子宮筋腫といえば、女性特有の病気で、良性のため、危機感を持たずに放置してしまっている人も多い病気です。
しかし、この子宮筋腫、そのままにしておくと不妊の原因となったり、筋腫が巨大化する危険性もあるので注意が必要となります。
私自身も子宮筋腫を患い治療しましたが、病気となると進行度合いと共に心配なのは、費用はどれくらいかかるのか?ということ。
保険が適用されるのかどうかも気になりますよね。
そこで今回は、
- 子宮筋腫の治療は保険適用されるのか
- 子宮筋腫の治療や手術の費用と入院期間
- 漢方は保険適応される?
これらについて徹底的にまとめてみましたよ。
ぜひ最後までご覧くださいね。
子宮筋腫の治療は保険適用される?
結論から申しますと、一般的な子宮筋腫治療の場合、保険適用になります。
ただし、最先端治療の場合は、保険適用にはなりません。
また、検査の段階では定期検診の場合は保険適用となりませんが、症状があっての検査の場合は、保険適用となります。
まずは、子宮筋腫の治療法について詳しくみてみましょう。
子宮筋腫の治療法
子宮筋腫には様々なケースがありますので、それぞれのケースに合わせての治療になります。
子宮筋腫の治療法を以下の表にまとめてみました。1)
薬物療法 |
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手術療法 |
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特殊な治療 |
|
この中から最適な治療法が選ばれます。
ほとんどの治療が保険適用ですが、保険適用ではない治療もあります。
それは最先端治療です。
次で説明しますね。
保険適用にならない治療法とは?
上記の治療法の中で、保険適用されない最先端の治療法は、集束超音波治療(FUS:Focused Ultrasound Surgery)です。
この治療は、MRI画像で確認をしながら超音波のエネルギーを熱エネルギーに変換することで、患部を焼灼させる治療です。
切らずに日帰りで治療できるのがメリットです。
この治療では、子宮筋腫のサイズを小さくすることで、様々な症状(過多月経、月経痛など)を軽減することを目的とします。
ですので、核出術などと異なり根治的な治療ではありません。
一般的に、筋層内の子宮筋腫であり、筋腫核が3個以下、最大直径10cm以下の筋腫に適応2)があります。
また以前は、マイクロ波子宮内膜焼灼術(MEA:microwave endometrial ablation)も保険適用ではなかったのですが、有効性が評価されて、平成24年4月から保険適用になりました。
薬物療法で保険適用にならないものもあるの?
そして、基本的に薬物療法は保険適用ですが、薬の中でも保険適用にならないものもあります。
それは、ルナベルなどの低用量ピルです。3)
低用量ピル以外は、ナサニール・スプレキュアなどの点鼻薬なども全て保険適用となっています。4)
ただ、薬物療法の場合は、一時的に筋腫を縮小させることができますが、根治にはなりません。
閉経期逃げ込みを目指す場合か、手術前の筋腫の縮小と貧血の改善を目的とする場合に適応される療法です。
ミレーナ®︎は保険適用される?
上記の治療法の中にはありませんが、ミレーナ®︎での治療をする場合もあります。
ミレーナ®︎とは、子宮内に装着することで、子宮内膜の増殖を抑えることができる器具です。
持続的に薬剤が放出され、最長で5年間効果が持続します。
保険適用前までは、避妊器具として利用されることが多かったのですが、過多月経や月経困難症の場合に、保険適用されることになりました。
子宮筋腫は過多月経や月経困難症を引き起こしますので、保険適用の対象となることもあります。
しかし、基本的に子宮筋腫などの原疾患がある場合は、その原疾患の治療を優先させなければならないということになっていますので、使用する際は医師としっかり相談して治療方針を決めましょう。
ミレーナ®︎も薬物療法同様、症状を和らげるためのものであり、根治することはできません。
では、次に治療や手術の費用がどれくらいかかるのか見ていきましょう。
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子宮筋腫の治療や手術の費用はどれくらいかかる?
ご覧ください。
医療機関や入院期間によって、料金は異なります。
手術の場合は、高額療養費支給制度が適用になる場合がありますので、事前に手術の費用がどれくらいになるのか聞いておくのがオススメです。
事前に申請しておくことで、自己負担の限度額までの支払いのみになるので、全額用意する必要がなくなります。
手術前に加入している健康保険に申請して限度額適用認定書を交付してもらい、病院に提出することで、窓口の支払額が限度額のみとなります。
関連記事)手術が必要な筋腫の大きさとは?その他の治療方法は?
漢方薬は保険適応される?
子宮筋腫の症状を漢方で緩和したいという方もいらっしゃると思います。
漢方薬は、保険がきかず高額になるイメージですが、厚生労働省に認められた「医療用漢方製剤」であれば、保険が適応されるので、3割負担で治療することができます。6)
漢方薬局での処方は、保険がきかず自費になることもありますので、治療費が高額になる場合があります。
漢方での治療も、GnRHゴナドトロピン療法やピルなどの薬物療法同様に、根治するわけではありませんので、あくまでも一時的な症状緩和のための治療です。
参考
1)婦人科・乳腺外科疾患ビジュアルブック p202-203
2)板橋中央総合病院 HP
3)医薬品インタビューフォーム ルナベル®︎配合錠
4)医薬品インタビューフォーム ナサニール点鼻薬®︎0.2%
5)医薬品インタビューフォーム ミレーナ®︎52mg
6)漢方のツムラ HP
最後に
今回の内容をまとめます。
- 一般的な子宮筋腫の治療は保険適用となる
- 最先端治療集束超音波治療(FUS)は保険適用外
- 一部保険適用外の治療薬もある
- ミレーナは平成26年9月から保険適用
- 子宮筋腫の治療や手術の費用について
- 病院や入院期間によっても多少費用が異なる
- 漢方薬は医療用漢方製剤の場合であれば保険適用される
ひと月にかかった医療費が一定額を超えた場合、高額医療費制度が利用できます。
しかし、それは保険適用の場合のみで、保険適用外のものは利用できません。
また、早期発見出来ると早期治療ができ、かかる費用も抑えることが出来るので、子宮筋腫は放置せずに早めの治療をオススメします。