低血圧と貧血の症状は似ていますが、違いはあるのでしょうか。
また、低血圧と貧血には何らかの関係性があって併発する可能性もあるのか気になりますよね。
似たような症状ですから、治療方法が似ているのが違いがあるのかも知りたいものです。
そこで今回は、低血圧と貧血の関係性についてご説明します。
先に結論
- 低血圧は血圧が低い状態、貧血は血液中のヘモグロビン(赤血球の中の色素)が少ない状態で、別のものです
- 立ちくらみ、めまい、だるさなど、症状は似ています
- 低血圧と貧血は別々に起こることが多いものの、重なる場合もあります(出血が多いときなど)
- 見分けるには、血圧の測定と血液検査が必要です
- 治療も異なります。貧血は原因(鉄欠乏など)に応じた治療、低血圧はタイプに応じた対応です
低血圧と貧血の違い
| 低血圧 | 貧血 | |
|---|---|---|
| 何が低い? | 血圧 | 血液中のヘモグロビン(血色素量) |
| 調べ方 | 血圧測定 | 血液検査 |
| 主な症状 | 立ちくらみ、めまい、だるさ | 立ちくらみ、めまい、だるさ、動悸、息切れ |
| 主な対応 | タイプに応じた生活の工夫、原因の治療 | 原因に応じた治療(鉄欠乏性貧血では鉄剤など) |
低血圧と貧血、症状は似てるけど違いはあるの?

低血圧と貧血の症状で、似ている点は、立ちくらみやめまいがありますね。
また、食欲が落ちてきたり、だるさを感じたりするといった症状も似ています。
しかし、低血圧と貧血は全く違うものなのです。
何故なら、低血圧の症状は、血圧が低めであることが原因で起こるからです。血圧は、数値だけでなく、普段の血圧や症状とあわせて判断されます。
一方、貧血の症状は、血液に含まれるヘモグロビン(血色素量)が少ないことが原因で起こります。日本人間ドック・予防医療学会の判定区分(2026年4月改定)では、ヘモグロビンが男性で13.0g/dL以下、女性で12.0g/dL以下になると「要再検査」以上の判定になります(男性12.0以下、女性11.0以下は「要精密検査・治療」)。基準値は施設や測定法で多少異なります。
このように原因となるものが全然違うというわけです。

貧血の目安になるヘモグロビンの基準値と、低いときの原因は、血色素量(ヘモグロビン・Hb)の基準値は?低い・高いときの原因と再検査の目安で解説しています。
低血圧と貧血、併発することもあるの?関係性は?

低血圧と貧血は、もともと別の状態です。
ですから、低血圧だからという理由で貧血になるわけではありませんし、貧血だから低血圧であるとも限りません。
ただし、両方が重なることはあります。たとえば、出血が多いときは、貧血が起こるとともに血圧が下がることがあります。
このように重なると、立ちくらみやふらつきなどの症状が強く現れることがあるので気をつけたいですね。
低血圧と貧血、治療方法も違うの?

低血圧と貧血は症状が似ていますが、生じる原因が違いますよね。
ですから、治療方法も違うのです。
まず、低血圧ならば、『低血圧の症状は?チェックしてみよう』でご説明したように各タイプによって治療方法に違いが出てきます。
- 本態性低血圧症…低血圧になる原因が特に見当たらないため、まず、生活習慣を見直して規則正しい生活を送るようにします。
- 起立性低血圧症…急な動作によって症状が出ることが多いため、急くことなくゆっくりめの動きを心がけます。
- 症候性低血圧症…原因となる病気を治癒するための治療を行うようになります。
その上で、必要と判断される場合には、薬を投与する薬物療法も併用することもあるのです。
これについては、『低血圧の治療とは?病院は何科を受診すればいい?』もご参照下さい。
次に、低血圧の症状と似た立ちくらみやめまい等を起こしている原因が貧血ならば、鉄分の不足によって生じていることが少なくありません。
そのため、病院を受診して血液検査をし、鉄欠乏性貧血と判断された場合には、鉄剤を服用することで症状の改善を図ります。
もちろん、貧血にも様々な原因による各種類があり、鉄欠乏性貧血以外のものもあるのです。
ですから、気になる症状があれば、早めに病院を受診することが大切ですね。

低血圧の改善をめざす食事の工夫は、低血圧には食事改善を!チェダーチーズから高野豆腐まで食材まとめ!で解説しています。
こんなときは早めに受診
- 立ちくらみで倒れそうになる、意識を失ったことがある
- 動悸、息切れ、胸の痛みを伴う
- 黒い便や血便、月経の量が多いなどの出血に心当たりがある
- 健康診断でヘモグロビンの低下を指摘された
よくある疑問
Q. めまいがするとき、何科を受診すればよいですか?
まずは内科で、血圧の測定と血液検査を受けると、低血圧か貧血か、またはほかの原因かを調べやすくなります。症状に応じて、循環器内科や婦人科などを紹介されることもあります。
Q. 健診でヘモグロビンが基準より低いと言われました。放置してよいですか?
貧血の原因には、鉄欠乏のほか、出血や病気が隠れていることもあります。判定が「要再検査」「要精密検査」の場合は、結果に記載された指示に従って受診してください。
Q. 自分で鉄のサプリメントを飲んでもよいですか?
貧血の種類によっては鉄が合わないこともあります。まず検査で原因を確かめてから、医師と相談するのが安心です。
参考:日本人間ドック・予防医療学会 基本検査項目の判定区分(2026年4月1日改定) https://www.ningen-dock.jp/other_inspection
最後に
低血圧と貧血の症状は似ていますが、各症状が起こる原因に違いがあります。
ですから、低血圧と貧血は別の状態で、重なって起こることもあるのです。
そのため、症状は似ていても、低血圧と貧血では治療方法にも違いがあります。
適切な治療をするためにも、気になる症状があれば早めに病院を受診して、低血圧からくるものか貧血からくるものか専門医の判断を仰ぐと良いですね。





