尿失禁は意外と多くの人が密かに悩んでいる症状です。
外出中にうっかり漏れてしまって恥ずかしい思いをした・・・という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は尿失禁の具体的な治療法を紹介します。
自宅で出来る手軽な体操もありますよ!
詳しい内容はコチラ!
- 尿失禁の種類別の治療法
- 手術もある!
- 手軽にできる体操
以上です。それでははじめます!
尿失禁の種類別治療法
腹圧性尿失禁
腹圧性の場合、軽症であるなら骨盤底筋体操を行います。ですが体操だけですと効果が出るまで3カ月以上かかるため、薬物療法を行います。
使用する薬物はエストロゲン、β2刺激薬(クレンブテロール)が使われます。
β2刺激薬(クレンブテロール)
クレンブテロールは喘息などに使われる薬ですが腹圧性尿失禁でもよく使われます。
膀胱にはβ2受容体と呼ばれる場所があり、そこを刺激することで多くの尿を蓄積することが可能となり、尿失禁の改善につながります。
切迫性尿失禁
切迫性の場合はまず行動療法と薬物療法がメインの治療法になります。
行動療法
行動療法とは膀胱訓練です。
膀胱訓練は尿を我慢する訓練です。
トイレに行きたい時、別のことを考えて気を紛らわしたりして時間を取り、この時間を少しづつ伸ばしていくのです。
感じるままにトイレに行かないようにすることで膀胱に尿を溜めることが出来るようにします。
薬物療法
切迫性尿失禁には抗コリン薬が有効です。
アセチルコリンと呼ばれる神経伝達物質が排尿筋の受容体に結合するのを防ぎ、排尿筋の収縮を抑えます。
保存的治療方法で改善しない場合は手術も!
尿失禁の手術は以下のようなものがあります。
- 膀胱頚部挙上術
- 膀胱頸部スリング手術
膀胱頸部挙上術
この方法はTVT手術やTOT手術が出来る前はよく行われていた方法です。
短期的な経過は良好ですが長期的な経過があまり良くなかったため、現在はあまり行われていません。
膀胱頸部スリング手術
膀胱頚部スリング手術のスリングとは「吊り上げる」ということで尿道を支えるための手術です。
代表的な術式はこちらです。
- TVT手術
- TFS手術
- TOT手術
TVT(Tension-free Vaginal Tape)手術
この手術は尿道の裏側にメッシュテープを通して尿道を支える方法です。
支えることで尿道が折れ曲がり、尿漏れが起こりにくくなります。
メリットとデメリットをそれぞれ紹介します。
- メリット
- 重症の場合でも効果が高い
- 術中、術後の痛みが少ない
- デメリット
- 骨盤内の内臓を誤って刺してしまったり骨盤内の出血のリスクがある
- 術後の排尿困難が多い
TFS(tissue fixation system)手術
この手術は先ほど紹介したTVT手術の改良型で、TVT手術のデメリットが克服されています。
ただ保険適用外で費用がかかります。
TOT(Trans-Obturator Tape)手術
こちらも尿道の裏側にメッシュテープを通して尿道を支える手術です。
この手術は症状が比較的軽い場合に行われる手術です。
リスクも少なく術後の排尿困難も少ないのですが重症の場合は効果が低い手術です。
簡単にできる骨盤底筋体操
骨盤底筋体操の手順を紹介します。
まず4つの姿勢があります。
仰向けに寝て足を肩幅に開き、膝を軽く曲げる
床に膝をついて肘を床に置いたクッションの上に乗せて頭を支える(頬杖をつくような感じ)
両手を肩幅に広げて机に手をつき、体重をすべて腕に乗せる
椅子に座り足を肩幅に開いて足裏全体を床につける
これらの姿勢を取りながら動作をしますがその際の呼吸法です。
- 体の力を抜いてリラックスし、腹式呼吸をする
- まずは息を細く長く吐きながら力を抜く
- 吐ききったら深く吸う
背筋を伸ばして足を肩幅に開くとより効果的です。
次は実際の動作を紹介します。
肛門を締める
さきほど紹介した姿勢を取りながら肛門を締めていきます。
体の奥に肛門を引っ張り込むように膣を締めます。
尿道、膣を締める
骨盤底筋を締めたままで5つ数えます。
できるだけ強く長く締めます。
そして息を吸いながら肛門や膣を胃の方へ吸い上げるように持ち上げます。
こちらも5つ数えてからゆっくり力を抜きます。
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参考文献:病気がみえる vol.9:婦人科・乳腺外科 P114
参考文献:婦人科・乳腺外科疾患ビジュアルブック P140
まとめ
- 尿失禁の治療は体操と薬物を併用した方法と手術による治療法がある
- 膀胱訓練によって改善を目指す方法もある
- 手術は尿道にテープを通して支える方法が主な方法である
いかがでしたか?今回は尿失禁の治療法についてのお話しでした。
もし尿失禁が気になるならまずは手軽に体操から始めてみてはいかがでしょうか?
あまり一人で悩まず、病院で検査を受けてみましょう。