胃がんがあるかを直接見えるわけではありませんが、一般的にしんどいと言われる
- 上部消化管内視鏡(胃カメラ)
- 胃透視(バリウム)の検査
をどうしても受けたくないと言う人は、採血だけで検査できるABC検診がオススメです。
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ABC検査とは?
以下のように、ピロリ菌検査とペプシノーゲン検査の2つの検査の結果の組み合わせにより判定します。
ピロリ菌抗体 | ペプシノーゲン値 | 区分 | 判定 | 胃の状態 | 胃癌のリスク |
陰性 | 陰性 | A | 正常 | 正常 | 低い |
陽性 | 陰性 | B | 異常 | ピロリ菌感染あり。 | やや低い。 |
陰性 | 陽性 | C | 異常 | 胃粘膜が炎症を起こし、萎縮を認める状態。 | やや高い |
陽性 | 陽性 | D | 異常 | 胃粘膜の萎縮が進みピロリ菌も生存できない状態 | 高い。 |
この検査により、ピロリ菌感染の有無や、萎縮性胃炎の有無を判定できます。
- ピロリ菌感染の有無
- 萎縮性胃炎の有無(ペプシノーゲン値の測定によりわかる(PGⅠ/Ⅱの比))
という2つの観点から胃癌のリスクを評価して、リスクの高い人を内視鏡検査にまわすのがABC胃がんリスク評価とされます。
ただし、胃がんのリスク因子としてのピロリ菌と萎縮性胃炎の有無だけでは、胃がんの有無は判定できませんので、この検査で、特にCやDの場合は、やはり胃カメラやバリウムを行なう方がよいでしょう。
ちなみにともに陽性であるDの場合、年間100人に1人は胃がんにかかると言われています。結構な値ですね。
A群の人は絶対にがんにかからないわけではなく、10年後などに稀に起こることもあるので注意が必要です。
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ABC検診の問題は?
そんな一見便利なABC検診ですが問題点もあります。
- もともとピロリ菌陽性だった人が除菌をするとA群に分類される。
- CやDに分類されたらどうすればいい?
という点です。
ピロリ菌を除菌したらA群!
実はピロリ菌を除菌した場合はA群に分類されますが、偽A群とも呼ばれ、真のA群よりは胃がんにかかる確率は高いのです。もちろん除菌前よりは低くなりますが。
ですので、ピロリ菌除菌後の人はA群の人と同じように安心してはダメということです。特に除菌後5年後くらいからがんのリスクが上がるという報告もあり、注意が必要です。
CやDに分類されたら?
C群やD群に分類された場合、胃がんのリスクが高くなります。
この場合は、管理検診と言って、毎年胃カメラを受けるべきとされます。
特に、分類された後、次の年は受けるけれども、徐々に歳月と共に受診率が低くなるというデータがありますので、毎年受けるようにしましょう。
ペプシノーゲン検査とは?
ペプシノーゲンはPGと略されますが、2種類あります。
- ペプシノーゲンⅠは消化酵素ペプシンの前駆体であり、胃底腺の主細胞からのみ分泌される。
- ペプシノーゲンⅡは胃底腺だけでなく噴門腺、幽門腺、十二指腸のブルンネル腺からも分泌される。
そして胃の粘膜の萎縮が進むとペプシノーゲンⅠの値が低下しますが、個人差を考慮してペプシノーゲンⅡも入れたⅠ/Ⅱ比を測定するのがペプシノーゲン検査(PG法)なのです。
ペプシノーゲンⅠの値<70ng/ml 及び PGⅠ/Ⅱの比<3.0 を基準として萎縮あり(つまりペプシノーゲン検査陽性)と判定する施設が多いのです。
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