高血圧に効果的とされ、特定保健用食品としても注目されている成分にサーデンペプチドがあります。
サーデンとは「新鮮なイワシ」という意味です。
イワシに含まれるこのサーデンペプチドという成分がなぜ高血圧に効果的とされるのでしょうか?
そこで今回は、
- 血圧が上昇するメカニズム
- 血管を収縮させる物質
について説明した上で、
サーデンペプチドがどのように血圧に働きかけるのかを図を用いて解説しました。
血圧が上昇するメカニズム
まず人体の血圧の調整に働くものには、大きく分けて
- 心臓の収縮力
- 循環血液量
- 血管の容積
の3つがあります。
心臓の収縮力が強いほど、循環血液量が多いほど、血圧は上昇する方向に向かいます。
また血管の容積は、血管が収縮することで血管の容積が減少し、血圧が上昇する方向に向かいます。
血管を収縮させる物質は?
ではこの血管を収縮させて血圧を上げる物質にはどのようなものがあるのでしょうか?
- アドレナリン
- アンジオテンシンⅡ
といった血中の成分が血管の収縮に作用します。
アンジオテンシンⅡは、レニンアンジオテンシン-アルドステロン系と呼ばれる経路で産生され、血管を収縮させることで血圧を上げる作用があります。
この経路が発動するのは、末梢の血流が減り、腎臓の灌流圧が低下した際に、腎臓の腎臓の輸入細動脈に存在するある傍糸球体細胞からレニンという物質が分泌されることから始まります。
アンジオテンシンⅡが産生される機序は?
先ほど説明したように、アンジオテンシンⅡには血管を収縮させて血圧を上昇させる作用があります。
この物質には前駆体があり、それをアンジオテンシンⅠと言います。
このアンジオテンシンⅠをⅡに変換するのがアンジオテンシン変換酵素(ACE:読み方は「エース」)です。
そのままですね(^^;;
血圧上昇を防ぐためには?どこに作用する薬がある?
では、血圧が高くなるのを防ぐためには、どのように作用する薬があればいいでしょうか?
医療の現場で使われている薬が作用する部位は下の図のように主に2箇所です。
すなわち、
- アンジオテンシン変換酵素を阻害する薬であるACE阻害薬
- アンジオテンシンⅡが受容体にくっつくのを阻害する薬であるARB
の2種類です。
※ACE阻害薬はアンジオテンシン変換酵素阻害薬(Angiotensin Coverting Enzyme Inhibitor)の略です。
※ARBとは、アンジオテンシンII 受容体拮抗薬(AngiotensinII Receptor Blocker)の略です。
では、サーデンペプチドはどこに作用するのでしょうか?
サーデンペプチドが血圧に効果的な作用機序は?
サーデンペプチドは、ACE阻害薬と同様に、アンジオテンシン変換酵素を阻害する機序により、血圧の上昇を抑える作用があると言われています。
ACE阻害薬は、医師により病院で処方されるれっきとした薬であり、かつ、厄介な副作用として
- 空咳(痰をともなわない咳)
- 血管浮腫(まぶたや唇の腫れなど)
などが報告されています。
一方で、サーデンペプチドには、このような副作用はなく、また、血圧が正常な人には作用しないというメリットがあります。
大手製薬会社のサーデンペプチドを含有する特定保健用食品サプリメント
高血圧の改善には、すぐに薬に頼るのではなく、
- 食事療法
- 運動療法
の改善がまず行われます。
この食事療法の補助的な役割をしてくれるものの1つが、サーデンペプチドを含有するサプリメントです。
いくつか種類がありますが、やはりCMでもおなじみの大手製薬会社であるエーザイがプロデュースするサプリメントに注目です。
「ヘルケア」というサプリメントです。
1日分のサプリメントに「いわし3匹分」のサーデンペプチドが配合されています。
まさにイワシのイイトコどりです。
現在モニターを募集しています。
私も応募してみました。
詳しくはこちら→エーザイの血圧サプリメント モニター募集
最後に
「新鮮なイワシ」という意味のサーデンの成分が含まれるサーデンペプチドがいかにして血圧を下げるのかという点について解説しました。
また併せて血圧が上昇する機序や、それを抑えるために、どのような薬剤が医療の現場で用いられているかについても解説しました。
大手製薬会社からも、血圧に効果的なサプリメントが発売されていますので、
- 食事療法
- 運動療法
に加えて試してみるのも良いと思います。
参考になれば幸いです( ^ω^ )