、カゼの初期症状に効果的です。
体力面での問題のない方では、筋肉の張りから生じる痛みなどを抑制する働きもあります。
また、汗の発生を促し、頭痛以外にも肩こりや筋肉痛に効果があります。
桂枝人参湯(ケイシニンジントウ)
虚弱で冷え症であり血行が悪く、体力のない方でも使用可能です。
頭痛や動悸を穏やかにし、吐き気や嘔吐を抑制する効果があります。
片頭痛に使用される漢方は病院で処方できるの?
本当に効果の高い漢方薬を探している場合は、病院できちんと処方してもらうことをおすすめします。
漢方には色々な種類があり、主な漢方の処方は健康保険が適用されますので、漢方を取り扱っている医療機関で出してもらうことが出来ます。
ただし、病院によっては保険適応外の自由診療として処方している所もありますので、事前にご利用になる医療機関に確認するようにしてください。
漢方薬は、実際の検査に基づいて調剤されるので市販薬には得られない効果が期待出来ますし、片頭痛の特徴や体質に合った漢方薬を服用することで根本的な治療に繋がります。
片頭痛に関する記事はこちら↓
まとめ
- 一般的に片頭痛に効果があるとされる漢方はあるが、効果には個人により差がある。
- 片頭痛の症状がみられる際に処方される漢方薬は、ツムラ31番呉茱萸湯(ゴシュユトウ)である。
- 呉茱萸湯は、呉茱萸は、吐き気や手足の冷えなどを伴う頭痛に効果があり、体温をあげ、鎮痛や鎮吐作用がある。
- 呉茱萸湯の主な副作用として、発疹や蕁麻疹、倦怠感などがある。
- 片頭痛に用いられる漢方で市販されている主なものは、五苓散料・葛根湯・加味逍遙散・桂枝人参湯である。
- 片頭痛に用いられる漢方は病院で処方できる。
片頭痛に用いられる漢方についてお分かりいただけたと思います。
漢方は、体質改善が期待でき、体の治癒力を高める事が出来ると言われていますので、病気を体質改善によって克服する事が出来るという利点があります。
また、西洋薬と比較すると、副作用のリスクが低いという利点もあります。
即効性は低いですが、飲み続けることにより徐々に体質改善できるのは結果としてプラスになるのではないでしょうか。
これまでの片頭痛の治療に行き詰まりを感じている方は一度漢方を試されてはいかがでしょうか。