食道癌は進行が早く、早期に治療をしなければいけません。
ですが、手術となると不安もつきものですよね。
今回はそんな食道癌の手術について、気になるあれこれを徹底的に調べました。
- 費用
- 入院期間
- 時間
- 予後
- 合併症
などをご説明します。
食道癌の手術費用はどのくらいかかる?
早期の食道癌に対しては、内視鏡による腫瘍切除が行われますが、この方法は患者自身の負担も少なく、費用も10万円台が相場となっています。
ですが手術となると、身体を切開して腫瘍を摘出し、さらに食道を再建することにもなります。
この場合、100万円程かかります。
ですが、浸潤や転移が認められた場合、それ以上にかかることもあります。
但し、高額医療費制度というものがあり、それを利用すると1月10万円以内でおさまります。
高額医療費制度
医療費の自己負担額が高額となるとはじめから分かっている場合、あらかじめ申請して限度額認定証を発行してもらい、それを提示すると、月の支払額が限度内でおさまります。
もちろん、払った後からでも申告すれば戻してもらうことも可能です。
支払い例
かかった費用が100万円の場合→3割負担で支払額は30万となります。
あらかじめ申請していると、支払額は9万円弱で済みます。
支払った後でも、申請すれば21万円は返ってくるというわけです。
申請方法は、加入の保険者によっても異なります。
保険証に記載されている保険者にお問い合わせましょう。
国民健康保険の場合は、市区町村により異なりますので、お住まいの国民健康保険担当窓口で確認してください。
領収証・保険証・印鑑・振込口座情報が必要となります。
食道癌の手術をしたら入院期間はどれくらい?
- 内視鏡療法の場合は、1〜2週間程
- 手術の場合は1ヶ月以上
は必要となります。
- 内視鏡
- 超音波内視鏡
- 病理検査
- 食道造影
- CT
- PET
など、手術に踏み切るまでにはこのような検査を徹底的に行います。
手術3日〜6日前の入院から始まり、術前の追加検査を受け、いよいよ手術となります。
当日は、浣腸を行い便を全て出し切り胃を空の状態にし、手術箇所のマーキング(印をつける)後、点滴を開始し、歩いて手術室へ向かいます。
退院の目安
- 身体を徐々に動かせるようになったら
- 食事が摂れるようになったら
医師の判断のもと、退院許可がおります。
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食道癌の手術はどれくらい時間がかかる?
食道癌の手術時間は、患者の状態、ステージによっても異なります。
平均して8〜10時間ほどかかります。
ですが、もちろんそれ以上短くも、長くもなることもありますので、一般的な平均時間としてお考えください。
食道癌の手術をしたら、予後は?
食道を大きく切開する手術をした場合、集中治療室で2.3日しっかり経過をみることになります。
状態が安定し一般病棟に戻ったら、歩行も徐々に開始し、ベッド上で過ごすのではなく、トイレの行き来も自分で歩いて行くことになります。
食事は1週間後からとなります。
まずはゼリー状のものから開始し→流動食へ→そして固形食へと段階を踏んで少しずつ慣らしていく必要があります。
その後、手術による合併症も見られなかったら、医師の判断のもと、退院となります。
手術後の回復には個人差がありますが、早ければ1ヵ月後、平均しても3ヵ月後には傷の痛みや食事もスムーズに摂れるようになり、仕事復帰が可能です。
術後の傷の痛みにも個人差があります。
時間の経過と共に落ち着いてきますが、術後1週間前後で唾液や食べ物が漏れる症状があれば、縫合不全の可能性もあり、その場合絶食期間を延長し回復を待ちます。
食べ物がうまく飲み込めない・胸の痛み・食欲不振・満腹感などに悩まされる方も中にはいますが、時間の経過とともにこれらの症状も落ち着いてきます。
退院後も定期的な検診は必要です。
再発や転移の危険性もあるため、退院後の定期検診は必ず守る必要があります。
食道癌の手術の合併症とは?
- 感染症
- 出血
- 縫合不全
- 声帯の神経麻痺
- 誤嚥
- 肺炎
などが代表的なものになります。
この合併症を起こした場合、入院期間はさらに長くなることに・・・安静や絶食も必要になり、再手術を行う場合もあります。
合併症を起こしやすい人
- 高齢者
- 糖尿病患者
- 慢性肺疾患患者
- 血栓症
- 肥満
基本的に食道癌は術後の合併症も多いものですから、特に注意して経過をみていく必要があるというわけです。
最後に
- 食道癌の手術は平均して100万円程かかる
- 高額医療費制度を申請すると、月の支払額は9万円程に
- 食道癌の手術を行うと、入院期間は1ヶ月程平均してかかる
- 食道癌の手術時間は8〜10時間ほど
- 手術後は、2.3日の集中治療室での経過をみて一般病棟に移る
- 徐々に歩行を開始し、食事は1週間後から段階的に
- 合併症も多いため、注意が必要
手術後経過が順調で回復が早い人もいれば、食事が苦痛となり、うまく食べられないことに悩む方も多くいます。
回復には個人差があるので一概には言えませんが、不安材料は検診の度に担当医に相談し、解決法を生み出していくことで負担を少しでも減らすことができるでしょう。