健康診断や人間ドックを受けると、しばらくして検査結果が届きます。
検査結果では、
- 異常なし
- わずかに基準値外だが異常のない程度
- 再検査までは必要ないものの、経過観察
- 異常があるかも、再検査
- 何らかの異常を認めるため、要精密検査
と表記されます。
しかし、心電図で異常=心臓に問題が?!
というように、再検査となると不安もつきまといます。
今回は心電図の再検査について
- 再検査の方法(精密検査)
- 考えられる異常
- 注意点
などをご説明したいと思います。
心電図で再検査になったら・・・精密検査は?
再検査となったからといって、必ずしも異常があるわけではありません。
病気の有無を確認するためには、以下のような精密検査が必要です。
- ホルター心電図
- 運動負荷心電図
- 胸部X線検査
- 心エコー検査
- その他の検査
ホルター心電図
胸に直接電極を貼り付けて、心臓の動きを記録する検査で、頻繁に起こるわけではない異常のために、1日中記録できる携帯型のものが使用されます。
運動負荷心電図
通常では起こらない異常を、実際に運動を行い、負荷をかけることで調べる検査です。
- マスター2段階法・・・踏み台昇降
- トレッドミル法・・・電動歩行(ルームランナー)
- エルゴメーター法・・・固定式自転車(エアロバイク)
などが使用されます。
胸部X線検査
心臓全体を写し、心肥大・心拡大または、肺の異常による影響を確認します。
心エコー検査
胸に超音波を当てて検査をする方法で、心臓内部の心房・心室・心室壁・弁の形状などを映し出します。
その他の検査
- CT
- MRI
- 心筋シンチグラフィー
- 心臓カテーテル検査
などが、時と場合によって用いられます。
心電図の結果が再検査となったら・・・考えられる異常は?
心電図検査では、
- 心臓のリズム(不整脈の有無)
- 心臓の筋肉の病気(心肥大・狭心症・心筋梗塞・心筋症・心筋炎)
- 心臓を包む心膜の病気
などが分かります。
しかし、心電図の結果が再検査となっても、必ずしも病気とは限りません。
心電図検査では、再検査と通知が来ても、心臓に問題のない健康な人にも見られる機能的な問題の場合や病的な問題の場合、この両方が含まれています。
そのため、再検査となっても、それで問題がないと分かれば健康の安心材料にもなりますし、異常が見つかれば、早期発見や予防も可能になります。
つまり、再検査でおこなう鑑別のための精密検査は、どちらにとっても重要なことなので、必ず受ける必要があります。
心電図検査を受ける際の注意点は?
緊張が心電図にも伝わりますので、リラックスして臨むために、服装にも注意が必要です。
- ストッキングを脱ぐ
- 靴下を脱ぐ
- 時計やブレスレットを外す
など、女性は特に窮屈な下着は控えましょう。
また、負荷試験を受けるにあたり、足が悪い方は、事前に医師に相談しましょう。
その他、検査中に胸の痛みなどが出た場合は、我慢せずに医師に伝える必要があります。
参考文献:四訂版 病院で受ける検査がわかる本P78~83
参考文献:新 検査のすべてがわかる本P154~157
参考文献:検査のしくみ 検査値の読み方P116
参考文献:きょうの健康 検査でわかることP100~109
参考文献:病気がみえるvol.2循環器P356・357
最後に
- 心臓のリズム・心臓の筋肉の病気・心臓を包む心膜の病気が心電図から分かる
- 詳しい診断には、精密検査が必要
心電図で再検査になっても、中には緊張のドキドキが伝わり、本来なら異常がないのに、出てしまうこともあります。
逆に、異常があるのに、検査した時にはたまたま出なかったという場合もあります。
そのため、気になる症状がある場合には、精密検査が必要となるわけです。