片頭痛に悩んでいる方の多くは市販の鎮痛剤を使用されているようですが、中でも頭痛薬として知られるロキソニンを選ぶ方は多いようです。
しかし、片頭痛にロキソニンが効かない・・・と耳にする事もあります。
どうして片頭痛にロキソニンが効かないの?そもそもロキソニンとはどういう薬なの?など、ロキソニンへの疑問は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、
- 片頭痛にロキソニンが効かない理由は?
- ロキソニンとは?
- ロキソニンSとは?
- 片頭痛にロキソニンとバファリン、どちらが効くの?
- 片頭痛にロキソニンと カロナール、どちらが効くの?
以上の疑問について解説していきます。
片頭痛にロキソニンが効かない!その理由は?
ロキソニンは炎症などを起こす物質の生成を抑制し、痛みや熱の炎症を鎮める作用がある薬です。
しかし、片頭痛の原因の一つとして、頭部の血管が拡張する事が考えられていますが、ロキソニンには血管を収縮させるなどの効果はないため、片頭痛の症状を改善する事は難しいとされます。
慢性の頭痛には、大きく分けて以下の3種類があります。
- 緊張型頭痛:肩凝りや眼精疲労などによって筋肉がこわばり、血の巡りが悪くなって起こる頭痛。
- 片頭痛:ストレスや疲れ、光や音、匂いなどの原因によって、脳の血管が異常に拡張して起こる頭痛。
- 群発頭痛:特定の季節に連続して起こる特殊な頭痛。
この中でロキソニンが効くのは、緊張型頭痛のみです。
片頭痛も、比較的軽いものであればロキソニンが効くこともありますが、痛みが強い場合には片頭痛専用の痛み止めとして、トリプタン製剤などを使う必要があります
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片頭痛のメカニズムと薬の効果が合っていないと改善や治療には繋がりませんので、その点を十分に理解して、自分に合った片頭痛の薬を見付けることが大切です。
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ロキソニンとは?
体内の痛みや炎症、発熱などを引き起こす物質(プロスタグランジン)が作られるのを抑制することによって、炎症に伴う腫れや痛みを緩和し、熱を下げます。
頭痛や風邪、生理痛といった日常的な発熱や痛み止めに始まり、歯痛や抜歯後の鎮痛など、大小さまざまな痛み止めとして広く使用されています。
主な副作用として、胃部不快感、腹痛、悪心・嘔吐、食欲不振等の消化器症状があります。
この副作用が重症化することはまれですが、胃潰瘍など消化性潰瘍に発展しないように、念のため注意したいものです。とくに元々胃腸が弱い方や、過去に同様の副作用が出たことのある方、ご高齢の方は気を付けましょう。
また、厚生労働省は、2016年3月22日、解熱鎮痛消炎剤の「ロキソプロフェンナトリウム水和物(経口剤)」(商品名・ロキソニン錠60mg、同細粒10%、ロキソプロフェンナトリウム内服液60mgなど)について、医薬品添付文書の「重大な副作用」の項目に「小腸・大腸の狭窄・閉塞」を追記するよう指示を出しました。
これらは極めて頻度が低い副作用ですが、「このような副作用もある」と頭に入れておくことは大切な事です。
市販薬のロキソニンSは、病院で処方される医療用ロキソニン錠60mgと成分の内容と量、添加物の内容と量、錠剤の大きさなどがいずれも同じです。
しかし、効能効果の対象となる病気や疾患によっては医師の診断がないと処方できないものもあります。
市販薬と処方薬での対応できる効能効果には以下のような違いがあります。
処方薬「ロキソニン錠60mg」の効能効果
- 関節リウマチや変形性関節症
- 腰痛症
- 肩関節周囲炎
- 頸肩腕症候群
- 歯痛
- 手術後、外傷後並びに抜歯後の鎮痛・消炎、
- 急性上気道炎の解熱・鎮痛
市販薬「ロキソニンS」の効能効果
- 頭痛
- 月経痛(生理痛)
- 歯痛、抜歯後の疼痛
- 咽喉痛
- 腰痛、関節痛、神経痛、筋肉痛、肩こり痛、耳痛、打撲痛、骨折痛、ねんざ痛、外傷痛の鎮痛
- 悪寒、発熱時の解熱
ロキソニSとは?
医療用医薬品として医師によって処方されている非ステロイド性消炎鎮痛薬「ロキソニン」を、一般用医薬品 「ロキソニンS」として販売した市販薬です。
病院などで専門的に使われた薬品を薬局などで販売するようになったわけですので、効果が強い分に副作用が起こりやすい短所があります。
もっとも多い副作用として、胃部不快感や腹痛、眠気があります。
重症化することは稀ですが、胃潰瘍など消化性潰瘍になる可能性もあるため、飲み過ぎには注意するようにして下さい。
特に高齢者の方は、気をつけた方がいいでしょう。
服用が長期になる場合には医師に相談の上、服用するようにして下さい。
- ロキソニンS
- ロキソニンSプラス
- ロキソニンSプレミアム
ロキソニンS
頭痛全般と生理痛などに即効性があります。
主な特徴は以下の通りです。
- ロキソプロフェンナトリウム水和物が、痛みや熱の原因物質を抑制し、すぐれた鎮痛効果や解熱効果を発揮。
- 胃への負担が少ない。
- 眠くなる成分を含まない。
- 1回1錠でよく効く。
- のみやすい小型錠。
ロキソニンSプラス
ロキソニンSプラスはロキソニンSに胃にやさしい成分を配合したものです。
頭痛全般と生理痛などに即効性があるのに加え、胃への負担が気になる方におすすめです。
主な特徴は以下の通りです。
- ロキソプロフェンナトリウム水和物が、痛みや熱の原因物質を抑制し、すぐれた鎮痛効果や解熱効果を発揮。
- 胃を守る成分として、酸化マグネシウムをプラス配合。
- 1回1錠でよく効く。
- 眠くなる成分を含まない。
- のみやすい小型錠。
ロキソニンSプレミアム
頭痛全般と生理痛などにロキソニンSよりも即効性を発揮します。
主な特徴は以下の通りです。
- 鎮痛成分(ロキソプロフェンナトリウム水和物)に、アリルイソプロピルアセチル尿素を配合し、鎮痛効果を高める。
- さらに無水カフェインを配合、鎮痛効果を助ける。
- メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを配合、胃粘膜保護作用により胃を保護する。
- のみやすい小型錠。
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片頭痛にロキソニンとバファリン、どちらが効くの?
- ロキソニン:頭の痛みを感じる神経を麻痺させる働きがある。
- バファリン:頭痛を和らげてくれる働きがある。
簡単に説明すると上記の様になりますが、要するに含まれる成分によって頭痛の治し方が異なっているのです。
どちらも薬が効いているうちは痛みは感じませんが、薬の効き目が切れればまた頭痛が再発しますので、頭痛そのものが完治するのではありません。
また、どちらの薬も頭痛を根本的に治すということは不可能であり、片頭痛のように頻発する頭痛に使うことはおすすめできません。
酷い頭痛を抑える・痛みを早く鎮めるのには、バファリンよりもロキソニンの方が効果的ですが、ロキソニンは、副作用が強くなります。
バファリンで知られる副作用に、胃腸障害や眠気があります。
これは、バファリンに含まれるアスピリンという成分が胃の粘膜に貼り付いて溶けていくためで、留まった成分が粘膜の炎症を引き起こしてしまうのが理由です。
胃に優しいとうたわれていますがバファリンは空腹で服用してはいけません。
また、妊娠中の方は注意が必要です。
片頭痛にロキソニンと カロナール、どちらが効くの?
- ロキソニン:頭の痛みを感じる神経を麻痺させる働きがある。
- カロナール:脳の体温中枢などで効果があり解熱鎮痛効果を発揮する。
カロナールは主に医師によって処方される解熱鎮痛剤の一種で、頭痛や生理痛、歯の痛みなどに使われる薬です。
血管を広げ、熱を下げたり痛みを和らげる作用がありますが、痛みの根本を治療し、消し去る薬ではありません。
その時起こっている痛みを一時的に鎮める作用があるだけで、しかもその効き目も穏やかです。
カロナールは、アセトアミノフェンで一般的な鎮痛薬(NSAIDs)とは作用機序が異なり、副作用も比較的少ないものの効果も緩やかで、授乳中の方にも使える安全性が高めの薬です。
ロキソニンなどの強い薬も、カロナールのような穏やかな薬でも、頭痛を根本的に治すということは不可能であり、片頭痛のように頻発する頭痛に使うことはおすすめできません。
以上のことから、頭痛薬としてとにかく効果を得たい場合はロキソニン、胃腸などを保護しながら効果を得たい場合はカロナールが選択肢になるでしょう。
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まとめ
- ロキソニンが片頭痛に効かないのは、薬の持つ効果が「鎮痛作用」にあるからである。
- ロキソニンが効くのは、緊張型頭痛のみである。
- ロキソニンは、解熱鎮痛剤で、ロキソプロフェンナトリウム水和物が主成分の薬である。
- ロキソニンの副作用として、胃部不快感、腹痛、悪心・嘔吐、食欲不振等の消化器症状がある。
- ロキソニンSとは、医療用医薬品として医師によって処方されている「ロキソニン」を、一般用医薬品 として販売した薬である。
- ロキソニン、バファリン、カロナールは、頭痛を根本的に治すことは不可能であり、片頭痛のように頻発する頭痛に使うことはすすめられない。
ロキソニンは頭痛薬としての効果には優れますが、片頭痛には効果を発揮できない事をお分かりいただけたと思います。
ロキソニンをはじめ、市販されている頭痛薬の多くは、その痛みを軽減・麻痺させるためのものであり、薬を飲んで効果が出ると痛みは感じなくなりますが、痛みそのものが完治するのではありません。
ですから、薬によって痛みが治まっても油断せずに、安静にすることも大切なことです。
まずは自分に合った市販薬を試し、それでも効果が得られない場合は早めに受診するようにして下さい。