「PET検査を受けると被曝(ひばく)するのでは?」原発の事故以来、そのような心配をなされる方が、以前よりも増えているのが事実です。
実際、PET検査は被曝します。では、その量はどれくらいでどのような影響があるのでしょうか?そこで今回はPET検査による被曝量についてまとめてみました。
PET検査による被曝とは?
PET検査にはFDGという薬剤を用います。このFDGからγ線(ガンマ線)という放射線が放出されます。そのFDGを体内に注射しますので、FDGから被曝するということになります。
気になるFDGからの被曝量は、1回の検査あたり
- 3.5-4.0mSv(ミリシーベルト)程度
と言われています。
PET検査による被曝量は多いの?
飛行機に乗ると被曝量が増えますし、世界の国によっても被曝量は異なります。
日本で生活していて1年間で受ける被曝量が2.4mSv程度と言われています。
ですので、それよりもやや多い被曝量ということになります。
この3.5-4.0mSvは基本的には人体には影響のないレベルです。
PET/CT検査は被曝量が一気に増える!
では、PET検査は被曝量が少ないので、どんどん受けてもよいのかというと決してそんなことはありません。
一つ大きな落とし穴があります。
それは、現在はPET検査では多くの施設では、同時にCTを撮影して、PET/CT検査を行っています。
その理由は、PET検査で光っているところ(集積が強いところ)が、実際の体の臓器のどこに相当するのかは、なかなかPET検査だけではわからず、CT検査と融合することで、初めてわかることが多いからです。
このCTを撮影すると、被曝量は一気に増えます。
- 吸収補正CT:1.4-3.5mSv
- Fusion用CT:10mSv程度
の被曝量が加算されます。
合計すると1回のPET-CT検査で
- 15-17mSv程度の被曝量
を受けるということになります。
被曝量が増えていくと、発がんのリスクが増えていきます。
もちろん1回受けるだけで、がんのリスクが上がるという根拠はないのですが、短期間に繰り返し受けて被曝量が増えてくると、発がんとの相関関係があることはわかっています。
検診目的の場合、1年に何回も受ける検査ではないことは覚えておきましょう。多くても1年に1回、若い人ですとそれでも多いと言われています。