腫瘍マーカーの一つであるSTNはどのようながんで数値が上昇するのか、また、そもそもSTNとは何なのかについてまとめました。
STNとは?
まず読み方はそのまま、エスティーエヌです。シリアルTn抗原精密検査とも呼ばれます。
母核糖鎖抗原で、ヒツジの顎下腺のムチンを抗原として作成されたモノクローナル抗体クローンTKH2抗体により認識されます。
ヒトの正常組織にも認められ、血管内皮細胞や精巣、胃や大腸の細胞で認められます。
STNの正常値は?
STNの正常値は45.0U/ml以下です。
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STNが異常値をきたす病気は?
- 卵巣がん、特に腹水が貯留している場合
- 胃がん
- 大腸がん
- 肺がん
- 膵臓がん
- 稀に良性の卵巣腫瘍
- 稀に胆石症
特に有名なのが卵巣がんです。良性の卵巣腫瘍でもこのSTNが上がることがあるので注意が必要ですが、基本的に非常に稀であり、この腫瘍マーカーの上昇は卵巣腫瘍が悪性であることを強く示唆します。
卵巣癌でも特に腹水が溜まっている場合に、陽性率が高くなります。
STNが高値を示している場合の次の検査は?
卵巣腫瘍の確認が必要となりますので、婦人科を受診した上で、各種画像検査、つまり、腹部エコー検査、腹部造影CT、MRIといった検査を受けて、詳しく検査をする必要があります。
特に卵巣や子宮などの女性骨盤臓器は、MRIが空間分解能も高く有用とされています。
場合によっては、FDG-PETなどで転移などの確認をすることもあります。
各種画像検査で悪性の可能性が高いと判断された場合は、病期に応じて手術になることもあります。