「私は、毎年会社の健康診断を受けているから、人間ドックは受けなくてよいのでしょうか?」

このようにおっしゃる方がおられますが、健康診断と人間ドックは同じものではないのです。

と申しますか全く別物と考えたほうがよいでしょう。

ここでは健康診断と人間ドックの違いについてまとめてみました。

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人間ドックと健康診断の違いは?

一般女性
まず健康診断とは何でしょうか?
男性医師
健康診断は、従業員の健康のために会社が法律で義務づけているものです。

ですので、もちろん会社によっては、良心的に詳細な検査をしてくれるところもありますが、基本的にオプションなんてありませんし、最低限の検査であることが多いのです。

つまり法律で義務づけられている最低限の検査のみをするところが多いのです。

健康診断=一般健診(定期健診)

1年に1回行われます。

身長、体重、血圧、尿検査、血液検査、視力検査、聴力検査、胸部レントゲン検査、心電図などの検査がここで行われます。馴染みが深い検査ばかりですね。

会社によっては、視力・聴力、胸部レントゲン検査などが省かれることもあります。

ちなみに、健康診断を受けられるのは、会社勤めをしているだけではありません。

会社員ならば会社が加入している健康保険組合、自営業なら国民健康保険、公務員なら共済組合の健康診断を受けることができます。

また、日本ではすべての人がその年齢に応じた健康診断を受けられるようになっています。

日本で受けられる健康診断
  • 乳幼児健康診査:生後〜小学生
  • 学校健診:小学生〜大学生
  • 職場健診:会社
  • 住民健診:主婦や自営業者
一般女性
確かに、幼少期から健康診断は受けてきましたね。

子供の場合は、成長と発達の様子を確認することも、健康診断では重要です。

ただし、中高年以上になってくると、高血圧、糖尿病などの生活習慣病、さらには「がん」の早期発見が重要になってきます。

男性医師
子供と大人では、病気になる頻度が全然異なるということですね。

にもかかわらず、健康診断というのは、基本的に最低限であり、子供の頃受けた健康診断に毛が生えた程度の項目しかないのが現状です。

これでは、がんはもちろん、生活習慣病さえも見逃される可能性があります。

人間ドックで異常がないからといって、重大疾患や癌がないとは言い切れませんが、健康診断で異常がないからといって、これらの疾患がないとはますます言えないということです。

まさに最低限の検査であるということを覚えておいてください。

ただし、健康診断の自己負担金額は加入している健康保険組合によっても異なりますが、多くは無料〜数百円、高くても2000円程度で受けることができます。

人間ドックの場合は全額自己負担ですので、こうはいきません。

特定健康診査(メタボ健診)

子供と同じ項目だけでは、予防できないということで始まったのがこのいわゆるメタボ健診です。

40歳から74歳の方が対象で、生活習慣病にフォーカスを当てた健診です。

高齢化により生活習慣病患者は増大の一途です。当然それに伴い、医療費は年々増大しています。

病気になるとその治療にお金がかかります。それなら予防にお金をかけたほうが経済的です。

そこで、生活習慣病になる前に予防しようというのが、この健診も目的で、いわゆるメタボ健診と言われるものです。

metabolic syndrome1

生活習慣病というと、言葉が曖昧でわかりにくいですが、

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常症

を早期発見して、

  • 心筋梗塞
  • 脳卒中

の死亡率を下げるのがこのメタボ健診の目的です。

検査項目などは下記記事を参照ください。

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対策型がん検診

市区町村によっては、「がん」を発見しにいく目的で、一般健診、メタボ健診以外にも、がん検診を行っているところもあります。

これは、5大がん(胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん)を早期発見することを目的とした検診です。

ただし、同じガンを見つける検査にも種類が複数あるうちで、国としては費用対効果を考えた安価でできる検査が選択されます。

また骨粗鬆症なの検査などを受診できる制度もあります。

人間ドック

上記3つで行われる検査はもちろん、さらにがんの早期発見を目指したり、脳血管障害、心血管病変を早期発見する目的なのが、人間ドックです。

medicalcheckup

健康診断が、費用対効果を考えたなるべくコストのかからない検査が選択されるのに対して、人間ドックの場合はより病気を発見しやすい検査を選択することができます。

ただし、全額自己負担で、高額になってしまい、何でもかんでも検査を受けると大変です。

毎年全部の検査を受けるのも良いですが、がん家系であったり、生活習慣病のリスクを持っている場合などを考慮して、基本検査に加えて、必要なオプションのみを選択するというのが賢い受け方と言えます。

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健康診断や人間ドックの費用は?補助はないの?

健康診断であっても、病気がない状態で受ける検査ですので、健康保険は適用されず、全額負担が基本ですが、

  • 学校健診→学校が全額費用を負担。
  • 職場健診→会社が全額費用を負担。
  • 市区町村などの自治体が行う健康診断→自治体が一部あるいは全部を負担。

と、実際に払わなければならない金額はそれほど多くありません。

人間ドックや自分の意思で受ける健康診断は基本的に全額自分負担です。

ただし、自治体や会社によっては人間ドックに対しても補助金が出る場合がありますので、チェックしてください。

健康診断だけではがんは見つからない?

健康診断だけ受けていたらいいってわけではないんですか?

そこは年齢やリスク因子にもよります。

例えば、リスク因子のない20歳代の健康な人が毎年人間ドックをフルコースで受けたりするのは、被曝などの面で正しい選択とはいえないこともあります。

ただし、健康診断ではなかなか発見されないものの一つが実はがんであり、胃がんや大腸がんの中には、簡易的なピロリ菌検査や便に血が混じっていないかを調べる便潜血検査では、発見できないものもあります。

健康診断に加えて、人間ドックで内視鏡などを追加する必要があるのです。

男性医師
つまり、健康診断では、がん検診としては不十分なのです。

健康診断は基礎検診と呼ばれ、人間ドックは基礎検診+任意検診と呼ばれます。

一般的に基礎検診では、動脈硬化や生活習慣病のリスク要因を測定することはできますが、がん検診としては不十分なんですね。

まとめ

健康診断と人間ドックの違い、健康診断の種類や、それぞれどういったことを調べる検査なのかについてまとめました。

健康診断は最低限の検査であるという認識を持ちましょう。

健康診断を受けているから、安心だとは思わず、がん検診や生活習慣のリスクをチェックするためには、個々のリスクに応じた人間ドックを受診することも考えましょう。

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