動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血となり、すぐに命に関わる致死的な病気の一つです。
脳ドックの最大の目的ともいってもいい脳動脈瘤の発見率はどれくらいなのでしょうか?
またどんな動脈瘤が破裂しやすいか、どのようなMRI装置で検査をしたほうが良いかも含めてまとめました。
脳ドックでの動脈瘤の発見率は?
脳ドックに関係なく、日常診療において発見される動脈瘤の発見率は、2-6%程度と言われています。
脳ドックでも、その頻度はほぼ同等で2-5%程度と言われています。
つまり、100人脳ドックを受けて、だいたい2-5人に動脈瘤が見つかるということです。
結構多いですね・・・。
脳ドックでは、MRA(MRアンギオグラフィー)という方法で、造影剤を使わずに脳の動脈を立体的に写します。下は正常な人のMRAです。動脈瘤は、こうした血管の枝分かれの部分にできやすいとされています。


脳ドックにかかる費用の目安は、頸動脈エコーの費用は?保険は使える?自費になる場合と脳ドックの費用の目安で紹介しています。
動脈瘤すべてが危険な訳ではない!
脳動脈瘤が見つかってもサイズが小さいものや部位や、動脈瘤の形によって破裂しやすさがあります。もちろん例外もありますが、破裂しやすさの目安があります。
サイズが小さく、破裂しにくい動脈瘤が見つかった場合は、すぐに治療せず、医師の指示に従って定期的に画像検査で経過をみることが多いです。
破裂しやすい動脈瘤とは?
破裂しやすい動脈が見つかれば、治療を検討することになります。では、破裂しやすい動脈瘤とはどのような動脈瘤なのでしょうか?
- 大きさ5~7mm以上の未破裂脳動脈瘤
- 5mm以下であっても、
a.脳動脈瘤による症状がある場合。
b.後方循環、前交通動脈、内頚動脈-後交通動脈部などの部位に存在する脳動脈瘤
c Dome/neck aspect比が大きい・不整形・ブレブを有するなど破裂のリスクが高いと予想される形態的特徴をもつ脳動脈瘤
このような動脈瘤が破裂しやすいとされ、治療が検討されます。

つまり、
- 大きい動脈瘤
- 動脈瘤による症状がある場合
- 破裂しやすい部位にある場合
- 破裂しやすい形をしている場合
の動脈瘤の場合は要注意ということですね。
さらに、
動脈瘤の年間破裂率は
日本人約5,700人の調査(UCAS Japan 2012)では、3mm以上の未破裂脳動脈瘤で、年に約0.95%でした。
大きさでは、3〜4mmの動脈瘤を基準にすると、破裂しやすさ(ハザード比)は
- 5〜6mmで1.13倍(差ははっきりしませんでした)
- 7〜9mmで3.35倍
- 10〜24mmで9.09倍
- 25mm以上で76.26倍
だったという報告があります。
サイズが大きいほど、破裂しやすいことは確かなようですね。
また、同じ調査では、中大脳動脈の動脈瘤と比べて、
- 前交通動脈で2.02倍
- 後交通動脈で1.90倍
破裂しやすかったと報告されています。部位によって破裂しやすさが違うのですね。

脳動脈瘤を見つけるには、1.5T(テスラ)以上のMRI装置で検査を!
磁場の低いMRI装置を用いると脳動脈瘤があっても見えないことがあります。
せっかく人間ドックを受けて、病気があるのに写らないのはそれはそれで困りますよね。
人間ドックでは、以下のようなMRAで脳動脈瘤の有無を主にチェックしますが、用いている装置が1.5T以上であることをチェックしましょう。
新しい装置ですと、3Tの装置を配備している人間ドック施設もあります。
3Tの装置の場合、1mm程度の小さな動脈瘤も検出でき、カテーテル血管造影とよく一致したとの報告があります(少数例の検討です。Tang PH ら Ann Acad Med Singapore 2007;36:388-393)。
参考までに、
3T装置で撮影すると、小さな動脈瘤も見つけやすくなるとされています。ただし、MRAで十分な情報が得られない場合は、CTA(CT angio)といって、造影剤を用いたCT検査や、施設によっては血管造影(血管カテーテル検査)が行われることもあります。
(画像診断ガイドライン2013版)
(UCAS Japan Investigators. N Engl J Med 2012;366:2474-82. PubMed)
MRI検査を受けるときの注意点は、MRI検査の注意事項は?受けられない人・食事制限・外すものを解説で確認できます。
最後に
破裂しやすい脳動脈瘤が見つかった場合は、治療を検討することになります。治療の対象になるとは限りません。というのは治療により合併症が生じることもあるからです。破裂するかもわからない脳動脈瘤の治療により、合併症が残ってしまう可能性があるのです。破裂のリスクと合併症のリスクどちらが高いのかをよく考えなくてはなりません。
専門科を受診して、担当の医師とよくお話をして、治療方針を決めていきましょう。







