高脂血症(脂質異常症)は何科に行けばいい?診断基準・治療法・薬の種類

 

高脂血症(脂質異常症)と診断された場合には、放置せずに治療を受けることが大変重要となります。(現在は、「脂質異常症」という呼び方が使われています。)

なぜなら、高脂血症を放置すると動脈硬化が進み、最終的に命にかかわる心筋梗塞や脳梗塞の原因となるからです。

しかし、治療となると、病院は何科に行くべきなのでしょうか?

また、その治療法はどの様なものなのでしょうか?

そこで今回は、高脂血症について

  • 何科に行けばいいのか?
  • 治療法
  • 薬

以上についてまとめました。

先に結論

  • まずは内科(かかりつけ医、生活習慣病を診る内科)を受診します。心臓や血管の病気がある場合は、循環器内科が担当することもあります
  • 日本動脈硬化学会は、LDLコレステロール140mg/dL以上、HDLコレステロール40mg/dL未満、中性脂肪(トリグリセライド)150mg/dL以上で脂質異常症を疑うとしています
  • 治療は食事療法と運動療法が基本で、効果が十分でない場合や危険が高い場合は薬物療法を加えます
  • 治療の目標値は、年齢・糖尿病・高血圧・喫煙・心筋梗塞の既往など、危険因子によって人ごとに異なります
  • 自覚症状はほとんどないため、健診で指摘されたら放置しないことが大切です

脂質異常症を疑う基準

項目 日本動脈硬化学会が疑うとする値
LDLコレステロール 140mg/dL以上
HDLコレステロール 40mg/dL未満
中性脂肪(トリグリセライド) 150mg/dL以上

日本人間ドック・予防医療学会の判定区分(2026年4月改定)では、LDLコレステロールは120〜139が軽度異常、140〜179が要再検査・生活改善、180以上が要精密検査・治療です。基準値は施設や測定法で多少異なります。

高脂血症は何科に行けばいいの?

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人間ドックで高脂血症と言われたのですが、何科に行けばいいのでしょうか?
一般的に、まずは内科を受診してください。

内科は、内臓に関する病気を診るところですが、近年では専門化が進み、大きな病院では以下のように分かれます。

  • 循環器科(心臓や血管の病気を専門とし、心筋梗塞など心臓や血管の病気を併せ持つ場合に担当することが多い科)
  • 消化器科
  • 呼吸器科
  • 神経内科
  • 腎臓内科、内分泌代謝内科(糖尿病・脂質異常症など)など

そこで、高脂血症などの生活習慣病の様に何か調子が悪いとき、健診などで異常を言われたときは、まずは内科で相談して下さい。

内科で健診結果を相談する男性のイラスト

人間ドックでC判定と言われたときの考え方は、人間ドックでC判定!経過観察で問題ない?で解説しています。

高脂血症の治療にはどんなものがある?

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高脂血症の治療にはどんなものがありますか?
この病気の治療は、まず、食事療法と運動療法からスタートします。

それでも効果が十分でない場合には、薬物療法を併用します。治療の目標値は、危険因子の数などで人ごとに異なります(日本動脈硬化学会)。

大切なのは最初から薬に頼らないことです。

高脂血症(脂質異常症)と診断されたら、放置しないでしっかり治療を受けることが大変重要となります。

食事療法

食事療法は、高脂血症の種類によって違いがありますが、ここでは基本的なポイントを紹介します。

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標準体重を目指す

適切なエネルギーを摂り、肥満を解消し、標準体重を目指しましょう。

中性脂肪を増やさない

過剰な糖質の摂取やアルコールの飲み過ぎを控えることが中性脂肪を増やさない事につながります。日本動脈硬化学会は、中性脂肪が高い場合、アルコールを1日25g以下に抑えるよう示しています。

休肝日を設ける

アルコールを摂らない日を設けることも大切です。

コレステロールの多い食品を控える

LDLコレステロールが高い場合は、日本動脈硬化学会の案内で、1日のコレステロール摂取を200mg未満に減らすとLDLコレステロールの低下が期待できるとされています。例として、レバーや臓物類、卵類などを控え、あわせて飽和脂肪酸(脂身のついた肉、バター、生クリームなど)やトランス脂肪酸(マーガリン、洋菓子、スナック菓子など)の多い食品も控えるようにしましょう。LDLコレステロールが高くなく、ほかの危険因子もない場合は、コレステロールを制限する必要はありません。

コレステロールの吸収を抑える働きのある植物繊維の多い食品の摂取

例として、未精製の穀類、大豆製品、野菜、海藻、きのこ、こんにゃくなどを多く摂るようにしましょう。

コレステロールや中性脂肪を低下させる作用のある食品の摂取

例として、大豆製品(大豆、豆腐、納豆)や青魚(いわし、さんま、さばなど)を多く摂るようにしましょう。

減塩を心がけた日本食を基本に

日本動脈硬化学会は、減塩を心がけた日本食パターンの食事を動脈硬化の予防に勧めています。

運動療法

運動療法は、食事療法と同じぐらいに治療には欠かせないものです。

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日本動脈硬化学会によると、運動療法には中性脂肪を下げ、HDL(善玉)コレステロールを上げる効果が期待できます。

運動する際のポイント

運動を始める前に医師に相談

特に、高血圧や糖尿病、心臓の悪い人などは自己判断せずに、事前に医師に相談するようにして下さい。慣れない運動で筋肉や骨を痛めることがあり、動脈硬化がある場合は激しい運動で心筋梗塞などの危険もあります。

有酸素運動

脂肪を燃焼させるために、有酸素運動が効果的です。

代表的な有酸素運動には、ウォーキングや速歩、水泳、サイクリングなどがあります。

継続

日本動脈硬化学会は、中強度(ややきつい程度)の有酸素運動を、1日合計30分以上、週3回以上(できれば毎日)行うことを目標に示しています。日々の身体活動を増やすことも有用です。

運動が苦痛にならない為にも、 自分の生活環境と趣味にあったものを選ぶようにして下さいね。

 

動脈硬化に関わる頸動脈のプラークを改善する食事や運動は、頸動脈のプラークを改善するには?食事・運動・お酒の注意点と控えめにしたい食品で解説しています。

高脂血症の薬は?副作用は?

食事療法と運動療法を続けても効果が十分でない場合には、薬物療法を併用します。

どのくらいの期間で薬を始めるかは、動脈硬化の危険の程度によって異なります。また、遺伝的に高くなる家族性高コレステロール血症では、早い段階から薬物療法が検討されます。薬の種類や量は、医師の判断で決められます。

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治療薬は、以下の2つに分類されます。

  • LDLコレステロールを減らす薬剤
  • 中性脂肪を減らす薬剤
以下にその種類を記載します。

LDLコレステロールを減らす薬剤

HMG-CoA還元酵素阻害薬(コレステロール合成阻害薬)

コレステロールが肝臓で合成される際に使用される酵素の働きを阻害し、肝臓でのコレステロールの生成を抑える薬です。

副作用

腹痛や発疹、倦怠感など。

頻度は稀だが、重篤なものとして、横紋筋融解症(運動とは関係ない筋肉痛、手足の力が入らないなど)、末梢神経障害などがある。

陰イオン交換樹脂

腸で胆汁酸を吸着し、腸から再吸収されるのを抑える薬です。

そのため、肝臓でコレステロールから胆汁酸がつくられる量が増え、血液中のコレステロール値が下がります。

副作用

便秘や腹痛、吐き気、食欲不振、下痢、発疹など。

頻度は稀だが、重篤なものとして、腸閉塞がある。

プロブコール

血液中のコレステロールの排泄を促進し、肝臓でのコレステロールの生成を抑制する働きがある薬です。

副作用

軟便や下痢、腹痛、吐き気、食欲不振、発疹など。

頻度は稀だが、重篤なものとして、不整脈や動悸、胸の痛み、横紋筋融解症(運動とは関係ない筋肉痛、手足の力が入らないなど)など。

中性脂肪を減らす薬剤

フィブラート系薬

この薬剤は、肝臓内での中性脂肪産生を抑制し、末梢組織にて中性脂肪を遊離脂肪酸に分解させる反応を促進します。

そのため、血液中を流れる中性脂肪を減らすことにつながります。

副作用

頻度は稀だが、重篤なものとして、横紋筋融解症(運動とは関係ない筋肉痛、手足の力が入らないなど)や肝機能障害など。

イコサペント酸エチル(EPA製剤)

この成分は青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸で、中性脂肪を減らす効果があります。

また、血液の凝固を防ぐ働きもあり、動脈硬化の予防にもつながります。

副作用

悪心や吐き気、腹部不快感、便秘、下痢など。

頻度は稀だが、重篤なものとして、肝機能障害や黄疸。

ニコチン酸製剤

ビタミンの一種であり、肝臓で中性脂肪が作られるのを抑えます。

また、LDLコレステロールが減る一方で、HDLコレステロール値を上げる効果もあります。

副作用

稀に、皮膚や顔の紅潮やほてり、痒み・吐き気や食欲不振など。

高脂血症の薬の種類と主な副作用をまとめた表

EPAを含むオメガ3脂肪酸の効果や摂取量の目安は、オメガ3脂肪酸の効果・効能・副作用まとめ!年齢別摂取基準は?で解説しています。

よくある疑問

Q. 自覚症状がなくても受診が必要ですか?

脂質異常症は、自覚症状がほとんどないまま動脈硬化が進むことがあります。健診で指摘されたら、症状がなくても内科で相談してください。

Q. 卵は食べてはいけませんか?

LDLコレステロールが高い場合は、卵類を含むコレステロールの多い食品を控える必要があります。一方、LDLコレステロールが高くなく、ほかの危険因子もない場合は、制限の必要はありません(日本動脈硬化学会)。自分の場合はどうかを、主治医に確認しましょう。

Q. 薬を始めたら、ずっと飲み続けますか?

薬は、血液検査の結果と危険因子をみながら、医師が続けるかどうかを判断します。自己判断で中止せず、気になる副作用があれば医師や薬剤師に相談してください。

気になる症状や結果があれば、医療機関に相談してください。

参考:日本動脈硬化学会 一般の皆さまへ「健康診断で異常を言われたら?」 https://www.j-athero.org/jp/general/3_kenkoushindan
参考:日本動脈硬化学会 一般の皆さまへ「動脈硬化性疾患の発症を予防するためには?」 https://www.j-athero.org/jp/general/4_atherosclerosis_yobou
参考:日本動脈硬化学会 コレステロール摂取に関するQ&A https://www.j-athero.org/jp/general/5_colqa
参考:日本人間ドック・予防医療学会 基本検査項目の判定区分(2026年4月1日改定) https://www.ningen-dock.jp/other_inspection

最後に

今回のポイントのまとめ!
  • 高脂血症(脂質異常症)と診断された場合には内科に行く。
  • 食事療法と運動療法を続けても効果が十分でない場合には、薬物療法を併用する。
  • 高脂血症(脂質異常症)と診断された場合には、放置しないでしっかり治療を受けることが大変重要となる。

 

高脂血症(脂質異常症)の治療法は、上記でお伝えしたように、まずは食生活の改善と適度な運動を実行していく事が大切です。

長年の生活習慣をすぐに変えるのは簡単な事ではありませんが、日々の生活習慣を変えていくことで、検査値の改善が期待できます。

また、生活習慣を改善する事で、糖尿病や高血圧の予防にもつながります。