Gallbladder polyp Eye-catching image2.jpg

 

胆嚢ポリープは胆嚢にできるポリープで、基本的に良性です。

人間ドックや健康診断のエコー検査(超音波検査)で指摘されることが多いものです。

ですが、どうしてこの胆嚢ポリープはできるのでしょう?

「何も思い当たることがない・・・もしや日頃の食事が関係する?」

など、気になってきます。

そこで今回は、胆嚢ポリープ(英語表記で「Gallbladder polyp」)について

  • 原因
  • 症状
  • 予防

をご説明します。


そもそも胆嚢ポリープとは?

胆嚢の粘膜にできる20mm以下の盛り上がりを、胆嚢ポリープといいます。

コレステロールポリープが大部分を占めます。

Gallbladder polyp 2

コレステロールポリープは5mm以下で多発することがありますが、良性疾患なため、治療の必要はありません。

ただし、10mm以上で、拡大傾向(大きくなってきている)を確認できたり、大きさを問わず広基性の場合は、胆嚢がんの可能性も出てくるため、手術で摘出する必要があります。

エコー検査とCT検査で見ると胆のうポリープは次のようになります。

症例 30歳代 男性

gallbladder polyp echo and CT findings

腹部エコーでは高エコー(白い)を示す7mm大のポリープを2箇所認めています。

典型的なコレステロールポリープを疑う所見です。

ポリープはCT検査で見えないこともありますが、この場合はCTでも確認することができます。

胆嚢ポリープの原因は食事!?

胆のうポリープの原因って何ですか?
思い当たる節がないんですが・・・食事が関係したりしますか?

胆嚢ポリープの原因は、胆嚢腺筋腫症の場合胆嚢の壁が何らかの影響によって厚くなったことが関係しますが、コレステロールポリープの場合、食事の仕方に問題があることが多いのです。

これは、胆嚢ポリープが胆汁の中にあるコレステロールによるものである場合が少なくないからですね。

つまり、普段から脂肪分の多いものを食べていると、胆嚢ポリープができる可能性が高くなるのです。

特に、以下のような食事は原因となりやすい傾向になります。
  • 脂身の多い肉やベーコン・ハム等の肉の加工食品
  • バターやチーズ
  • 油で揚げたスナック類
  • チョコレートやクッキー等

 

普段の食事を振り返った時に、このような食品を摂る機会が多いという自覚はありませんか?

food

食生活の改善をはかり、できるだけこれらの食品の摂取を控えるようにしましょう。

 

胆嚢ポリープはどんな人に多いの?

胆嚢ポリープができる人は、働き盛りと言われる世代でもある40~50歳代くらいの人が多いです。

男女合わせて、この年代の5%前後~10%くらいの人に胆嚢ポリープが見つかっています。

これはなぜでしょうか。

考えられる要因としては、40~50歳台になると基礎代謝が落ちてしまうことですね。

20~30歳代と比べても、格段に基礎代謝量が減少してしまう場合が多いのです。

そのため、食事の内容や量が変わらなくても、脂肪がつきやすくなったり太りやすくなったりし、結果として、コレステロール値も高くなりがちで胆嚢ポリープの原因となるのです。

胆嚢ポリープに症状はあるの?

胆のうポリープって症状がでるんですか?

胆嚢ポリープができていたとしても、自覚できるような症状はほぼありません

そのため、胆嚢ポリープの発見は、超音波検査を受けた時で、ほとんどが人間ドックや健康診断を受診することによるものです。

ですが、胆嚢腺筋腫症は胆石を合併していることが多いため、その場合、胆石症の症状として腹痛を伴う場合があり、時に激しい腹痛に襲われることもあります。

胆嚢ポリープの予防は?

胆嚢ポリープは定期的な検査が重要ですが、これ以上増やさない(多発するため)、という増加予防を行うことも重要です。

胆嚢ポリープを予防するには、さきほど挙げた原因に注目しましょう。

予防としては、食事の仕方や食生活の見直しをすることです。

これは、体内に余分な脂肪を溜めないような生活スタイルにすることにも繋がります。

  • 肉より魚介類
  • 油に注意
  • 糖分を控えめに

ということが重要になってきます。

それぞれについて説明します。

肉よりも魚介類を食べるようにする

魚に含まれるEPADHAコレステロール値を下げる効果があります。

油料理等には、えごま油や亜麻仁油を使う

これらの油に含まれるαリノレン酸コレステロール値を下げる効果があります。

糖分の摂取量を控える

糖分の摂取が多くなると中性脂肪の値が増え、結果として善玉コレステロールの減少を引き起こします。

そのため、悪玉コレステロールが優勢となってしまうのです。

日々の食生活の中で、魚介類を食べる機会を増やし、えごま油亜麻仁油を上手に活用したいですね。

また、糖分が多めの菓子類の摂取が過剰にならないよう、程度を考えて食するようにしましょう。

これらは何も胆嚢ポリープに限ったことではありません。

生活習慣病の予防全体に言える食事ですね。

参考文献:新 病態生理できった内科学 8 消化器疾患 P264
参考文献:消化器疾患ビジュアルブック P230
参考文献:病気がみえる vol.1:消化器 P398
参考文献:パッと引けてしっかり使える 消化器看護ポケット事典[第2版]  P154・155

最後に

  • 胆嚢の粘膜にできる20mm以下の盛り上がりを、胆嚢ポリープという
  • 胆嚢ポリープには、コレステロールポリープと胆嚢腺筋腫症がある
  • 原因は、コレステロールポリープの場合、食事が関係する
  • 40〜50代に多い
  • 食生活の見直しが重要

 

胆嚢ポリープができる原因として、食事に注目する必要があります。

悪玉コレステロール値が上昇する原因になる脂肪分の多い食品や糖分の多い食品は、過剰に摂らず控えめな摂取にとどめておきたいものです。

EPAやDHAを多く含む魚介類や、αリノレン酸が含まれるえごま油や亜麻仁油を上手に取り入れていきましょう。




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